「本を送る会」訪問団が帰国 

ブログの更新が滞っていました。記事に書きたいことは山ほどあったのですが、先週から、メールチェックも中々できないほど忙しい日々を過ごしていました。

4月27日早朝、アルメニアに本を送る会の訪問団の方々が、無事に帰国の途につかれました。最後の朝は、アララト山もきれいに姿を現して見送ってくれました。

10日間のご滞在中、本の有効活用のために熱心に動いてくださり、いろいろなことが大きく前進しました。懸案事項だったヨーロッパ教育大学の本は、全て1階の言語センターに移管して、新たに日本文化センターを開設することができました。今週水曜日に開設セレモニーも行いました。

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開設セレモニーでは、お茶会を開いて、浴衣の試着会もしました。茶道具や浴衣は、わざわざ日本から持参して下さった物。参加者たちは、すごく喜んでいました。

私が働く国立言語大学でも、日本語センター開設に向けて有意義な話ができましたし、NGO・ひかりセンターとの協力についても話し合うことができました。私一人では、短期間でここまでの結果を出すことは不可能だったでしょう…今回来られた方々には心から感謝しています。

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言語大学でもお茶会。ひかりセンターでは、子供たちと一緒に折り紙を折りました。

ずっと天候にも恵まれ、観光も楽しんで頂きました。何より、現地の学生や子供たち、いろいろなアルメニア人との交流に感動されたご様子で、私や妻も嬉しく思っています。是非とも、第二次訪問団がいらっしゃることを期待しております。本当にありがとうございました!

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美しいセバン湖と教会。ここは良かったですね。そして、4月24日の虐殺記念日には、みなで記念碑を訪れて献花しました。

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私たちも、一緒に楽しく充実した時間を過ごすことができました。本当にあっという間の10日間でした。

詳細は、また後日記事に書きたいと思います。

「本を送る会」役員の初訪問 

今週の水曜日から、アルメニアに本を送る会の役員と支援者の方々がアルメニアを訪問されています。役員のアルメニア訪問は、過去に2度計画されたんですが、諸事情により見送られました。3度目の正直で、やっと今回実現したんです!

詳しいことはまた後日書きますが、停滞している本の件は、この数日でかなり改善されました。私一人では難しかった問題も、役員の方々のご協力のお陰で、解決に向けて前進しました。本当に有難い限りです。今やっと、皆さんにアルメニア観光を楽しんで頂いています。

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世界遺産にも登録されているゲハルト洞窟修道院に行ってきました。

本が塩漬けになっていたヨーロッパ教育大学ですが、何とか日本語センターを開設する運びとなりました。来週とりあえず開設セレモニーを行う予定です。また国立言語大学でも、近い将来本を運び込み、日本文化センターを開設するという話を進めることができました。

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塩漬けになっていた本を活用するため、大学の一階に日本語センターを開設することができました。本当にありがとうございます!

正直、もっと苦労すると思ったんですけどねえ…とはいえ、昨年いろいろと問題が起こりましたから、どう運営していくかなどしっかりと考えて、慎重に行動していきます。今後とも応援の程どうぞ宜しくお願いします。

杏の花 

日本は桜のシーズンも終わりを迎えようとしているそうですね。今年も桜は見れず…もう3年見ていません。できれば春や秋に帰国して、妻にも日本の最も美しい季節を見せてあげたいんですが、仕事で中々難しいです。

やっぱり、日本人にとって桜は特別な花。満開の桜を見て、春の訪れを喜びたいものです。しかし、ここアルメニアでも、日本的な春の風情を少しは味わえるんです。

それは…

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杏の花!エレバンの街中では、杏の花を見ることができるんです。たくさんある訳ではないですが、桜に似ているので、何か日本を思い出してしまいます。

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きれいですねえ。酒を飲みながら、花見をしたくなります。というか、アルメニア日本人会で本当に花見を検討中ですが、見ごろは今週一杯ですから難しい…まあ、散歩がてらに見るだけでも十分幸せな気分になります。

さて、再度テレビ出演のお知らせをしておきます。どうぞご覧になってください。

4月19日(木) 午後5時~5時49分
NHK・BS1 「ほっと@アジア」

誕生日と婚約記念日 

4月12日は、私の38回目の誕生日、そして婚約1周年でした。40代まであと僅か…好きなことをやって突っ走ってきた人生なので、自分がもうそんな歳になったことにピンときません。やっぱ歳って取るんですね、当然ですけど。

婚約1周年というのも、時の流れの速さを感じますね。付き合い始めて3ヵ月後に婚約と、尋常じゃない展開でしたが、無事に結婚して今も妻とは仲良くしています。相変わらず生活は楽ではありませんが、妻も時々通訳の仕事をして、お互い充実した日々を送っています。

さて、今年の誕生日&婚約記念日パーティーも、友人たちが大勢集まってくれて、一緒にとても楽しい時間を過ごしました。いろんな人から祝福され、プレゼントも貰って本当に嬉しかったです。もう決して若くはない年齢になりましたが、こうやってお祝いしてくれるんですから、誕生日も中々いいものですね。

「おめでとう!」と周りに祝福されて思うのは、やっぱり自分一人で生きているのではなく、命を与えられて生かされているんだということ。何か急に真面目なことを書きましたが、誕生日には、生んでくれた母だけでなく、周りの人たちに対して感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。

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しかし、この日の余韻に浸る余裕もなく、今週も忙しくなりそうです。というのも、「アルメニアに本を送る会」の役員の方々が、アルメニアを訪問される予定なのです。停滞中の日本文化センター開設事業を、少しでも進展させたいと思っています。

あと、お知らせです。来週の木曜日に、NHK・BS1「ほっと@アジア」に出演する予定です。どうぞご覧になってください。

4月19日(木) 午後5時~5時49分
NHK・BS1 「ほっと@アジア」

博物館のようなお宅訪問 

4月8日はイースター(復活祭)でした。その前日、ある有名な方のお宅にお邪魔しました。というのも、日本から染織品修復の専門家が来られていて、その方々が招待されました。そして、妻が日本語通訳をやっているので、私も一緒に行くことができたというわけです。

ルシク・アグレツィという、アルメニアの伝統を守り続けている女性で、テレビにもよく出るそうです。大統領夫人や海外のVIPも訪問するというお宅。一体どんな所なのか期待を膨らませてお邪魔したんですが、実際にすごかったです。

「ようこそ」と笑顔で出迎えてくれたルシクさん。何と、身に着けているのは民族衣装。少し現代風にアレンジされていますが、普段から民族衣装を着ている人なんて初めて見たので、本当に驚きました。半端ないですねえ…

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まず彼女が案内してくれたのは、亡くなられたご主人の作業場。有名な彫刻家だったそうで、所狭しと作品が飾られていました。息子さんも、彫刻家として活躍されているそうです。

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芸術家一家で、普通に芸術作品が家にゴロゴロと置かれています。庭の木には、可愛いリスの彫刻が。

そして、もっとすごいのはお宅の中。価値のある骨董品や芸術品の数々が、普通に家中に置かれていました。まるで博物館です。というか、本当に近い将来、博物館になるという話があるそうです。一つ一つの物が時代を感じさせるというか、とにかく味があるんですよねえ…

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自宅の骨董品や伝統工芸品、そしてアルメニアの伝統文化を紹介した本を出版されていて、それを見せて下さいました。500ページに及ぶ立派な本でした。

ただただ驚くばかりで、みんな写真を撮りまくっていました。こんなことには慣れているんでしょう。ルシクさんは、親切に家中を案内してくれます。有名人なのに、すごく気さくな方でした。ルシクさん自身も画家で、アトリエには多くの作品が飾られていました。

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広いアトリエ。ルシクさんの作品は、まるでゴッホのようなタッチで強烈な印象を残します。指で絵の具を塗るのだそうです。

夕食の食卓も素晴らしかったです。卵や人形でイースターの飾りが施され、食事もとても美味しかったです。ルシクさんのお話も興味深いものでした。例えば、「どうやって、これだけの物を収集されたのか?」

彼女は、元々ナヒチェバンというアゼルバイジャンの飛び地に住んでいましたが、ナゴルノ・カラバフ戦争のとき、そこのアルメニア人は全て追放されました。彼女も家族と共に逃げてきたのです。

その後、トルコ語が上手なルシクさんは、アルメニア人とばれないように故郷に度々戻り、残された芸術品や骨董品を買って持ち帰ってきました。しかし、最後には怪しまれて、命からがら脱出したのだそうです。

いやあ、波乱万丈の人生ですね。故郷追われた経験から、一生懸命自分たちの文化を守ろうとされているのでしょう…

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イースターの食卓。見た目もきれいですし、美味しかったです。年代物のピアノが置いてあり、少し弾かせて頂きました。写真で見ると、すごい所で弾いていますね、私。