エレキギターを買いました!
懸案のアルメニアの外交問題。NATOが事態の収拾に努めていますが、アルメニアとアゼルバイジャンの関係は、互いに戦争に言及するほど険悪になっています。まあ、そういうことは過去にもあったので、恐らく今回も大丈夫だと思います。
いくらなんでも殺人犯を自由にして英雄扱いするのは、完全に間違っています。人殺しを正当化するわけですからね。しかし、国同士の対立で、そんな非人道的なことまでまかり通るようになってしまうなんて悲しいです…
さて、今週から大学が始まりましたが、学生はまだまだ夏休み気分が抜けていないようです。一昨日は、授業直前に学生から、「みんなで映画を見に行くことになったので、授業はキャンセルします」と連絡がありました。別にボイコットとかじゃなく、こういうことは学期初めに多いんです。授業もオリエンテーションっぽいし、学生も久々に友達と会って盛り上がるんでしょう。他の先生も、「教室に行ったら誰も来てない」と言っていました。
しかし、堂々と「映画に行きます」って…アルメニアの教育は大丈夫かと書いたばかりですが、本気でこの国の将来が心配になってきます。まあ、いつの時代も、学生ってサボることを考えるものですから仕方ないのかもしれません。
そして、7月からやっているリフォームですが、実はまだ終わっていません。夏休み中に終わる予定だったんですけどね…最後のキッチンを作る職人が、毎回いろんな理由で仕事が遅れているんです。さすがに、妻も妻の家族も呆れています。
仕事でもプライベートでも、こんな風にいろいろ大変なので、最近少しストレスが溜まりがち。せっかくの夏休みも、リフォームで結局どこも出かけられませんでしたし…
実は、ストレス発散のために、先日ある買い物をしました。というか、リフォームが終わったら買おうと前から決めていたんですが、いつになるか分からないので、もう我慢できずに買っちゃいました。
それは、エレキギター!当然アンプなども一緒に買いました。思ったほど高くなかったんですが、私にすると大きな買い物。でも、本当に買って良かったです。一心不乱に弾いていると最高に気持ちいい!
買った楽器屋には、エレキギターはたった4本、アンプは1つしか置いてませんでした…まあ、エレバンは楽器屋自体あまりないので、文句は言えません。そんな状況は予想していたので、気に入ったのを選んで迷わず購入。選択肢が少ない分、決めるのは簡単です。
授業で弾いてみせたら、学生たちはすごく喜びました。ただ、往年の名曲のギターリフをいろいろ弾いても、ちっとも知らないので、世代のギャップを痛感。60~70年代の曲は仕方ないとして、Guns&Rosesも分からないなんて…
アコギはずっと弾いていましたが、エレキは久々。10年以上弾いてなかったような…これから練習しないと。当分は贅沢できませんが、本当に買って良かったです。
- [2012/09/08 17:46]
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ハンガリーと国交断絶
9月に入って、朝晩はかなり涼しくなりました。そのせいか、妻は風邪を引いてしまいました…昨日から授業が始まったので、私も健康管理に気をつけないと。
その仕事について、前回の記事ではネガティブなことを書きましたが、やはり久々に学生たちの笑顔を見たら元気が出ました。とはいえ、日本語教育の世界に入ってちょうど10年という節目の時期なので、いろいろと考えてみたいことはあります。
さて、先週アルメニアでは深刻な外交問題が起こりました。何と、ハンガリーとの国交を断絶したのです。理由は、8年前にアルメニア人を殺したアゼルバイジャン人を、最近ハンガリー政府が本国に送還したことです。
ニュース記事:エレバンで抗議デモ「ハンガリーよ、さようなら」
いくら敵国同士といっても、他国での訓練中に、寝ている人を斧で殺すなんて残酷な事件です。当時、現場にはアルメニア軍人がもう一人いて、犯人のアゼルバイジャン軍人は、直後に彼も殺そうとしたそうです。そして、裁判では、「自分がやったことに全く後悔はない」と話したそうです。
当然、ハンガリーで無期懲役の判決が下されたのですが、アゼルバイジャンに送還されるとすぐ恩赦が与えられて自由の身になりました。更には、英雄扱いされているそうです。おいおい、それはちょっとアカンやろ…
戦場での話ならまだしも、この事件は、被害者が誰であろうとただの殺人。その殺人犯を釈放して英雄扱いするのは間違っています。今、アルメニア人のアゼルバイジャンに対する怒りや憎しみは頂点に達しています。そして、その犯人を送還してしまったハンガリーに対しても怒り狂っています。
抗議デモが行われたハンガリー領事館前。罵詈雑言が書かれた紙が張られ、投げつけられた野菜などが落ちています。掲げられていた国旗も燃やされてしまいました。
ハンガリー政府は、まさか犯人が帰国後そんなに優遇されてしまうとは思っていなかったのか、アゼルバイジャンとそのような同意があった上で送還したのか分かりません。しかし、結果的にアルメニアの凄まじい怒りを買ってしまいました。
「確かに、これはひどい!」と、さすがに基本的に中立でいる私も、今回ばかりはアルメニア人の気持ちが理解できます。とにかく、争っている国との関係が悪化し、新たに他国との関係を絶つという事態は、アルメニアにとって残念なことです。
しかし、8年前の悲惨な殺人事件も、今回のように緊迫した状態になってしまうのも、元々はナゴルノ・カラバフの領土問題、そしてそれを巡る戦争が原因です。戦争には決してならないよう、お互いに冷静に対応してほしいと思います。
ニュース記事:アルメニア大統領「アゼルバイジャンと戦争の用意ある」
- [2012/09/04 16:08]
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アルメニアの教育の現実
9月になりました。来週から言語大学の授業も始まりますが、私は一昨日久々に大学に顔を出しました。というのも、先学期落ちた学生の再テストをするためです。いや、正確には再々テストですね。その学生たちには、7月中旬に再テストをしていますから。
その再テストでほとんど何も書けなかったので、8月末に再度テストをする予定だったんです。正直ここまで手こずる学生は、テストをする意味はほぼありません。だって、ひらがなさえまともに書けないんですから。じゃあ、なんでテストをするのかというと……落第させられないから!
普通だったら、ひらがなも書けない学生が残ってなどいません。ルールでも、最終成績で60点未満だと再テスト、それでもダメだったら落第ということになっているはずです。が、再テストなんて建前で、結局は通さなきゃいけないという暗黙のルールがあるんです。
大体、最終成績だって、出席や宿題などを半分以上加味してかなり甘く算出しています。それで6割取れないというのは、欠席が多くてテストも毎回ほぼ0点のひどい学生…義務教育ならともかく、大学なら落第にすべきですよね。しかし、アルメニアではそのまま進級させてしまうんです。
理不尽な話ですが、それで学生が大学をやめたりすると、経営に響くからだそうです。まあ、もっと他にも理由はあるかもしれません。とにかく、どんなに勉強しない学生でも、アルメニアではまず落第させられない…ということです。
今回の再々テストを受けた学生の一人は、先学期1度も授業にもテストにも来ませんでした。夏休み前に突然現れて、「専攻を変えた時に、自分が日本語の授業に登録されたことを知らなかった!再テストを受けさせて下さい!」と言い出しました。私は彼女の顔を見るのも初めて…
しかし、自分が何の授業に登録されているかを、学期中ずっと知らないなんてあり得ないでしょう…学生は、大学事務所のミスと言い張るんですが、何にしても、今更テスト受けたって落ちるに決まっています。突っぱねましたが、大学側は「8月末にテストしてあげろ」と言うので、仕方なく質問内容まで教えてチャンスをあげました。
で、一昨日のテストで、その学生は遅刻した上に、何も書けないし、それを恥じる様子もありません。もう怒る気力も失って、大学事務所に「この学生、一体どうしたらいいの?」と伝えると、職員はとりあえず学生を呼んで大声で叱っていましたが、やっぱり最後は、「チャンスをあげろ」…
チャンスって、結果は自分で努力してつかみ取るもの。その努力を全くしない人にあげても意味ありません。つまり大学が言いたいのは、「建前でテストをやって通しなさい」ということ。こうやって、どんなに勉強しない学生も落第せずに卒業していくのです。
これは、他の学科でも全く同じですし、他の大学でも似たようなものだと聞きます。悲しいかな、これがアルメニアの教育の現実のようです。こんな状態だと、国の教育レベルは下がる一方…教育は国の根幹ですから、アルメニアの将来が心配になります。
いつもいろんな学生がいますし、こんなことには慣れているんですが、ちょっと他にも落胆することがあり、今回はいろいろと考えました。日本語教育の世界に入って、今年でちょうど10年目。この仕事に本腰を入れた時、「どんなに大変でも10年は頑張ろう!」と決めたので、一つの節目を迎えようとしています。
私はこの仕事が好きです。真面目に学んでいる学生に教えるのは本当にやりがいを感じます。それに、アルメニアで日本語を教えたいと思って、私はここに来たのです。今は、自分がここで日本語教育にどう関わっていくかを、真剣に考えるべき時期なのかもしれません…
- [2012/09/01 16:45]
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