アルメニアに本を送る会
日本大使館も日本企業もないアルメニア。日本人もほとんど訪れず、日本人の日本語教師もいません。私が唯一の日本人教師となりそうです。
せっかく一生懸命に勉強しても、日本語を使う機会も、日本の情報に触れる機会もほとんどありません。彼らのために、もっとそんな機会を作ってあげたいと思い続けてきました。また、日本人の多くは、アルメニアがどこにあるかも分かりません。もっとアルメニアのことを日本に紹介したい!日本とアルメニアの親交を深めたい!とも思うようなりました。
そこで、今年4月24日に、「アルメニアに本を送る会」を発足しました。会では、アルメニアに日本語の本や資料を送り、図書室を開設する活動をしています。アルメニアの学生に、日本語や日本の情報に触れる機会を提供するためです。
そのため、私たちは多くの本や資料を必要としています。また、それらをアルメニアに送る費用も必要としています。
必要としている本や資料は…
・辞書(国語・漢和、露和・和露・英和・和英)
・参考書、テキスト、問題集などの日本語教材
・児童書、絵本、マンガなどの読みやすい図書
・日本紹介に役立つ雑誌や写真集(例:旅行、武道、料理など)
・日本の文化、歴史、地理に関する図書
・小中学校の、国語・社会・音楽・美術の教科書
・日本の音楽のCD、日本の映画・ドラマ・アニメなどのDVDとビデオ
・日本紹介に役立つ写真やポスター(例:風景や浮世絵など)
・折り紙や紙芝居、紙人形などの日本文化紹介資料
本や資料の送付先や、会費・寄付などのお振込先、また会の詳しい活動などは、HPでご覧頂けます。是非とも、ご協力よろしくお願いします。
「アルメニアに本を送る会」HP http://bookarmenia.web.fc2.com/
アルメニアに日本語教育の機会を!ご協力よろしくお願いします!
- [2009/06/28 11:30]
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アルメニアで日本語
アルメニアには、日本大使館も、日本企業もありません。日本人もほとんどいません。それなのに、日本語を勉強している学生がいます。9年前、そんな学生たちに出会って驚きました。「何で日本語を?」と不思議で仕方ありませんでした。しかし学生たちは、「日本人ですか?!」「こんにちは!」と一生懸命に話しかけてきます。
日本語を使う機会のない彼らは、私と話すことが嬉しくて仕方ないようで、誰もが目を輝かせていました。「いつ来たのか」「何しに来たのか」「どこへ行ったか」と質問攻めにあいながら、次第に彼らと少しでも長くいてあげたいと思うようになりました。ただの旅行者である自分の存在が、これほど人を幸せにできるのかと私も嬉しかったのです。
毎日のように授業に参加したり、一緒に観光したりして、彼らと楽しい時間を過ごしました。毎日アルメニアで日本語を話すなんて不思議ですが、遠く離れた国に自分の国の言葉や文化を学ぶ人たちがいるなんて素晴らしいことです。
何より素晴らしかったのは、学生たちが純粋な思いで勉強していることでした。皆に「どうして日本語を勉強するの?」と質問すると、「楽しいから」「面白いから」「日本の文化に興味があるから」という答えがほとんどでした。
仕事のことを考えたら、英語やフランス語を学んだ方がいい。まして貧しいアルメニアでは、仕事にありつくことさえ大変なのに、彼らはひたすら「好きだから」という理由で日本語を学んでいるのです。私と話ができると、「勉強していて良かった」と言わんばかりの幸せそうな顔をします。その純粋さとひたむきさに、私は胸を打たれました。
今、私が日本語教師をやっているのは、アルメニアの学生たちとの出会いが大きなきっかけでした。今もアルメニアには、あの時と同じように、一生懸命日本語を勉強している学生がいます。彼らに、少しでも恩返しをしたいと思っています。
日本語を学ぶ大学生たち。生活は苦しいけれど、皆いつも明るく笑っていました。
- [2009/06/25 15:22]
- 日本語教育 |
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アルメニアという国
アルメニアは、黒海とカスピ海の間にあるコーカサス地方の小さな共和国です。国土は四国ほどしかありません。周りをトルコ、イラン、グルジア、アゼルバイジャンに囲まれた内陸国です。首都はエレバンで、世界最古の都市の一つです。
人口のほとんどを占めるアルメニア人は、昔から商業の民として知られ(ユダヤ人以上とも言われています)、大アルメニア帝国を築くほどの勢力を持っていました。その後、周辺の大国に翻弄される時代が続き、20年前まではソ連に組み込まれていました。
ソ連時代は比較的豊かな共和国でしたが、独立後は大変貧しい国になってしまいました。目立った資源や産業がなく、国民の生活は苦しいままです。いまだに日本大使館もなく、日本企業も進出していません。
しかし、301年に世界で初めてキリスト教を国教にしたり、5世紀頃にはアルメニア文字を生み出したりと、長い歴史と高度な文化を持った国です。貧しいながらも、人々は自分たちの文化や宗教を大切にし、誇りにしています。
絶え間ない他国の侵略や干渉、第一次大戦中に起こったオスマン・トルコによる大虐殺などで、多くのアルメニア人は世界へ離散しました。その多くは、移住先で成功を収め、アルメニア系の世界的著名人はたくさんいます。例えば、指揮者のカラヤン、シャンソン歌手のシャルル・アズナブールなど…巨万の富を築いた石油王やホテル王までいます。
アルメニアは、ブランデーが有名です。アルメニアン・コニャックと呼ばれ、チャーチルも愛飲したそうです。たしかに、ブランデーやワインは美味しいです。また美人の国としても知られています。チェーホフの小説でも、その美しさは語られているほどです。実際に、アルメニアの女性は美しい人が多いです。目鼻立ちのはっきりしたエキゾチックな顔をしています。
日本ではほとんど知られていないアルメニアですが、とても興味深く、面白い国です。
左はアルメニアの国旗。赤は国のために闘った人々の血、青は国の自然、オレンジは勇気を象徴しているのだそうです。右はアララト山。ノアの方舟が漂着したとされるアララト山は、ノア直系の子孫を名乗るアルメニア人にとって民族の象徴ですが、現在はトルコ領にあります。
- [2009/06/25 01:06]
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いざアルメニアへ
アルメニア共和国という国をご存知ですか?
来週、私はそのアルメニアへ日本語を教えに行きます。なぜアルメニアか…そのきっかけは、9年前そこで日本語を勉強していた大学生たちとの出会いです。
2年かけてアジアやアフリカの国々を放浪していた時、偶然アルメニアに立ち寄りました。日本大使館も、日本企業もなく、日本人もほとんど訪れることのないアルメニア…そんな中で、一生懸命に日本語を勉強している学生たちがいました。
せっかく習った日本語を使う機会がほとんどないので、学生たちは突然の私の訪問を喜び、毎日いろいろな場所を案内してくれました。日本人と話すことが嬉しくて仕方ないという様子で、そんな彼らと一緒に過ごして私も幸せでした。
それから数年後に日本語教師になった私は、コロンビアやフィリピンで教えてきましたが、アルメニアのことが忘れられずにいました。今もアルメニアには、日本大使館もない中で日本語を学んでいる学生たちがいるのです。「いつかアルメニアで日本語を教えたい」 その夢をかなえるべく、今年ついにアルメニアへ向かうことを決心しました。
向こうの大学の給料は安すぎて、家賃さえ払えません。また言葉も文化も違うアルメニアでの生活は、楽ではないと思います。不安もつきませんが、今は夢を実現できる喜びに胸をふくらませています。
苦しい条件の下、私がどれだけアルメニアにいられるかは分かりません。しかし、できる限り多くのことを学生に教えたいと思っています。そして、学生のために、日本語の図書室を作りたいと思っています。自分が教えたことや、日本から送られた本はずっとアルメニアに残っていくはずです。
貧しくネット環境も劣悪なアルメニアでは、ブログ更新も頻繁にできませんが、このブログを通して、少しでも多くの人たちに、アルメニア、そして私の活動に興味を持ってもらえたらと思っています。
- [2009/06/24 15:52]
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