アルメニアで地震について考える 

ロンドン五輪が始まりましたね。まあ、私は昔からオリンピックにあまり興味がないので、ニュースで結果だけ知って終わりという感じです。

さて前の記事にも少し書きましたが、最近妻の実家に住み始めました。今は大掛かりなリフォームの真っ最中!家の中は滅茶苦茶です。そんな状態で住んでいるので、どちらにしてもオリンピックなんて見る余裕はありません。

夫婦二人の家(アパートの部屋)を買おうかと考えたんですが、エレバンは不動産がやたら高い上に、ソ連時代のものは古くて質が悪いんです。アルメニア人も驚くほどの薄給の私にすると、買うのがアホらしくなりました…

そして、アルメニアは地震リスクが高い上に、建物の多くは耐震性を満たしていないことも、購入をためらう大きな理由でした。更に、ここは原発が近くで稼動しています。深刻な事故でもあれば、エレバンどころかアルメニア全土、恐らく近隣諸国も人が住めなくなります…

そんなことを真剣に考えていた私にとって、大変興味深い展示会が先週ありました。

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「3.11 東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」

エレバンの都市設計をした建築家タマニャンの博物館で、日本の地震専門家や建築士の方々が、様々な展示や講演を行いました。そのオープニングに招待されたので行ってきました。

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都市建設省と非常事態省(すごい名前…)の大臣も来ていました。そして、在モスクワ日本大使館の石瀬参事も挨拶されました。たくさんの人が訪れて大盛況。

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その後、東北大学の源栄教授(左)と、はりゅうウッドスタジオの芳賀沼さん(右)の講演が行われました。

源栄教授は、著名な地震工学の研究者で、東日本大震災で得た教訓や地震防災について熱く語って下さいました。とても興味深く、勉強になるお話でした。しかし、アルメニアで大地震が起こったらヤバイと一層不安になりました…

芳賀沼さんは、福島を拠点に活躍されている建築士で、震災後の被災地での活動を紹介して下さいました。仮設住宅に暮らす人々の生活をいかに活性化していくか、というお話には胸を打たれました。最後に、無人になった原発近くの町で桜が降り積もる写真には、少し涙が出てしまいました…

本当にタイミングが良かったというか、今の私にとって有意義な展示会でした。久々にあの悲惨な大災害のことをしみじみと思い返しました。と同時に、「アルメニアは大丈夫か…」と心配になりました。とりあえず、不動産を急いで買わなかったのは正解だったかもしれません。

水掛祭 

昨日の「ほっと@アジア」、ご覧になって頂けたでしょうか?妻の家族も映りました。実は、1週間前から妻の実家に同居するようになり、現在大掛かりなリフォームをやっているところなんです。

今年も暑ーい日が続いているアルメニア。番組では、毎年7月に行われる、ヴァルタヴァルという水掛祭についてお話しました。ヴァルタヴァルについては、過去の記事(こちら)をご覧ください。

昨年は日本に一時帰国中だったので、2年ぶり。元々お祭というのは無礼講が基本ですから、こうやって大人も子供も羽目を外す姿は見ていて楽しいです。

昨日の放送をご覧になっていない方も多いと思いますので、今年の祭の写真をご紹介します。

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水飲み場や噴水などで水を汲んで、誰かまわずかけまくっています。カメラを見せると、ちゃんと濡れないように足元などにかけてくれるから大丈夫です。

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で、今年もびしょ濡れになった私…まあ、暑いから気持ちいいぐらいです。

ウード 

先々週の日本パーティーで、ウード(Oud)という楽器が登場しました(こちら)。

ペルシャ発祥の弦楽器で、アラビア語の木を意味する「アル・ウード」が語源だそうです。琵琶やリュートなどの先祖と言われています。

今では、中東から北アフリカにかけて広い地域で使用され、アルメニアの伝統音楽でも重要な楽器の一つです。弦は6本で、フレットはなく、後ろに大きく反っているネックの先が特徴的です。細いばちのようなピックで演奏します。

私もギターや三線を弾くので、やっぱりこういう弦楽器は実際に弾いてみたくなりますね。それでは、プロのウード奏者の演奏をお聞きください。


アルメニア人のリチャード・ハゴピャンの演奏。


何と、日本人のウード奏者の映像がありました。常味祐司さんという方で、世界的に有名なウード奏者だそうです。

さて、お知らせがあります。来週の月曜日に、日本のテレビに出演します。どうぞご覧になって下さい。

7月23日(月) 午後5時~5時49分
NHK・BS1 「ほっと@アジア」

トルマ・フェスティバル 

先週水曜、トルマ・フェスティバルに行ってきました。トルマは、アルメニアの伝統料理です。過去に、トルマにについて記事を書いたので、こちらをご覧ください。

サルダラパットという、アルメニアにとって歴史的な戦争のあった場所で、祭は行われました。そのサルダラパットという場所についても、過去に記事を書いているので、こちらをご覧ください。

祭は夕方6時からで、4時ごろに共和国広場から無料の送迎バスが出るということで、4時前に行ったら、確かにバスが数台止まっていました。しかし、エアコンのないオンボロバスに満員の乗客で、中は完全に蒸し風呂状態!めちゃくちゃ暑かったです。

そのバスに揺られること1時間、会場のサルダラパットに着きました。友人たちと一緒に行ったのですが、もう暑くて、みんな降りてすぐ「ビール、飲みたい!」と叫んでしまいました。祭なんだから、酒もガンガン飲めるだろうと思いきや、1ヶ所でしかビールは売っておらず、その上、警察が来て貴重なそのビールも撤去!

ギリギリで買った私達は、警察の許可を得て、ビールで喉を潤すことができました。美味しかったあ!

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着きました、サルダラパット!トルマ・フェスティバルの会場です。

で、メインのトルマですが、いろんなホテルやレストランが出店していて、それぞれトルマを披露していました。「さあ、食べるぞ!」と思ったら、アルメニア人が殺到していたり、コンテスト用だからと食べさせてくれなかったりして、ほとんど口にできませんでした…

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様々なトルマが出品されました。美味しそうですね。でも、コンテスト用で食べられなかったり、最後の方の写真で分かるように、アルメニア人が殺到していて、あっという間に試食できるトルマも終わってしまいました…

結局、食べたのはトルマ3つだけ…お腹は空くわ、暑いので酒は飲みたいわで、帰りのバスではかなり疲れました。まあ、こういう祭なんだということは経験できたし、とりあえず色々なトルマを見ることができました(食べたかったなあ…)。あと、アルメニアの民謡舞踊も見れました。

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アルメニアの民族舞踊。会場の人たちも、一緒に踊って盛り上がっていました。

その後、友人たちと、エレバンのレストランで食事をしました。せっかくトルマ・フェスティバルに行ったのに、何だか微妙な終わり方でした…

日本パーティーの動画 

今年の夏は天候不順です。午後や夕方に、急に黒い雲が出てきて、風が吹き始めて、ザーッと雨が降ります。涼しくなっていいんですけどね。今週末、アルメニアは水掛け祭なので、こんな天気で大丈夫でしょうか?

さて、先週、言語大学で開いた日本パーティーの動画をご紹介致します。大学がほぼ夏休みということもあって、予想通り参加者は少なかったですが、とても楽しい一時になりました。



ソーラン節を踊ってくれた日本人バックパッカーは、アルメニアをすごく気に入って、結局ビザを延長して長居しています。ここでたくさん出会いに恵まれて、楽しい時間を過ごしているようです。同じ旅行者だった昔の自分を思い出しますね。