チャレンツ・アーチ 

また風邪を引いてしまいました。妻の祖母も風邪で寝込んでいます。この風邪、けっこうキツイ。なのに、来週大学の中間テストなので、今からテストを作らないと…皆さんも体には気をつけてください。

ということで、まだ少し体がだるいので、今日は簡単に観光名所を一つご紹介しておきます。

片岡さんたちが、学生との交流や12月の桜植樹イベントの下見に来られたことは書きました。毎日忙しかったですが、最終日は観光する時間が取れたので、ガルニ神殿とゲハルト修道院に行ってきました。

その道の途中に、チャレンツ・アーチという場所があります。名前を知らないと通り過ぎてしまうような所ですが、晴れた日には是非とも立ち寄ることをお勧めします。というのも、アララト山の最高のビューポイントなんです。

アーチに、アルメニアの大詩人チャレンツの詩の一節が刻まれているので、チャレンツ・アーチと呼ばれています。そこから見えるアララト山は本当に美しく、その姿にチャレンツが深く感動したのも頷けます。

片岡さんたちが来られて最初の3日は、アララト山はほとんど顔を見せてくれませんでした。片岡さんは過去に何度も見ていますが、田岡君にとって初めてのアルメニア訪問。せめて一回ぐらい、アララトの雄姿を見てもらいたいと思っていました。

すると、最終日の朝は澄み切った青空!チャレンツ・アーチからも、美しいアララト山の全景を見ることができました。本当に運がいい。これも私の日頃の行いが…いやいや、アルメニアのために頑張ってくれている片岡さんや田岡君に、神様からのプレゼントでしょう。

その後、ガルニ神殿やゲハルト修道院を観光して帰る時には、アララトの山頂はすでに雲に隠れていました。やはり山の天気は変りやすい…まさに運次第ですが、天気が良ければ、是非ともアーチからアララト山を眺めてみてください。

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アーチには、チャレンツがアララト山について読んだ詩が刻まれています。「世界中旅しても、アララトほど美しい頂を持つ山はないだろう…」と書かれてあります。

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アーチの向こうに見えるアララト山。思わず、「オー・・・」と見とれてしまいます。

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何も遮るものがない広々とした荒野にそびえるアララト山。片岡さんたちに、最高のアララトの景色を見せることができて良かったです。

尺八・書道、ドゥドゥクのコンサート 

先週の土曜日、あるコンサートに行ってきました。それは、尺八・書道、そしてドゥドゥクがコラボしたコンサート!

このコンサートは、日本・アルメニア国交樹立20周年を記念して、パリ在住の友人・尾崎公美さんが企画されたものです。片岡さんと同じく、尾崎さんの両国の友好にかける思いには感服します。いろいろと大変なこともあったようですが、努力の甲斐あって、コンサートが実現しました。

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挨拶をされる尾崎さん。いつも両国の友好のために頑張っていらっしゃいます。

尺八奏者は吉田公一さん。書道家は、奥さんのエカテリーナ・ナザロヴァさん。ロシア人で、日本滞在はすでに7年になり、日本語はペラペラです。そして、ドゥドゥク奏者はゲヴォルグ・ダバギャン。以前、このブログでも紹介したことがある著名な演奏家です(こちら)

尺八は日本の伝統的な楽器ですが、生音をこんな間近で聞く機会はあまりなかったと思います。日本より海外にいる時の方が、こうやって日本の伝統文化に触れる機会に恵まれるもので、今回もとても楽しみにしていました。

まず、奥さんのエカテリーナさんが舞台に上がり、おもむろに筆を持って書を始めると、会場の後方から尺八の音色が鳴り響きました。吉田さんの登場です。尺八を吹きながら、無心で筆を走らせる奥さんと同じ舞台に上がります。

吹き終わると、エカテリーナさんが書き上げた作品を掲げました。そこには、大きく「禅」の文字。迷いのない筆さばきで書かれた文字は美しく、本当に達筆で驚きました。その後も、尺八の演奏に合わせて、「無」や「空」などの文字、そして墨絵も書いて下さいました。

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サハリン出身のエカテリーナさんの書く字はどれも力強さがありました。日本語もとても流暢です。

吉田さんの尺八の演奏も、本当に素晴らしかったです。そのシンプルで深い音色は、今まであまり聞く機会がなかったとはいえ、日本人の心に染み渡ります。聞きながら目を閉じると、日本の様々な風景が浮かんでくるのです。「やっぱり自分は日本人なんだなあ…」と感じました。  

私にとっては、どこか懐かしく感じる尺八の音でしたが、アルメニア人にとっては初めて聞く音色。しかし、多くの人が真剣に聞き入っていました。「侘び寂び」という日本固有の美意識を理解するのは難しいかもしれませんが、きっと何かが心に伝わったのだと思います。

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吉田さんの演奏はすごかったです。聞き惚れてしまいました!奥さんのエカテリーナさんが、ロシア語で尺八や演奏曲について説明して下さいました。

コンサート後半は、アルメニアの伝統楽器ドゥドゥクの登場です。巨匠ゲヴォルグさんの演奏はさすがでした。リラックスした雰囲気の中、アルメニア人にとって馴染みのある曲を次々と演奏し、観客もとても盛り上がっていました。

そして、最後に吉田さんも舞台に上がり、尺八とドゥドゥクの共演が始まりました。吉田さんがアルメニアの曲を尺八で吹くと、観客は大喜びで拍手喝采!すごい盛り上がりでした。遠く離れた二つの国の伝統楽器が、一緒に音楽を奏でる様子は感動的でした。

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物悲しいドゥドゥクの音色も、私は大好きです。ドゥドゥクと尺八の共演が見れるとは…これには会場全体が盛り上がりました。まさに、両国の友好親善のコンサート!

とても素晴らしいコンサートで、忘れられない一時を過ごすことができました。企画された尾崎さん、はるばるアルメニアまで来て下さった吉田さん、エカテリーナさんには心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました!

それでは、コンサートの様子を動画でご覧下さい。



ちなみに、その晩は吉田さん・エカテリーナさん夫妻と一緒に食事をして、いろんな話に花を咲かせました。やはり芸術家の道というのは苦労が多いようですが、とても仲が良く楽しいお二人で、たくさん元気をもらえました。

桜プロジェクト 

リフォームですが、問題の職人は全く来なくなりました…妻や義母が電話すると、毎回いろんな言い逃れをして、「明日行く」とか「あと数分で着く」とか適当な約束をしながら、結局来ないの繰り返し。

頼んだキッチンと家具は、どちらも少しだけ未完成の状態のまま。キッチンの代金は、彼にまだ全額は渡してはいませんが、家具の方は妻と義母が全額払ってしまったので騙されたような感じです。お金を貰ったのに、待たせるだけ待たせて仕事を放り出すなんてひどいですよね。

さすがに耐え切れなくなったのか、義母は他の職人に依頼したようです。しかし、その職人も信用できるかどうか…本当に、ここの職人はいい加減すぎて呆れ返ります。

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ベッド脇のキャビネット。上の引き立し前面の板がありません。こんな中途半端なままにして、職人は来なくなりました…

さて、片岡さんと田岡君のアルメニア訪問の続き。スカイプによる交流やおにぎり作りなどで、授業はとても盛り上がりました。この文化交流も訪問の目的ですが、今回はさらに大切な目的がありました。それは、12月に予定しているイベントの下見と準備。

実は、片岡さんは、アルメニアに桜を植える計画を香川大学の学生たちと進めているのです。名づけて「桜プロジェクト」!そのまんまですが、素晴らしい計画ですよね。本当に片岡さんはすごい!両国の友好にかける思いは、もう私以上かも…

ここは春になると、杏の花が桜のように美しく咲くので、私も「桜を植えられないかなあ…」とふと考える時があります。それが実現するかもしれないと思うと、すごく楽しみです。幸い、アルメニアの気候や土壌は、桜に適しているようです。

桜の苗木一本は、12月に言語大学の庭に植えて、植樹式と日本文化祭を開く予定です。それを第一歩として、将来は公園などの公共の場所にも、桜を植えたいと片岡さんは考えています。成功すれば、アルメニアで花見ができる日が来るかもしれません。

今回の訪問では、大学と話し合って庭のどこに植えるか下見したり、桜の輸入許可を取ったり、文化省に協力を求めたりと、プロジェクトを成功させるために毎日大忙しでした。しかし、予定していた目的はほぼ達成して、充実した滞在になったようです。

私と妻も、出来る限り協力しています。片岡さんは大切な友人ですし、本当に素晴らしい夢ですからね。両国の友好の証として、是非ともアルメニアで桜の花を咲かせてみたいものです。片岡さんと香川大学の皆さん、一緒に夢に向かって頑張りましょう!

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片岡さんは、言語大学の学生全員に箸をプレゼントしてくれました。みんな大喜びでした。どうもありがとうございます!

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素晴らしい交流となりました。香川大学、言語大学の学生たちが協力して、桜の植樹と日本文化祭を成功させたいと思います。

二つのお知らせ 

風邪がひどくなってしまいました…昨日はエレバン建都2794周年で、中心部ではいろいろと盛り上がっていたと思いますが、ずっと家で休んでいました。まあ、毎年見ているので、元気でも行かなかったような気はしますけどね。

とりあえず、今日はお知らせを二つ、手短に書かせて頂きます。

まず、愛知県国際交流協会が作成したアルメニア情報について。以前、協会から「写真を使わせて頂けませんか?」という問い合わせがあり、快諾しました。このアルメニア情報は、ネットで公開されていますが、大変よくまとまっています。私の写真もたくさん掲載されているので、是非ともご覧ください。

愛知県国際交流協会「アルメニア情報」 (←クリックすると開きます)

もう一つは、私のテレビ出演について。明日の夕方、日本のテレビにスカイプで出演します。

10月16日(火) 17:00~17:49
NHK・BS1「ほっと@アジア」

実は、先週土曜日は、アルメニアの「翻訳家の日」でした。エレバン建都記念日のように盛大に祝われることは全くないですが、アルメニア文字を発明したメスロプ・マシュトツの功績を称える日。

それにちなんで、今回はアルメニア文字についてお話しさせて頂く予定です。独自の文字を使う民族というのは、世界にあまり多くありません。その中でも、アルメニア文字は歴史があり、アルメニア人のアイデンティティーの一つと言えるでしょう。

是非とも、ご覧になってください!

おにぎり作りに挑戦! 

やっぱり日に日に寒くなっています。不覚にも、風邪を引いてしまいました…まあ、喉が痛いぐらいで熱はないんですが、皆さんも気をつけてください。

さて、昨日、W杯ブラジル大会の欧州予選がエレバンで行われ、アルメニアはイタリアと戦いました。結果は、3-1でイタリアの勝利。まあ、大方の予想通りですが残念ですね…しかし、欧州のサッカー強豪国と戦わなきゃいけないなんて、ちょっとアルメニアが可哀相な気がします。

今日も、片岡さんのアルメニア訪問について。スカイプによる交流のあと、学生たちは「おにぎり作り」に挑戦しました。なぜおにぎりか?というと、教科書におにぎりの話があったので、片岡さんの訪問に合わせて実際に体験させようと思ったんです。

簡単だし、「日本料理は寿司だけじゃない」ということを学生に知ってもらいたかったので。片岡さんと田岡君は、このためにわざわざ日本から海苔やふりかけ、おにぎり型を持って来て下さいました。

まずは、田岡君に手で握ってもらいました。「ほとんどやったことないですよ」と戸惑っていましたが、上手に三角おむすびを作ってくれました。そして、ふりかけをかけて海苔を巻いて完成!学生から「オーッ!」という歓声と拍手。

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そして、私はおにぎり型で作って見せました。初めておにぎり型で作ったんですが、手も汚れないし、あっという間にきれいな三角おむすびが作れるし、本当に便利ですね。これも、学生から「オーッ!」と歓声が上がります。実は、私も内心、「スゲー、めちゃ簡単やん!」と感動していました。

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早速、学生に挑戦してもらいましたが、やはり手で握るのは抵抗があるのか、みんなおにぎり型で作っていました。遊び感覚で作れることもあるんでしょう。まず失敗もないし、こちらも見ていて安心です。そして、本当にみんな楽しそうです。

ただ、せっかく4種類のふりかけを用意したのに、学生は「ごましお」ばかり使うんですよね…やはり魚や卵のふりかけは抵抗があるようです。日本人にしたら、そっちの方が絶対に美味しくてお勧めなのに。まあ、それでもみんな「美味しい!」と食べていました。

みんな一つずつ作って美味しく食べて、おにぎり作りは大成功に終わりました。ふとした思いつきだったんですが、やって良かったです。片岡さんと田岡君、ご協力どうもありがとうございました!

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みんな楽しそうですよね。次は、手で握らせてみてもいいかもしれません。とにかく、こんな機会をもっと増やしたいものです。