アルメニアの通貨
アルメニアの通貨はドラムです。2009年9月末現在、1$=384ドラム。両替が簡単にできるので、為替レートはすぐ確認できます。銀行は当然ですが、スーパーにも両替屋があって、銀行よりレートがいいです。ドル以外に、ユーロやルーブルなども両替可能。日本円は無理ですが…
3年前は1$=400ドラムぐらいでしたが、去年は300ドラムを切るまでドラムが急騰したそうです。現在はドル高ドラム安の傾向が続き、3年前と同じ水準まで戻りつつあります。反対に円はドルに対して高くなっていますが、これは私には有難いことです。
というのも、ここの教師の給料は安すぎるので、私は日本の銀行口座から貯金を引き出して生活しています。その場合、まず引き出したドラムがドルに換算され、次にそのドルが円に換算されて、口座から引き落とされます。つまりドル高ドラム安、そして円高ドル安だと、引き落とされる日本円が目減りするのです。
世界的なドル不安の中、なぜアルメニア・ドラムの価値は下がっているのか…恐らく、昨年の金融危機の影響が、アルメニア経済にも及んできているからです。実際に、今年の経済成長率は、独立以来の低い伸びとなる見通しだそうです。ただでさえ、あまり仕事がないのに、アルメニア人にとっては更に厳しい状況です。
それなのに、エレバンには日本並みの値段のブティックなどが増えてきて、一般大衆の生活レベルを無視した発展をしているように見えます。初めて訪れた9年前に比べて、人々の生活は楽になったとは思いますが、同時に格差が拡大しているのかもしれません。
アルメニアの紙幣。最も小さいのが1000ドラムで、チャレンツという詩人が印刷されています。次が、作家トゥマニャンが印刷された5000ドラム、詩人イサハキャンの10000ドラム、最も大きいのが20000ドラムで、画家サリヤンが印刷されています。他に500、200、100、50、20,10ドラムの硬貨があります。
- [2009/09/28 10:12]
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アルメニア人のアイデンティティー
ここで会ったアルメニア系カナダ人は、自分の故郷アルメニアにとても落胆していました。彼は、この国と人間に対して、いろいろと批判的でした。
「道や公園の木を切り倒して、必要以上にカフェやブティックを作って、それを豊かさだと勘違いしている」 「この国の人間は、いい車に乗りたい、新しい携帯を持ちたい、そんな欲望にかられて、人を蹴落とすことも厭わなくなった」 「若い連中は本や新聞も読まず、携帯をいじったり、酒を飲んで、くだらない会話ばかりしている」などなど…
それでも彼は、妻になる女性を探すという目的もあってアルメニアに来ていました。そして、まともな仕事があって、ちゃんと生活ができるなら、アルメニアに住みたいとも言っていました。矛盾しているように思えますが、やはりアルメニア人としてのアイデンティティーは捨てられないようです。
「アルメニア人はトルコに虐殺されて、世界中に離散した。アルメニア人と結婚しないと、アルメニアの純血が絶えてしまう。それに、同じ言語や宗教を持った人と結婚した方がいいだろう」と、彼は言っていました。アルメニアに住む私の友人も、同じことを言います。
民族主義的だ、閉鎖的だと言えばそうかもしれませんが、過酷な民族史を持つアルメニア人にとって、自分たちの純血やアイデンティティーを守ることは、今も大切なことなんでしょう…
- [2009/09/24 22:00]
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アルメニアの音楽と舞踊
偶然知り合ったアルメニア系カナダ人に誘われて、民族舞踊のショーに行きました。あまり大きくないホールで行われたものですが、アルメニアの伝統的な音楽に、歌に、踊りと見応え十分の素晴らしい内容でした。そのショーの様子を紹介します。
美しい民族衣装をまとった女性たちが、アルメニア音楽の生演奏に合わせて歌ったり踊ったりして、最初から見とれてしまいました。
静かな音楽に合わせて、ゆっくりと優雅に踊る時もあれば、早いリズムに合わせて、男女が激しく踊る時もあります。とにかく、最後まで飽きることのないショーでした。
動画はうまく撮れなかったので、Youtubeにあった映像でご覧ください。同じ踊りもあったので、ショーの雰囲気は伝わると思います。
- [2009/09/21 17:05]
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移民から見たアルメニア
もう2ヶ月前の話ですが、通りを歩いていると、突然「日本人ですか?」と声を掛けられました。「えっ、はい!」と反射的に答えて、振り向くと、アルメニア人らしき男性。「日本語が分かるんですか?」と聞くと、「少し」とまた日本語で答えました。
彼はカナダ在住のアルメニア人で、日本に英語教師として3年間住んだことがあるのだそうです。今は中学校教師で、夏休みに故郷アルメニアに遊びに来ているとのこと。その時はお互い用事があって、すぐ別れましたが、翌日に偶然再会して、その晩アルメニアの民族舞踊のショーに行く約束をしました。
さてショーに行くと、隣に座っていた男性はイラク在住のアルメニア人。その後、三人で飲みに行くことになりました。彼らは、カナダ、イラクと全く違う国籍なのに、アルメニア語で会話をします。世界中に離散したアルメニア人ですが、今も自分たちの言語を守り通しているからです。彼らは、「トルコの虐殺のお陰で、世界中でアルメニア人に会える」と皮肉っぽく言いました。
アルメニアの人口は300万ほどですが、海外には800万以上のアルメニア人がいます。そのアルメニア系移民の二人から、いろいろ興味深い話を聞けました。故郷アルメニアが彼にはどう映っているか、今住んでいる国で人種的また宗教的な差別はあるかなどなど…
カナダの彼は、「このままでは、いつかこの国は消えてしまう」と言って落胆していました。「独立時、自由だ!民主主義だ!市場経済だ!と、人々は喜んだ。しかし、今は一握りの人間が富を牛耳って、多くの人にはろくな仕事がない。これが望んだ豊かさか…ソ連時代の方が生活レベルはずっと高かった。資本主義に蝕まれて悪くなる一方だ」 そう歯痒そうに語りました。
その話を聞いて、「やはりアルメニアもか…」とあまり驚きはしませんでした。世界中を旅した時も、コロンビアやフィリピンに住んだ時も、資本主義や貧困の問題について、嫌というほど考えさせられたからです。アルメニアについて、そういう側面からも深く知っていきたいと思っています。
- [2009/09/20 10:21]
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ヘアサロンの看板
エレバンの街中で、面白いものを見つけました。ふと、ヘアサロンの看板を見たら…
誰か分かりますか?歌手の平井堅です。アルメニアでは有名なのかと言うと、全く知られていません。では、なぜアルメニアのヘアサロンの看板に?多分ハンサムだと思って、モデルに使ったのでしょう。どこで、どうやって写真を手に入れたかは知りませんが…
日本ではかなり濃い顔ですが、アルメニアでは全く普通です。というか、これでも薄いぐらい。この看板を見たアルメニア人のほとんどは、彼が日本人だと気づかないと思います。私もすぐには気づかなかったので、この手の顔は見慣れてしまったんでしょう。
美人が多いアルメニアですが、男性は……まあ、中にはハンサムな人もいるんですが、基本的にゴルゴ13みたいな濃くて厳つい顔が多いです。だから、とても可愛い女の子の父親を見た時に、「なぜ、これからこれが?!」と目を疑うことは少なくないです。でも、美人が多い国って大概そんなものでしたね。
平井堅の濃い顔も、ここでは全く違和感がないので、一瞬気がつきませんでした。
- [2009/09/18 01:09]
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