ユーロヴィジョン2011 

もう2週間前の話ですが、毎年恒例のユーロヴィジョンがドイツで開催されました。アルメニアも参加しましたが、今年は準決勝で早々と落選してしまいました。そして、今年の優勝国はアゼルバイジャン

優勝国が次回大会のホストになるので、来年はアゼルバイジャンで開催されます。よりにもよって、犬猿の仲のアゼルバイジャンになるとは…審査は参加国が他国へ点を与える方法なので、開催地がどこかは結果に影響しませんが、やっぱりアルメニアにとってやり辛いでしょう。

でも今年のアルメニアの曲はあまり良くなかったので、この結果は仕方ないかなと思っています。というか、私にすると、ユーロヴィジョンは国対抗だから面白いだけで、音楽はどれも安っぽいポップスばかりという印象ですけどね…

音楽に国境はないので、アルメニアもアゼルバイジャンも、お互いに全力を出し切って健闘を称えあってほしいものです。(でも、やっぱり難しいかな…)


今年のアルメニアの曲 「Boom Boom」。歌手はEmmyという女性。アルメニア人には申し訳ないですが、これでは決勝に残るのも難しいでしょう…



今年の優勝国アゼルバイジャンの曲 「Running Scared」。確かにかなりマシな方でしたが、私にはこれも安っぽい音楽にしか聞こえません。

原発をテーマに取材 

今日5月28日は、「1918年の共和国の日」というアルメニアの祝日。1918年から1920年まで存在したアルメニア民主共和国の独立記念日です。それを祝って、大きな野外コンサートなどが開かれるようです。

さて、一昨日と昨日は、日本のテレビ番組の依頼で、取材ロケを行いました。その番組のテーマは「原発」今の時期、とても意義深いテーマです。そこで、アルメニアの現状も紹介することになったのです。

放送は来月中旬で、私もスカイプで出演する予定ですので、詳細が決まったらお知らせします。

ということで、今はあまり詳しく話せませんが、取材を通して原発について深く考えさせられました。それまでも原発については自分なりにいろいろと考え、以前ブログでも記事を書きました。それを読めば分かるように、私は反原発の立場です。(こちらこちら

その立場は、取材を終えた今も変わることはありませんが、アルメニアの人々の声を聞いて、新たな視点を持つことができたように思います。自分の住んでいる国が抱える特殊な事情を知ることができて良かったです。大変なこともありましたが、今回の取材は有意義なものでした。

福島原発の事故で、日本のエネルギー政策は大きな転換点に来ていることは確かです。「安全」と喧伝され、そう信じ込まされていた原発が脆くも壊れ、深刻な放射能汚染が起こっているのですから…

国のエネルギー政策は、政府や官僚、電力会社やメーカー、一部の専門家だけが決めることではありません。誰より国民に選択する権利があるはずです。アルメニアの状況が日本人の目にどう映るか分かりませんが、原発のことを自分の問題として考えるきっかけになってほしいと思います。

シャルル・アズナヴール 

土曜の夜、シャルル・アズナヴールのドキュメンタリー番組が放送されていました。世界的なフランスのシャンソン歌手で、日本でもよく知られています。「愛のために死す」や「ラ・ボエーム」などの歌が有名ですね。

実は彼はアルメニア人で、本名はアズナヴーリヤン。世界に800万以上いるアルメニア系移民(ディアスポラ)の一人です。そして著名なアルメニア人として、絶対にアズナヴールの名は挙げられます。

そのアズナヴールの博物館が今年エレバンにオープンするそうで、テレビでも彼の番組をやっていたんです。世界的に有名なアズナヴールは、今でもアルメニア人の誇りです。

彼の父母は、それぞれグルジアとトルコ出身のアルメニア人で、虐殺から逃れてフランスに辿り着きました。そんな両親を持つアズナヴールも、祖国アルメニアへの思いはとても強く、「外国へ出ればフランス人として振舞うが、フランスではアルメニア人の代表として行動する」という言葉からもそれは分かります。

歌手以外に、俳優としても60本以上の映画に出演していて、同じアルメニア系移民であるアトム・エゴヤン監督の「アララトの聖母」にも出ています。そこでは、アルメニア人虐殺の史実を映画化しようとする映画作家を演じました。

博物館のオープン時には、アルメニアに来てコンサートを開催するかもしれません(もう87歳の高齢ですが…)。もしそうなれば、せっかくの機会ですし見に行きたいです。


彼の代表曲の一つ、「ラ・ボエーム」。この時すでに80歳ぐらいですが、まだ十分現役ですよね。



エルビス・コステロが映画のサントラで歌いヒットした「SHE」。実は、これは元々シャルル・アズナヴールの歌だったんです。知ってました?コステロのも素朴でいいですが、アズナヴールのもロマンチックでいいですね。

オープン初日! 

17日の火曜日、ついに日本文化センターを稼動させました!一度テレビに出たぐらいで、まだ宣伝をあまりしていないので、初日は恐らく暇だろうと思っていたんですが、オープンしてすぐ人が来てくれました。

といっても、私の大学の学生たち。「オープンしたら行きます」と言ってくれていたのですが、実際にたくさん日本の本が置いてあるのには驚いていましたね。まだまだ初級者で、日本語で書かれてある本は読めませんが、英語やロシア語で書かれたものや写真集、辞書は手に取っていました。

その後も友人や知人が来てくれて、本だけでなく、飾ってあるポスターや折り紙を興味深そうに見ていました。そして、二人が会員登録をしてくれて、一人はひらがなの教科書を借りていきました。

そんな感じでオープン後すぐは賑やかだったのですが、彼らが帰った後は予想通り暇でした。夕方6時頃、「今日はもう誰も来ないだろう…」と、早めに閉めようかと思っていたら、一人の女性が「ここ、日本文化センターですか?」と聞いて入ってきました。

画家で、日本美術に興味があるそうです。服装も個性的で、チベット文字が書かれてあるバッグまで持っていました。墨絵や浮世絵の本を興味深そうに読みながら、日本についていろいろと質問されましたね。日本語も習いたいそうです。

帰り際、彼女が「私一人の気持ちではなく、アルメニア人を代表して御礼を言いたい。こんな素晴らしい場所を作ってくれてありがとう」と言ってくれました。土曜日に友人を連れて、また来てくれるそうです。

彼女の言葉、本当に嬉しいですし、励みになります。まだセンターの存在はあまり知られておらず、いろいろ改善点もあります。日本語の本がほとんどですから、利用者も限られるかもしれません。しかし、彼女のような人がいるので、やはり開設して良かったと思います。

どうなるか不安だった初日に、少し苦労が報われたような気がしました。こうやって喜んでくれる人がいるのですから、焦らず少しずつ頑張ってセンターを発展させていきたいと思います。

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オープンしてすぐは、けっこう人が訪れて賑やかでした。絵や写真が豊富なもの、英語やロシア語で書かれたものは読みやすいので、みんな手に取っていました。小さい女の子もお母さんと一緒に来てくれました。図書は、会員になれば無料で2週間借りられます。

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日本美術に興味があるという女性は、真剣に墨絵の本を読んでいました。彼女の感謝の言葉は心に響きました…右はセンターの装飾。「和心」は私が書きました。センターを通して、日本の心がアルメニア人に伝わってほしいと思います。


センターでは、日本語や折り紙、書道や料理の教室を開講する予定です。また七夕や節分など季節のイベントも行うつもりです。外国人用の日本語教材が不足しています。また日本文化紹介に役立ちそうなものも必要としています。寄贈・寄付をどうか宜しくお願い致します。詳しくは下記の会HPをご覧ください。

アルメニアに本を送る会

来週から稼動開始! 

先週オープンセレモニーを行った日本文化センターですが、来週火曜日から稼動させます。実はまだ準備が足りない部分があるのですが、本を読みたい借りたい学生たちがいますからね。

とりあえず、火・木・土の午後1~7時に開館する予定です。毎日では人件費や光熱費もかさみますし、すぐに大勢の人が来るとは思えません。利用者が多くなれば、将来的に週5日ぐらい開館したいのですが、今は経済的にちょっと無理…

今は、センターのことを少しでも知ってもらうことが大切です。チラシを街中に張ったり、テレビや新聞などで知らせたりする必要があります。それで早速テレビの取材を受けました。あるテレビ局の朝の情報番組で、センターのことを紹介してくれることになりました。

「いい宣伝になるし、頑張らないと!」と思ったんですが、取材班は1時間以上遅れた上に、その間全く連絡が取れず、「本当に取材あるのかな…」という状態で待たされました。まあ、アルメニアでは予定通りにならないことはよくあります。テレビで宣伝してくれるので、遅刻ぐらいは大目に見ないと…

私の友人や婚約者、またアニメやマンガが大好きな学生一人にも参加してもらって、一生懸命センターのことを紹介しました。どんな風に放送されるのでしょうか…放送時間は短いかもしれませんが、これで少しでも多くの人に知ってもらえれば嬉しいですね。

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センター内の本や、学生たちが本を読んでいる様子を撮影。また、私や友人にインタビューがありました。いい宣伝になってくれるといいんですが…

センターでは、折り紙や書道道具、着物や浴衣など日本文化を紹介するために役立つものを必要としています。日本的なポスター(富士山や着物の女性など)や掛け軸、箸や食器なども役に立ちます。是非とも寄贈を宜しくお願い致します。詳しくは、下の会HPをご覧ください。

アルメニアに本を送る会