開設セレモニー終了 

木曜日、無事にヨーロッパ教育大学にて、図書室開設セレモニーが終了しました。予想はしていましたが、やはり直前まで準備に追われ、不安なまま本番を迎えました。図書室開設の発起人である私は、セレモニーでは裏方で、主役となるのは学生たちです。

アルメニア・ダンス、日本舞踊、居合道、日本の歌など、全て学生が披露します。たった2週間足らずの練習では、不安にならない訳がありません。アルメニアの教育関係の偉い人まで出席するということで、責任者である副学長は、ずっとピリピリしていました。

私たちも、夜遅くまで寿司の材料作りをして、セレモニー直前まで慣れない手つきで寿司を握りました。その周りでは、学生たちが、会場の飾り付け、着物の着付けなどでバタバタしていていました。共同作業なので、自分一人がやれることは限られています。だから、余計に不安が大きかったです。

騒然としたまま、開始時間が迫り、招待客も既に着席して待っています。「できれば翌日に延期できないか…」などと、この期に及んで弱気になりましたが、何とか全ての準備が整い、セレモニーが始まりました。

さて、そのセレモニー本番ですが、また追って詳しくご紹介します。お見せしたい写真や映像などがたくさんあるので、ここでは書き切れません。結果から言うと、成功だったと思います。いろいろ準備不足の点はありましたが、副学長はじめ出席者の皆さんは満足されていました。頑張った学生たちも、本当に嬉しそうでした。

副学長室で、大学関係者の方々と立食パーティーの際に、私が挨拶しました。しかし話し始めた途端に、感極まって泣いてしまいました。これまでのいろいろなことが思い出されて、涙をこらえることができなかったのです。声を詰まらせながら、自分の気持ちを伝えました。

「コロンビアとフィリピンで日本語を教えてきましたが、ずっとアルメニアのことが忘れられませんでした。ここで日本語を教えるという夢だけではなく、図書室を作ることまで実現できて、本当に幸せです。9年間、私に夢を見続けさせてくれたアルメニアとアルメニアの人々に心から感謝します」と、涙を流して話しました。

全ての始まりは、9年前の学生との出会い。それからずっと、誰もどこにあるかさえ知らないアルメニアに拘ってきました。そんな自分の思いに共感してくれた方々と、アルメニアに本を送る会を発足。多くの無償のご協力のお陰で、図書室を開設し、今日という日を迎えることができたのです。自分は本当に幸せな人間だと思います。

ご協力してくださった皆様、本当に有難うございました。今後とも、どうぞ応援よろしくお願い致します。

 

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イベントを盛り上げてくれた学生たち。短い時間の中で、一生懸命に準備をしてくれました。セレモニーは、周りの人々の力のお陰で成功したと思います。

放送されました! 

本日、アルメニアに住む日本人として、私が取材されたテレビ番組が放送されました。夜10時からと聞いていたのですが、9時55分に始まりました。アンテナの問題で、音はほとんど聞こえなかったのですが、インタビューなどは全てアルメニア語吹き替えになっていたので、あまり問題ありませんでした。

たった20分の番組でしたが、アルメニアへ至る過程、授業風景、学生や友人との交流、図書室を作る様子など、テレビ局が取材した内容は全て盛り込まれていました。撮影中は、「これで大丈夫なのか…」と少し不安になるような所も多々ありましたが、上手に編集されていましたね。さすがプロです。

どれぐらいの人が見たのか分かりませんが、少し有名になったかもしれません。明日、街を歩いてみて、どんな反応があるでしょうか。まあ、大した変化はないと思いますが…

明日は、遂にヨーロッパ教育大学の図書室開設セレモニーです。成功するかどうか、まだ不安はありますが、多くの人が喜んでくれるような、日本に興味を持ってくれるようなイベントにしたいと思っています。その様子は、また後日報告します。

そのイベントのために、日本の香川県から片岡さんという方が、今日アルメニアに来られました。毎年、香川の坂出市で行われる「光輝里(ひかり)フェスティバル」のプロデュースをされている方で、今年は地元高校生が、アルメニアに本を送るという国際交流活動をすることになったのです。

「アルメニアに本を送る会」のために、高校生たちが2000冊以上の本を集めてくれて、送ってくれました。片岡さんは、その代表としてアルメニアに来てくださったのです。わざわざ、坂出市市長や高校生たちからのメッセージのビデオレターや本などを持ってきてくださいました。着かれて早々、今日はイベントの準備まで手伝って頂いて、本当に感謝です。

片岡さん含め、無償でご協力してくださった坂出市の方々のためにも、明日は素晴らしいイベントにしたいと思います。

 

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開設セレモニーで、学生たちが日本舞踊を踊るので、その練習をしています。ゆっくりした踊りですが、動きを合わせるのは結構難しいようです。着付けを手伝ってくれている片岡さん。ウェディング・プロデュースの会社を経営されていて、着付けができるので助かりました。

今週テレビに出演します 

今週の水曜の夜に、私がテレビに出演します。アルメニアにいる外国人を紹介する番組で、先週、先々週と撮影がありました。インタビューや大学の授業風景、街を散策したり、友人の家でアルメニア料理をご馳走になる様子を撮影しました。アルメニア柔道連盟に本を並べる様子も撮ってもらったので、図書室のいい宣伝になるかもしれません。 

ちょうど日本から友人が来ているので、彼にも度々出演してもらって、一緒に日本食を作って食べたり、ギターを弾いて歌ったりしてもらいました。こちらのテレビ撮影は、事前の打ち合わせなど全くなく、予定もコロコロ変わるので、撮られている側は、「これで大丈夫なのか…」と不安になるところもありました。自分が映っている番組を見るのは気恥ずかしいですが、どのような番組になっているか気になります。

 

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左は、アパートでのインタビュー撮影。日本語ペラペラのアルメニア人が、日本語で質問して、私も日本語で答えるというものだったので楽でした。友人たちと街を散歩する様子を撮影しました。その後、一人の学生の家へ行って、パーティーで盛り上がりました。

 

 

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インタビューで、アルメニアの結婚式の話をしたので、その教会に行って撮影しました。天気も良く、ちょうど一組の結婚式が行われていました。小さい女の子もドレスを着て、とても可愛らしいですね。

 

今週水曜の夜、友人たちと番組を見ようと思っています。さて、どんな風に仕上がっているのでしょうか…

保守的なアルメニア 

遊びに来ている友人が、人文大学の4年生の授業に参加しました。学生と質疑応答をしてもらったのですが、「皆さんは、彼氏がいますか?」という質問に、学生は全員「いません」という答え。みんな、19、20歳の年頃の女性ばかりです。

日本だったら、半数ぐらいは恋人がいるでしょうけど、これはアルメニアでは普通です。というのも、アルメニアは、かなり保守的な社会なんです。女性は結婚まで純潔を守るので、日本のように複数の恋愛経験を持つことは稀です。最近、この考えも変わってきていると聞きますが、まだそれほど自由ではありません。

9年前アルメニアに初めて来た時、参加した授業で私も同じ質問をして、年頃の学生の誰も恋人がいないことに驚きました。その時は、こんな保守的な社会だと知らなかったのです。驚く私に、アルメニア人教師の女性が、「アルメニアでは、結婚の前にいろいろな男性と付き合うのは悪いことなんです」と教えてくれました。

それで思わず、「じゃあ、結婚前に肉体関係を持つなんて、絶対ダメですね」と言うと、彼女は「肉体関係」という言葉が分からず、「肉体関係って、どんな意味ですか?」と質問されてしまいました。保守的なアルメニア人たちの前で、「肉体関係」なんて言葉を説明できる訳ないだろう!と思いましたが、自分が蒔いた種ですし、戸惑いながらも英語で説明すると…

「皆さん、新しい言葉です。覚えてください。ありさん、漢字はこれでいいですか?」と、先生は「肉体関係」と黒板に書いて教え始めます。学生たちも、真面目にそれをノートに書き始めます。予想外の反応でしたが、私の発言で教室が妙な雰囲気にならなくて良かったです。しかし、変な言葉を教えてしまったような気がしますが…

とにかく、アルメニアはいまだに男女関係については、かなり保守的な社会です。美人が多いので、友人も、「1日に5回は一目惚れしちゃいます」なんて冗談を言いますが、もし付き合ったら、その時点で結婚を意識しないといけません。国籍問わず、すぐにでも結婚したい人はいいですが、そうでない人は、アルメニアに来たら気をつけてください。

ヨーロッパ教育大学 

図書室開設の活動も本格化してきました。アルメニア柔道連盟の方は、テレビ撮影のために本を並べるのは後日ですが、ヨーロッパ教育大学の方は、既に本も並べ、ポスターなども貼って、かなり形になってきています。

そのヨーロッパ教育大学で、今月から私は日本語を教え始めました。専攻ではなく、自由選択科目なので、学年問わず勉強したい人が集まったクラスです。今は1クラスだけで週2回の授業ですが、まだ他にも勉強したい人が、学生それに先生たちの中にもいるらしく、来週からもう1クラス増えるかもしれません。

大学は、エレバンの街並みとアララト山が見渡せる丘の上に立っています。私のアパートから、バスで20分強ですね。新しい大学ですが、今ではアルメニアでかなり有名だそうです。6階建ての大学の中には、教室がたくさんあり、設備もきれいで整っています。大学側も、私の日本語コースや図書室開設活動に協力的です。

授業では、まだひらがなを教えています。専攻でも必修でもないですし、週2回だけでは進みも遅いです。しかし、今のところ学生たちはやる気があって、教えるのは楽しいです。もっと学生が増えれば、将来日本語が専攻科目になるかもしれません。そのためにも、図書室開設を含め、頑張って日本語教育の基礎を作りたいと思っています。

 

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ヨーロッパ教育大学の日本語クラス。その後、学生が二人増えました。人文大学は女性ばかりですが、ここは男性が半数ほどいます。勉強を始めた理由は、アジアの言語や文化に興味があるというのが多かったですね。