アルメニアのお盆 

4月4日はイースターでしたが、翌日5日は「死者のための日」でお休みでした。「死者のための日」なんて書くとちょっと怖いですが、いわゆるお盆です。この日、アルメニア人たちはお墓参りに行って、先祖の供養をするのです。

そんなお盆のような日があるなんて知りませんでした。確かにちゃんと墓地があるのだから、たまには花を手向けに行ったりしなくてはいけませんよね。でも、後で学生や友人のアルメニア人に聞いてみると、意外にお墓参りに行かなかった人が多かったです。若い人たちにとっては、それほど大切な習慣じゃないのかもしれません。

アルメニアのお墓ですが、とてもユニークです。黒曜石でできたお墓に亡くなった人の姿が彫られているのです。とてもきれいに描かれていて、不謹慎ですが、ちょっとした芸術作品のようです。10年前にアルメニアの田舎で初めてお墓を見た時、これもまた不謹慎ですが、いろいろなお墓を鑑賞しながら墓地を歩きました。

亡くなった家族や親類の顔を見たら、ちゃんと供養しなきゃと思ってしまいますよね。でも、すごく小さな子供が彫られているお墓を見たら、とても居た堪れなくなります。早くに家族や恋人や友人を亡くした人にとっては、ちょっと辛いお墓かもしれません…

 

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アルメニアのお墓。とてもユニークできれいなので写真を撮ってしまいました。何か変なものは写っていないと思うのですが…

イースター(復活祭) 

4月4日の日曜日は、イースター(復活祭)でした。十字架にかけられて処刑されたキリストが三日後に復活したことを祝う日。今年は、西方教会も東方教会も同じ4月4日だったそうです。アルメニアは敬虔なキリスト教国ですから、やはりイースターは重要な日です。教会ではミサが行われ、人々は家族や親戚たちとお祝いします。

私は友人宅に招待されて、一緒に食事をしました。その友人は、イースターまでの40日間ずっと肉や卵やお酒などを断っていました。今はこの慣習を行う人は少ないそうで、友人も今年初めてやってみたとのこと。確かに、肉やお酒が大好きなアルメニア人にとっては厳しいかもしれません。

イースターの他の慣習に、イースターエッグというものがあります。色や装飾を施したゆで卵で、ヒナが卵をから生まれることをキリストの復活と結びつけたものだそうです。アルメニアでは、その卵と卵ををぶつけ合って、割れた方の卵を持っている人がそれを食べるという遊びをします。

このように身内で静かに祝うアルメニアのイースターは、けっこう地味です。一昨年いたフィリピンでは、キリストの磔刑の受難を再現する行事などが行われるそうです。国によって様々ですが、日本人の私にとって、イースターというキリスト教の記念日をアルメニア人と共にお祝いしたのはとても貴重な体験でした。


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きれいに装飾されたイースターエッグ。右は、友人宅で出されたイースターエッグ。たまねぎの皮で色をつけたそうです。お互いに卵をぶつけ合って遊びました。子供たちは、この遊びが大好きだそうです。

道を歩いていると… 

エレバンの街を歩いていると、時々ムカつくことがあります。それは、からかわれること。通りすがりの若い男性が、私を見ると、「ハニャーハニョー」とか「ニャンニョンニャー」と変な中国語の真似をしてきて、時にはケラケラ笑われたりもします。

「それはアジア人に興味があるから」なんて言った友人もいましたが、いえいえ、これはからかっているだけ。完全にアジア人をバカにしています。まともな興味の示し方ではありませんし、こちらは腹が立ちますからね。それなりにストレスを感じますし、好きで住んでいる国なので少し悲しくなります。

でも、これってアジア圏以外ではよくあります。さすがにアメリカやヨーロッパの人は大人だからか、そんなことはほとんどなかったですが、以前住んでいたコロンビアでも時々ありました。見知らぬ人に「チノ!」とか「チャンチュンチョン」とか言われるんです。別に中国人に間違われることは問題ないんですが、いきなりバカにした態度でそんなこと言われるとムカつきます。向こうも、もし外国で同じことをされたら腹が立つでしょう。

で、ムカついて何をするかというと…私は何もしません。「幼稚な人間はどこにでもいる」と思って無視します。機嫌が悪い時に一瞬その輩に詰め寄ろうかと考えても、やはり相手にしません。アルメニア人は体が大きくないので、別に怖くはないんですが、こちらがケンカ腰で向っていっても無意味な気がするのです。

旅行中やコロンビア滞在中に、そんな幼稚な行為にムカついて、言い返したりケンカ腰で向かっていったり、中には蹴りを入れた人にも会いました。よっぽど怒りが溜まっていたんでしょうねえ。その気持ちはよく分かるんですが、さすがに暴力はちょっと…その人も、「あれはよくなかった」と後で反省していました。

いろいろ書きましたが、私はそれでもアルメニアが好きです。なぜなら、本当に日本に興味があり、人間的に優しく接してくれる人たちが周りにいるからです。コロンビアも同じでした。もし全体的にそんな人たちは少数だとしても、私は彼らを基準にこの国を判断したいと思っています。やはり人間の良心を信じたいのです。

今まで80カ国以上を訪れて、からかわれたり、差別されたりと嫌な思いをしたことはありますが、嫌いな国は一つもありません。同時に、本当に親切な人たちにも会いますから。どちらに重きを置くかは人それぞれですが、人間の良心を信じることで、どこでも素晴らしい出会いにも恵まれている気がします。