図書の寄贈について 

「グッと!地球便」と「地球アゴラ」の放送後、いろいろな方から図書の寄贈や寄付についてご連絡を頂きました。本当に有難うございます。2週間前に、寄贈図書について記事を書きましたが(こちら)、もう少し具体的に書かせて頂きます。

寄贈図書ですが、絵本や日本の学校教科書などは結構集まっているので、あまり優先順位は高くありません。ただ漢字や書道の教科書などは日本語の勉強に役立ちますから、更に集まってもよいかと思います。では、特に必要としているものを、以下に写真で例示いたします。

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外国人対象の日本語学習教材(左)。いろいろなものが出版されているのですが、日本語教育に携わっている人でない限り、まず持っていないので集まりにくいです。児童文学(右)。小中学生向けのものは、漢字も平易でフリガナもあって読みやすいので、学生も手に取ってくれます。

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マンガ(左)。学生の好きなマンガは、「ナルト」「デス・ノート」など。「ナルト」は、TVでも放送されていて人気があります。図書室にまだないので、送って頂くと助かります。日本の歴史や文化を解説したマンガや絵本(右)。こんな題材でもマンガがあるというのは日本ぐらいでしょうか…学生にとって、読みやすい上に勉強になります。

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小中学生向けの地理や歴史の本(左)。絵や写真が豊富で、文章も平易なので分かりやすいです。旅行や料理の雑誌(右)。雑誌は文章は難しいんですが、写真が多くて情報も新しいです。やはり写真や絵が多いと、学生の目を引きますね。

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日本文化に関する本。こちらの人は、伝統的な日本文化に興味があります。武道、書道、華道、美術、陶芸、建築、料理、折り紙などですね。これらに関する本で写真や絵が豊富なものは、あればあるほど助かります。

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日本の音楽の本(左)。音楽に国境はありません。楽譜が読めて楽器ができる人は多いので、興味を持ってくれると思います。紙人形や色紙、絵馬など(右)。本ではありませんが、最近こちらに届きました。図書室に飾ろうと思っています。日本的できれいですから、アルメニア人は喜んでくれます。

他にも、アルメニア人が喜びそうな図書などございましたら大歓迎です。また、日本の音楽のCD、アニメや映画、ドラマなどのDVDも助かります。ただ、かなり刺激が強い内容のものはご遠慮願います。

次に、本を直接アルメニアに送る場合の送料ですが、一番安いのは船便。1kg約600円で、20kgだと10250円になります。到着には2~3ヶ月掛かります。次に安いのは、SAL便。1kg約1100円ですが、2週間ほどで到着します。

あと、20kgを超えたり、一度に大量に届いたりすると、受け取りの際に税金が発生するので、一箱の重さは20kg以内で、一回の送付は2箱まで。もし2箱以上あれば、1週間ほど空けてから次を送付して頂くようお願い致します。 

協力を申し出て下さった方から、「具体的に必要な本の種類や送料について書いてくれると助かる」というメールを頂き、この記事を書きました。有難いアドバイスでした。「協力したいから、もっと詳しく教えてほしい」ということが他にもございましたら、是非ご連絡頂きたいと思います。

本の送付先や寄付の振込先については、アルメニアに本を送る会HPをご覧ください。それでは、ご協力の程よろしくお願い致します。

日本からの消防車 

先日のNHK「地球アゴラ」では触れませんでしたが、最近アルメニアと日本の間で大きなイベントがありました。それは、日本から送られた消防車の引渡し式。アルメニアの消防車は老朽化が進んでいるので、日本政府から消防車が送られたのです。

今月11日の朝、在モスクワ日本大使館の公使やアルメニアの閣僚などが参加して、共和国広場で大々的に行われました。

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広場にずらっと並んだ消防車とアルメニア人消防士たち(左)。子供の頃は、消防士や警察官に憧れたものです。日本からの最新の消防車(右)。ちゃんと日本のマークがありますね。


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日本公使やアルメニアの閣僚が、お互いに両国を代表してスピーチをしました(左)。彼らが見守る中、アルメニア人消防士たちが放水を行いました(右)。格好よかったし、お陰で少し涼しくなりました。


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多数の現地マスコミも取材に来ていて、その日のニュースで大きく取り上げられました。取材中は、友人がずっと通訳をしていました。日本政府からは、農業機械も送られたそうです。

大規模な森林火災のため、アルメニアの消防士たちもロシアへ行きました。その時、この日本の消防車が活躍したそうです。最近アルメニア大使館が日本に開設されましたし、今後もっともっと両国関係が発展していって欲しいと思います。

NHK「地球アゴラ」放送終了 

先ほど、NHK・BS1「地球アゴラ」の放送が終わりました。やり直しが利かない生放送だったので、かなり緊張しました…しかも、直前にいろいろ変更があったり、「映像が明るすぎる」ということで光を何とか遮ろうとしていたら、カーテンレールが壊れたり…そのまま落ち着く間もなく放送開始。

それでも、限られた時間の中で、学生や図書室の様子、アルメニアのことがいろいろ紹介されたので嬉しかったです。また放送中の質疑応答は予定と違う部分が結構ありましたが、教え子のアマリヤさんは頑張って全て日本語で答えてくれました。

放送終了後、お互いに「あまり上手くできなかったねぇ…」と嘆いていましたが、彼女は本当によくやってくれたと思います。だって、まだ勉強中の学生ですから。とにかく、アルメニアという国が紹介される滅多にない機会でした。ここで日本語を学ぶ学生の生の声を届けられたことも、本当に良かったと思います。

「芥川龍之介は有名人!」となっていましたが、実際はそこまで知名度がある訳ではありません。本をよく読む人なら知っていると思いますけどね…しかし、他に安部公房や川端康成などもロシア語やアルメニア語に翻訳されていますし、最近では村上春樹も読まれています。

芥川文学のどこが面白いのかと聞くと、アマリヤさんは、「アルメニア文学でも人生の悲しみや苦しみはよく扱われていて、それと戦って少しでも幸せに生きることを題材としている。でも、芥川の作品には悲しみや苦しみと共に生きていくという考え方があって、それが本当に面白い!」と答えていました。

他の学生も、芥川作品を読んで同じようなことを感じたそうです。そんな学生の感想を聞くと、「へえ、そういう所が面白いのか…」と、こちらも新しい発見があります。機会があれば、私もまた芥川の作品を読み直してみたいですね。

スカイプでの出演だったので、画質や音声が悪かったかもしれませんが、アルメニアのこと、そこで勉強している学生のことを少しでも多くの方に知って頂くきっかけになればと思います。今回の番組のために、協力してくれた友人や学生、テレビ局や制作会社の方々に感謝です。

また紹介された図書室の方も、開設に向けての作業もかなり進んでいます。アマリヤさんのような学生が早く利用できるように頑張りたいと思います。今月は2回もテレビ出演しましたが、これもご協力してくださっている方々のお陰です。本当に有難うございます。今後とも宜しくお願い致します。

しかし、生放送でも落ち着いて楽しく番組を進行する司会やタレントの人ってすごい!私には絶対に無理…慣れないことしましたが、いい経験でした。

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VTR撮影中の写真。図書室の作業を学生たちが手伝ってくれました(左)。興味のある本を見つけては、撮影を忘れて喜んでいました。エレバン郊外のブドウ畑(右)。アララト山もきれいに見えて、アルメニアを象徴するとても美しい風景でした。

アルメニアに本を送る会HP

絵本の朗読 

もう6月下旬の話なんですが、ある絵本の朗読の仕事をしました。仕事といっても、お金は貰いませんでしたが…私が本を読んで、それを録音したのです。その絵本というのは、アルメニアの文豪ホヴァネス・トゥマニャンの童話「バレケンダン」

ある日、大学にアルメニア人のおじさんが来て、「日本人に本を読んでもらい、それをCDに録音したい」と言いました。その人は、アルメニアの童話を20以上の言語に翻訳して出版するらしいのです。既に日本語にも翻訳されていて、それを朗読したCDも一緒に売りたいとのこと。

出版関係で働いていたというおじさんは、今は失業中でお金に困っていたので、無料で引き受けました。とても人柄のいい方で、何とスペイン語が話せます。私もスペイン語ができるので、彼とはスペイン語で会話しました。彼も「学生時代に勉強したスペイン語を久しぶりに話せる!」と喜んでいました。

「バレケンダン」とは、アルメニアのある習慣の名前。イースター前の40日間は肉などを食べない断食が行われるのですが、その断食直前に開かれるパーティーのことをバレケンダンと呼びます。私が朗読したのはそれを基にした童話で、ユーモアに富んだ面白い話です。

ラジオ局での朗読は20分ほどで終わりました。おじさんは、「アルメニアでは様々な外国語への関心が高まっているから、子供たちが手にとってくれるんじゃないか…」と話していました。日本語に興味を持つ子供がどれだけいるか分かりませんが、アルメニアの童話が日本語に翻訳されるのは素晴らしいと思います。

まだ書店には並んでいませんが、アルメニアの子供たちが日本語に触れる一つのきっかけになってほしいですね。

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朗読した童話「バレケンダン」。ちゃんと日本語に翻訳されて、可愛らしい絵もあります。全てひらがなの平易な言葉で書かれています。アルメニアの子供が、興味を持って手にとってくれると嬉しいですね。

今週22日(日)の夜10時から、NHK・BS1「地球アゴラに出演します。
既に番組HPで、内容が少し紹介されています(こちら)。生放送なのでどうなるか不安ですが、是非ご覧になってみてください。

あと、読売テレビ「グッと!地球便」は地域によって放送日が異なり、例えば鹿児島では今週日曜のお昼に放送されるそうです。詳細はこちらをご覧になってください。

「グッと!地球便」の放送内容 

先週、読売テレビ「グッと!地球便」で私のことが放送されましたが、その内容が少し番組HPで紹介されていました(こちら)。変な話ですが、私はそれを見て内容を大体知りました。

番組の方針もあって、私がここに至るまでの道のり、アルメニアにこだわる理由や思い、そして父子関係などにも焦点が当てられていたようです。撮影中は急にシリアスな質問をされるので、上手く話せたことは一度もありませんでした。ですから、今更ながら少し恥ずかしいですね…

80カ国以上も旅行したのに、なぜアルメニアという国にそこまでこだわるのか…自分でも時々不思議に思います。もっといい条件で働ける国はいくらでもあるし、日本人教師を必要としている国は他にもあります。やはり、私にとって10年前の学生との出会いは大きかったのでしょう。

日本大使館も日系企業もなく、日本人もいない国で、「なぜ日本語なんか…」と私も最初は驚きました。何でも目に見える形で結果を求める世の中なのに、アルメニアの学生は「好きだから」「興味があるから」という動機で一生懸命に勉強していたのです。

そんな彼らのひたむきな姿は、私の心を強く打ち、何か大切なことを教えてくれたように感じました。番組をご覧になった方々にも、同じような感動が少しでも伝わっていたら嬉しく思います。

また父とのことですが、親として子を心配する気持ちは当然です。まして、遠く離れた国で経済的に大変な生活を送っていること、敢えて自分でそれを選んだことをこと知ったら、辛いに決まっています。それで「政府派遣で、十分な給料を貰っている」と嘘をついていました。この番組のお話を頂いた時、親に嘘がバレて心配掛ける!と出演をためらいました。

ただ、自分は間違ったことをしている訳ではありません。私の思いやアルメニアでやっていることを、少しでも親に知ってもらえたら…と考え、出演を決心しました。私は、この世に命を授けてくれた両親に心から感謝しています。なぜなら、人生で成すべき事を見つけて、それをやれている自分が本当に幸せだからです。その気持ちが、両親やお子さんを持つ方々にも伝わってほしいと思います。

番組放送後、「アルメニアに本を送る会」の事務局にもたくさんお問い合わせがあったそうです。本当に有難うございます。皆さんの応援に応えられるよう、益々ここで頑張りたいと思っています。