これって文化の違い?
いやあ、呆れました。本当にひどいもんでした。いろいろなことが起こりますが、今回は開いた口が塞がらず、ネガティブな内容の記事になってしまいます…
今週は大学のテスト期間でした。日本語は第三言語ですが、テストをしなくてはいけません。私はテスト作成や採点が嫌いではないし、テストがあった方が学生も勉強しますからね。当然、学生は嫌で仕方ないでしょうけど…
ブリュソフ大学は変なルールがあって、最初の20分ぐらいテストに他の人が立ち会うことになっています。別に何をするということはなく立ち会うだけ。それで、私もアラビア語のテストに同行しました。「ただ見ているだけでいい」と言われたので、何もしませんでしたが…いやあ、ひどいもんでした。
とにかく、学生たちのカンニングが目に余りました。隣の人と見せ合いっこする、ノートや教科書を見る、互いに教えあうなどなど…分からないように上手にしているならともかく、思いっきりバレバレで、テスト中とは思えません。しかも、担当教師はほとんど叱りません。
あまりにひどい時には、少し何か言ったりはしますが、カンニングし放題でテストは続行。担当教師がそんな感じなので、私は注意したくても何もできません。日本では考えられない無法状態でした…これは私のテストでも気をつけねばと思いました。
そしてテスト当日。誰も時間が合わず立会人はなし。カンニング防止のため、筆記用具以外は持たないように指示して、「他の人のテストを見たり、話したりしないで」と注意して開始…しかし、学生たちは、そんなの関係ないとばかりに、すぐカンニングを始めました。
それも、堂々と後ろを振り返って見たり、離れた席の学生に質問したりします。叱るのがバカらしくなるぐらい、それが当然という感じ。とはいえ、放っておく訳にもいきませんから、「見るな!」「話すな!」と何十回と注意しましたがムダ。さすがに耐えかねて、「今すぐテストをやめるぞ!」と言っても、真面目になるのはたった1分ほど…
最後は、もう限界とばかりに早めにテストを終了させました。あとで真面目な学生に、「他の教科のテストでも同じ?」と聞くと、「そうです」という答え。他の大学の先生に聞いても同じ答えだったので、特別なことではないようです。しかし、これって文化の違いだと認めていいのでしょうか?これだけ不正がまかり通ったら、誰も勉強しません。
以前働いたコロンビアも、学生のカンニングが半端なくひどかったです(こちらとこちら)。日本語教師になったばかりということもあり、本当に呆れてしまって、当初は人間不信になりました。その経験があっても、今回アルメニアの学生たちには心底呆れました。彼らはカンニングという認識さえなさそうです。
日本では、カンニングが発覚したら0点になるとかの厳罰がありますよね?そうでなくても、日本人はあまりカンニングはしないでしょう。恥の文化のお陰か、周りの目を気にして露骨に不正はしません。アルメニアもコロンビアも、周りが咎めないのでカンニングに罪悪感がないのかも…
しかし、カンニングを絶対に許さない厳しい先生(それが普通)もいるそうですから、私も何か対策を講じないと。こんな状態では、テストする気が起こりません。まさかアルメニアで、コロンビアと同様の問題を抱えるとはは思いもしませんでした。さて、どうしたものか…
- [2010/11/28 11:58]
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快適になった生活
昨晩はけっこう長い停電がありました。外を見たら、アパート近辺だけ真っ暗だったので、どうもこの区域だけが停電したようです。幸い家庭教師がなかったので、あまり問題はありませんでした。電気が戻るまでロウソクの明かりで過ごしましたが、たまには雰囲気があっていいもんです。
さて、一昨日ぐらいから、また気温が下がったように思います。日中晴れていても、空気が冷たくて寒い…当然、朝晩はもっと寒い!そりゃ風邪も長引きますね。1週間たって、やっと風邪が治りました。今回の風邪はしつこかった。
シャワーを浴びるのも、けっこう辛くなってきました。今のアパートのシャワーも、前の所と同じバク(こちら)。貯めた水を電気コイルで温めるシステムなので、いつでも好きなだけお湯を浴びるなんて出来ません。たくさんお湯を作ろうと思ったら、その分電気代がかさみますし…収入が少ないですから、光熱費は節約しないと。
街の中心にあるし、家賃も安いし、今のアパートはとても気に入っています。でも、時には好きなだけジャージャーと熱いお湯を浴びたい。日本人ですから、冬はできれば熱い湯船に浸かりたいもんです。
しかし、今のアパートにはガスストーブがあります!冷え込んできたので、最近使い始めました。電気ストーブより時間は掛かるんですが、やっぱり部屋全体を温めるにはいいですね。それに何より経済的。電気ストーブだと、どうしても電気代が気になって点けたり消したりしてしまいます。
このガスストーブがあるだけでも、引っ越して良かったと思います。もし今年も暖冬だとしても、やっぱり冬は冬。暖房なしでは乗り切れません。しかし、このアパートならあまり心配なさそうです。家庭教師の学生たちも、寒い思いをせずに勉強できるでしょう。
独立直後は、戦争や経済破綻で水やガスの供給が止められました。人々は、毎日水を汲みに行ったり、街路樹を切って蒔きにしたりしたそうです。バスも動いていないから、通学するのに2時間歩いたという話も聞きました。私より若い人たちが、そんな大変な苦労をしたんです。
それを思えば、今はシャワーを浴びれて、ストーブで暖を取れて、遅いけれど家でネットまでできるんだから、ずいぶん快適になりましたよね。
今のアパートのバク(左)。水槽に水を貯めて、中の電気コイルでお湯を作ります。リビングのガスストーブ(右)。今のアパートにしたのは、これが大きな決め手でした。これで寒い冬も安心。
- [2010/11/25 12:27]
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言語大学創立75周年
11月16日は、私が勤めるエレバン国立言語大学の創立記念日でした。創立から今年は75周年。それで、当日の午前11時から記念式典が開催されました。教師は全員出席ですから、私も参加しました。風邪だったので、家でゆっくり寝ていかったんですけど…
まあ病気じゃなくても、あまり行く気しなかったです。言葉が分からないし、どうせ格式ばっていて面白くないでしょうから…で、案の定そうでした。もう途中から退席したくて仕方なかったです。
学長の長い挨拶に始まり、あとは教育大臣や各国の大使などのお偉方が祝辞を述べて記念品を渡すという繰り返し。1時間ぐらいならそれも我慢できますが、結局3時間も続きました。しかも11時から14時までの昼食時で、風邪でしんどいわ、腹は減るわで、ほとんど地獄…
大学の記念式典に、司祭が登場するところはアルメニアらしいです。
何でこういう式典って、主催者の自己満足で終わるものが多いんですかねえ。黙って見ているしかない参加者の気持ちを少しは考えてほしい。愚痴ばっかり書いてすみません…もう、これぐらいで止めときましょう。その日はいいこともあったので。
それは夜の創立記念日を祝うイベント。5年毎の創立記念日には、大きなイベントが何とオペラハウスで開催されます。朝の式典と違ってそちらは楽しめそうだったし、学生にも誘われたので行ってきました。
案内されたのは、ステージ近くの一階席。学生によると、有名な司会者や歌手が出演するそうです。さすが名門大学だけあります。ただ、私は超がつく有名人以外よく知らないので、、出演者の名前を見ても、誰がどのぐらいすごいのかさっぱり…
でも、客(ほとんどが学生)の反応から大体分かりました。確かに司会者は美男美女で、彼らが登場した途端に会場が沸きました。そして有名な歌手が登場した時も、会場はすごい盛り上がり。学生たちは立ち上がって踊っていました。アルメニアダンスやジャズピアノの演奏もあって、かなり楽しかったです。
では、その夜のイベントの動画をどうぞ!
学生も歌ったり、いろいろな言語でお祝いしたりしました。プロの歌や踊りなどもあって、けっこう見応えのあるイベントでした。
ところで、一昨日やっと大学から初給料を貰いました。手続きの関係で2ヶ月も待たされたんです。いやあ、苦しかった…でも、受け取った額が思ったよりも多いので「あれ?」と思ったら、創立記念日には教師にボーナスが出るらしく、私にも50ドルほど支給されました。やったー!
いろいろ愚痴も書きましたが、創立記念日って中々いいもんですね!言語大学ありがとう!
- [2010/11/21 20:50]
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図書室の動向
先週引いた風邪はしつこくて、今も喉が痛くて体が少しだるいです。幸い今週は大学の創立記念日で、授業がいくつかキャンセルされましたが、一人暮らしで病気になると辛いもんです。皆さんも体には気をつけてください。
さて、最近は図書室の動向について何も書いていませんでした。協力してくださっている方々は、「一体どうなっているのか…」と思われたかもしれません。ご心配おかけして申し訳ございませんでした。私も気にしていたんですけど…
実は…今年中にオープンしたいと考えていた柔道連盟にある図書室ですが、いろいろと事情が変わり、オープンは来年以降となりました。というのも、図書室の規模をもっと大きくして、日本文化センターを開設することになったからです。
今までは、事務所の一室を図書室としてオープンさせる計画でした。しかし先月、「事務所を全て自由に使ってもいい」と柔道連盟の会長から許可を頂きました。近々彼は会長職を退き、アルメニア・オリンピック委員会の副会長に就任する予定なのです。
その場所は彼が所有する不動産で、ずっと柔道連盟の事務所として使ってきましたが、今回の退任に伴い、全て図書室のために提供してくれることになりました。部屋が三つ、テレビやパソコンもあります。街の中心に近く、普通なら家賃が2000ドルぐらいする場所ですが、無料で貸してくれます。
急展開でしたが、本当にありがたい話です。実は、既に一室だけでは本を置くのに手狭になってきていました。今後も本は届くでしょうし、どうしようかと悩んでいたら、今回の件でその問題は解決しました。近々本棚を購入して、新たに本を並べる予定です。
そして図書室だけではなく、日本文化センターとして、どのようにスペースを活用するかを考えていくつもりです。そこで、日本の映画やアニメの上映会をしたり、日本語教室や折り紙教室などを開くことも考えています。せっかく提供してもらった場所ですから、有効に使わなければいけません。
このような経緯があり、今後の方向性が決まるまで図書室関連の記事を書くのを控えていました。オープンが延期になったのは残念ですが、結果的に、もっと広いスペースを確保して、図書室以外にも活動の幅が広がりそうですから嬉しい誤算と言えるかもしれませんね。
最近情報がなく、「本当に図書室を作るのか?」と心配されたかもしれませんが、ここに図書室を開設するのは私の夢ですし、皆さんのご協力を決して無駄には致しません。とはいえ、中々オープンに漕ぎ着けていないのは本当に申し訳なく思います。
事情の異なる現地では、いろいろ予想外のことが起こるので簡単にはいきませんね。それを少しずつ乗り越えながら、来年の日本文化センター開設に向けて頑張りたいと思っていますので、今後ともご協力のほど宜しくお願い致します。
柔道連盟にある図書室。まだ置いていない本もあるのですが、ここだけでは手狭になってきています。他のスペースも使えるのはとても有難いです。
こちらへの支援については、以下のHPやブログ記事をご覧ください。
アルメニアに本を送る会
図書の寄贈について
- [2010/11/18 10:27]
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手作り舟を流そう!
急に寒くなって、私も風邪を引いてしまいました。周りも風邪を引いている人が多いから、誰かにうつされたのかもしれません。少し熱があってしんどい…家庭教師はともかく、大学の授業は休みにくいですから早く治さないと。
さて、先週の土曜日あるイベントに参加しました。折り紙教室の子供たちが、紙で作った舟に願い事を書いて、それが叶うように祈りながら川に流すというもの。あるテレビ局から取材の依頼があり、そんなイベントをすることになったそうです。
その時に子供たちが「さくらさくら」を歌うからギターを弾いてほしいと言われ、私も参加しました。以前働いて大学の学生たちも来て、久しぶりに会うことができました。いやあ、嬉しかったですね。
舟は全て子供たちの手作り。思い思いに色を塗ったり飾り付けをしたりして、舟を作ります。子供って、こういうの大好きですよね。それに独創性があります。大人だと正しくきれいに舟を作ってしまい、面白みに欠けてしまうものです。
一生懸命に舟を作る子供や学生たち。出来上がった船はどれも個性的。
さて、その舟を流すため、エレバン中心を流れるラズダン川へ行きました。いつも上から見下ろすだけの川。その近くまで行ったのは初めてでしたが、川のほとりにはレストランなどがあってけっこう観光地でした。何と本物の熊を飼っているレストランがあり、そこで子供たちは舟を流しました。
本物の熊が飼われているレストラン。どこから連れてきたんですかね。狭い檻に入れられて少し哀れでしたが…そのレストランにある橋から、みんなで舟を流しました。
岩場から流すのは危ないということで、糸で舟を吊るし、橋から一斉に舟を流しました!遠くまで流れた舟もあれば、川岸に止まってしまう舟もありました。自分の舟がちゃんと流れないと、「願い事が叶わない…」と泣き出す子もいて、本当に子供って無垢で可愛いですね。
舟を流した時の動画です。子供たちが嬉しそうに声を上げています。
その後、川の近くに座って、みんなでおやつを食べました。そこで私がギターを弾いて、子供や学生たちが「さくらさくら」を歌ったのですが、既にテレビ局の人は帰っていました。それでも、みんな日本の歌を気に入ってくれたし、私が少しアルメニア語の歌を歌ったら盛り上がりました。
みんなが持ち寄ったおやつを食べました。私の他に、クラッシクギターを習っている男の子も演奏してくれました。けっこう上手でしたよ。
去年暮れに長男が生まれた学生も来てくれました。最後にみんなで記念撮影。
子供たちの無邪気な笑顔も見れたし、人文大学の学生たちとも久々に会えたし、楽しい一日となりました。
- [2010/11/14 17:09]
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