旅人たちとの出会い 

日韓関係のニュースが、連日報道されていますね。ところで、韓国大統領の竹島上陸と同じ日に消費税増税法案が成立しましたが、こちらは大して話題になっていません。こういう重要な法案が成立する時に限って、外交問題や芸能スキャンダルが世間を騒がすような…そんな気がするのは私だけでしょうか。

さて、今年の夏は、いろいろな日本人バックパッカーと知り合いました。ほとんどは休学して長期旅行に出ている大学生。私がバックパッカーだった10数年前は、長期旅行者の多くが会社を辞めて旅に出ている人たちだったので、時代は変わったなあと思います。

アルメニアの居心地がとても良かったらしく、みんな予定よりも長く滞在していました。エレバンの雰囲気や治安の良さ、人の温かさを気に入っていましたね。何より、素晴らしい出会いに恵まれたことが大きいようです。

ここで日本語を学ぶ学生や、日本のアニメが大好きな人たちと出会い、毎日のように一緒に楽しく過ごしていました。相当楽しかったのか、「このままアルメニアに住みたい!」なんて言う人もいたぐらい。実際に住むと、いろいろ苦労もありますけどね…まあ、それだけ好きになってくれたことは嬉しいです。

彼らにとって一生の思い出ができたと思いますが、アルメニア人の方も、日本人の友だちがたくさんできて、きっと忘れられない素敵な時間を過ごしたことでしょう。こんな草の根の交流が、もっともっと増えてほしいものです。

私も、彼らと楽しい時間を過ごしました。自分もそうだったので、旅人との会話は盛り上がるんですよね。今はみんな、i-phoneを持っていたり、Facebookで連絡し合っていたり、ブログをやっていたりと、旅のスタイルはかなり変わりましたが、旅で感じたり考えたりすることは今も同じ。「ああ、俺もそうだったなあ…」なんて昔を懐かしみました。

やっぱり、今も昔も、旅の醍醐味は「出会い」。私も、12年前アルメニアで日本語を学んでいる学生に偶然出会ったことがきっかけで、今ここに住んでいます。今回アルメニア人と楽しく過ごした彼らのうちの誰かが、将来アルメニアに住むことだってあり得ます。

彼らも、そんな出会いの面白さ、人生の不思議さを旅で実感しているはずです。そうやって若い人たちが、昔の自分のように、広い世界に飛び出して、人生と真剣に向き合っている姿を見ていると応援したくなりますね。好きなことを悔いなくとことんやってほしいと思います。

DSCN1375armenia12-8-18.jpg DSCN1281armenia12-8-18.jpg 
ソーラン節を披露してくれた旅行者たち。アルメニア国旗のTシャツまで用意して気合入ってました。日本人会副会長が作った和食に、みんな感動してました(右)。私もバックパッカー時代はこうでしたね…

DSCN1732armenia12-8-18.jpg DSCN1745armenia12-8-18.jpg 
家のリフォームを少し手伝ってもらいました。その後、日本のカレーとそうめんを振舞ったら、「ヤベー!うめー!」と言いながら美味しそうに食べてました。これだけ感動してくれると、こちらも嬉しいですね。

ところで、今回トラブルに遭って困っていた旅行者を手助けする機会がありました。そんな大したことはしてないんですが、なんせ日本大使館もない国ですから、彼らにすると大分助かったようです。

思い返せば、私も旅している時、本当にいろいろな人のお世話になりました。フラッと訪れた異国の旅人に対して、何の見返りも求めず親切にしてくれる人たち、困っていると、我が事のように親身になって助けてくれる人たちがいました。

その人たちに、直接恩返しをすることはできません。私ができることは、困っている自分の目の前の旅人を同じように助けてあげることです。でも、そうすることで、親切や優しさが巡り巡って恩を返していくことになるのだと信じてます。

今回会った旅人たちも、そのことに気付く瞬間があるはずです。いつか自分が誰かを助けられる立場になった時、旅での出会いや経験を思い出してほしいと思います。

サッカー日韓対決で考えたこと 

オリンピックが終わりました。日本は史上最多のメダルを獲得!頑張りましたね。アルメニアは、銀1つと銅2つでした。

特に、女子サッカーは惜しかったですね…勝ってもおかしくない試合だったので、余計に残念です。そして、男子サッカー。できればメダルを取ってほしかったですが、心から健闘を称えたいです。

その男子サッカーの日韓対決直前に、竹島問題で両国関係が悪化しました。当然、その政治問題とサッカーの試合を重ね合わせた報道が多かったです。タイミング的には仕方ないかもしれませんし、オリンピックそのものも多分に政治的要素がありますが、なるべくスポーツと政治を一緒にしてほしくないので残念に思います。

そして、こういう時に両国の報道が、日本では「嫌韓」、韓国では「反日」を煽る内容に偏るのも問題だと感じます。例えば、勝った韓国人選手が、「独島は韓国領土!」と書かれたボードを掲げた問題。私も、あの場では不適切な行為だと思いますし、憤慨した日本人も多いはずです。

ただ、これで韓国人を一絡げに判断するのは間違っているでしょう。先日ここで韓国人バックパッカーと話す機会がありましたが、「竹島問題について、大して関心がない韓国人は多いよ」と笑って話していました。また、「韓国では、とにかく日本が悪い!と教えられるけど、ちょっと極端だと思う」とも言っていました。

反日感情が強い人も多いでしょうけど、私は彼のような韓国人にけっこう会ったことがあります。結局、国内世論や国民意識をコントロールするために、敵対的な外交手段や情報操作が用いられることはよくあり、報道と実情はかなり異なることが多いのです。ですから、報道に惑わされず、お互いに冷静になることが大切です。

今日こんなことを書いているのは、最近ある出来事があったからです。リフォームをしてもらっている職人さんとの雑談で、トルコの話になりました。彼らは私よりずっと若いんですが、「トルコ人は残虐で悪い民族だ!」と言い切りました。

悲惨な虐殺の歴史を考えると、彼らの気持ちも分からなくはありません。しかし、その理屈だと、私たち日本人も、韓国人にとって「全て悪人!」となってしまうかもしれません。そんなこと、先ほどの韓国人青年だったら、「極論だ」と否定するはずです。

私が世界中旅して実感したことは、国や宗教など違っても、みな同じ人間だということ。確かに国民性というものはあります。しかし、国や民族を一絡げにして、非難したり否定したりするのは危険だと思います。それでは、いつまでも国家間の溝は埋まらないでしょう。

難しいテーマですが、今回のオリンピックで、日韓が抱える問題、アルメニアが抱える問題について、改めていろいろ考えさせられました。

世界の富士山 

暑い日が続いています。エレバン中心部は、今年も40℃越える暑さでしょう。ちなみに、今日8月11日は、アルメニアの古い暦では新年だそうです。その暦によると、今年は4504年!長いなあ…

あと、一昨日は長崎の原爆記念日でしたね。原爆と原発問題を一緒にするな!という意見もあるようですが、原発の核廃棄物が劣化ウラン弾などに使用されて、イラクやアフガンなどの紛争地で深刻な放射能汚染を招いている現実を考えると、別問題とは思えません。

さて昨日、一冊の本が日本から届きました。それは、「世界の富士山」。世界中の「~富士」と呼ばれる山々について書かれた本です。

その本で、アララト山も登場するのですが、何と私の写真が使われているのです。しかも、背表紙のカラー写真!いやあ、自分の写真がこんな形で世に出るなんて今も少し信じられません。私のような素人の写真でいいのかな…なんて恥ずかしさもありますが。

DSCN1998armenia12-8-11.jpg 
背表紙に、雪を被ったアララト山の写真。私が真冬に撮ったものです。

でも、正直やっぱり嬉しいもんですね。本では50以上の山々が扱われていて、どれも素晴らしい写真なのですが、その中から私のアララト山の写真が背表紙に選ばれたんですから、光栄の至りです。著者の田代博さんから写真使用の許可についてメールがあり、今回こんな立派な本にして下さって感謝しています。

本には、それぞれの山についての説明だけでなく、その国の歴史や文化なども書かれていて大変面白いです。最後には、日本の富士山についての章もあります。とても読みやすいですし、山を通じていろいろと知ることができる本です。

是非とも、書店でお手に取ってみて下さい。下のサイトからも注文できます。

「世界の富士山」(新日本出版社 田代博著)

ヒカリセンターが日本へ! 

昨日8月6日は、広島の原爆記念日でした。原発事故以降、この日は日本、そして世界にとって更に意義深いものになったと思います。今年は、トルーマン元大統領のお孫さんが参列して話題になりましたが、アルメニアからも訪問団がいました。

それは、NGO・ヒカリセンターの訪問団。アルメニアで子供達に折り紙を教えている団体で、7年前から子供達が作った灯篭と千羽鶴を広島に送る活動を続けています。これについては、過去に記事にしたことがあるので、そちらをご覧ください(こちら)

私もその団体の活動を時々お手伝いしているので、4月に「アルメニアに本を送る会」の訪問団をヒカリセンターにお連れしました。その時に、今年是非とも広島を訪問したいという希望を聞き、会として協力することにしたのです。

ビザの手続きだけでなく、「せっかく日本まで来られるのだから」と、大阪・京都の滞在や観光のお世話もすることになりました。日本の会役員の方々が精力的に動いてくださり、無事に今回の訪日が実現しました!ヒカリセンターの長年の夢を叶えるお手伝いができて、本当に私たちも嬉しいです。

DSCN1883armenia12-8-7.jpg DSCN1886armenia12-8-7.jpg 
子供達が作った灯篭。一つ一つに、平和への祈りが込められています。

そして、訪問団は何と私の実家にも一泊しました。私の地元は兵庫県の相生という小さな町なのですが、大阪と広島の間にあり、新幹線も止まります。また、日本の一般家庭も知ってもらおうということで、皆さんに実家に滞在してもらいました。

すでに会役員と母から、「ヒカリセンターの方々と楽しい時間を過ごすことができた」との報告がありました。さすがに暑い中、大人・子供総勢6人のお世話はいろいろと大変だったと思いますが、きっと素晴らしい草の根の交流になったでしょう。

昨日、ヒカリセンターの訪問団は、広島で平和を祈りながら手作りの灯篭を流したはずです。アルメニアも、原発が稼動し、歴史問題や領土問題で近隣諸国と争いを抱えています。原爆の日に、実際に広島を訪れて何を感じたでしょうか…帰国されたら、是非ともお話を聞きたいですね。

今回の訪問が、両国の友好親善の一助になり、アルメニアの子供達の平和への祈りが届くことを心から願っています。

清水寺 到着日の夕食 
ヒカリセンター訪問団と「本を送る会」役員。楽しい交流だったそうです。ご協力して下さった方々、本当にありがとうございました!

楽しい(?)リフォーム 

アルメニアも暑い日が続いています。妻の実家のある場所は少し涼しいんですが、恐らくエレバンの中心部は40℃ほどかもしれません…

中心部から離れて(それでもバスで20分)、少し不便になりましたが、この辺りは静かでのんびりしているので、夏休みの今は逆に過ごしやすいです。家では犬と猫を飼っていて、毎日犬の散歩をしています。まあ、こんな生活も中々いいなあと思っています。

DSCN1818armenia12-8-4.jpg DSCN1837armenia12-8-4.jpg 
リフォームの方は、かなり進みました。それでも、イマイチいつ終わるのかまだ分かりません。元々は8月初めに終わると聞いていたんですが、どう考えても中旬までは掛かると思います。

こちらは、何事ものんびりで大雑把なところがあるので、リフォームも「大丈夫か…」と不安になることが多いです。説明と全く違ったり、注文と違う商品が届いたり、数が全然足りないということが普通に起こります。

一番ひどいのは、自分の仕事以外のことは何も気にしないところ。例えば、窓の交換のために壁を壊している時に、下にセントラルヒーティングがあっても、カバーも何もしません。石や埃が落ちるので、「何かでカバーしてよ」と言ったら、「それは俺の仕事じゃない」と言う始末…

誰の仕事ってことじゃなくて、周りの物が壊れないように気をつけるのは常識だろ!と私は思うんですけどね。まあリフォームに限らず、日本人にすると非常識というか無責任と思うことは多いので、いちいち腹を立てていたら身が持ちません。

それに、日本のサービスや質の高さは飛び抜けているので、それと比べたら大概の国はひどいもんです。「日本のクオリティーはすごい!」と海外でつくづく実感します。ただ、いい加減なのも一概に悪いとも言えず、気楽に楽しく仕事ができるところはいいですね。

リフォームをしてくれている職人たちと一緒に飲んだり歌ったりなんてこともよくあります。「ちゃんと仕事してくれ!」と思いつつ、「やっぱり楽しく働かないとね!」とも思います。日本とアルメニアを足して2で割れば、ちょうどいいんでしょうね。


職人さんたちとの宴会の様子。偉そうなこと書きながら、私が一番上機嫌ですね。こんなお気楽な雰囲気でリフォームが進んでいます。そりゃ、時間が掛かるよなあ…