アラムMP3 

すっかり夏の陽気で、日向を歩くと少しぐったりしてしまいます。これからもっともっと暑くなりますが、乾燥しているので、日陰や屋内は涼しくて過ごしやすいです。

さて、前回の記事で今年のユーロビジョンの結果を報告しましたが、去年の大会については全く記事にしていなかったようです。なぜ?と不思議に思ったら、その時期に息子の洗礼式を行ったので、いろいろ忙しかったようです。もうあれから1年経ったんですねえ…その時の様子は過去の記事をご覧下さい。(こちら)

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1年前は歩けなかったし、顔も体もプクプクしていてまだ赤ちゃんという感じでしたが、けっこう男の子らしくなってきました。

ということで、今頃になってしまいましたが、昨年のユーロビジョンについて書きたいと思います。昨年のアルメニア代表はアラムMP3という男性歌手で、なんと結果は4位という素晴らしい成績でした。4位というのは、2008年に「ケレケレ」と言う曲で出場したシルショ以来の快挙!すごいですよね。

実は、このアラムMP3は、元々コメディアンや司会が本業で、「ビタミン・クラブ」という人気コメディー番組にずっと出演しています。私も、彼はコメディアンという印象の方が強いですね。MP3という変わった芸名は、いろいろなヒット曲をコミカルに歌う彼のパフォーマンスから名づけられました。でも、歌は本当に上手で、歌手としても活躍しています。多才な彼の映像を載せておきます。


昨年のユーロビジョン・ファイナルでのパフォーマンス。ちなみに、この「Not Alone」という曲は、彼が作詞作曲したものです。


アルメニアの有名な歌をコミカルに歌う彼の十八番芸。アルメニア語なので、何が面白いか分からないでしょうけど、ここのコメディー番組の雰囲気が伝わると思います。

インガ&アヌシュ・アルシャキャン 

今日5月18日は「国際博物館の日」で、アルメニアでは先週土曜日の夜に全ての博物館・美術館が無料になっていました。私は夕食会の約束があったので、博物館には行きませんでしたが、夜12時頃まで誰でも入場できたようです。

いよいよ明日、ウィーンでユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されます。先日ご紹介したジニオロジーが、アルメニア代表として出場します。日本からも歌手のステファニーが参加しているので、ファイナルに残れるよう頑張ってほしいと思います。

さて、そのジニオロジーは、各国のアルメニア系歌手によって構成されているのですが、母国アルメニアからはインガ・アルシャキャンという女性歌手が参加しています。彼女は、お姉さんのアヌシュとインガ&アヌシュ・アルシャキャンというボーカルデュエットを組んでいて、2009年のユーロビジョンに出場したことがあります。


6年前のユーロビジョンの映像。「Jan Jan」という曲で、10位という結果でした。

姉妹とも、小さい頃から音楽学校で教育を受けていて、歌もかなり上手です。言語大学を訪問したときに生歌を披露してくれましたが、本当に上手かったですね。それに彼女、けっこう美人!(だと私は思います)。目がエキゾチックできれい!

ジニオロジーの中心メンバーとして、二度目のユーロビジョン出場を果たすなんてすごいですね。彼女含めメンバー全員の健闘を祈りたいと思います。頑張れ、ジニオロジー!


インガ&アヌシュ姉妹の代表曲「Menq enq mer sarere」。訳すと、「私たちは母国の山」となるのかな…


その曲を、ジニオロジーのメンバー全員でカバーした動画。ステファニーさんもアルメニア語で歌っています。

アルノ・ババジャニャン 

昨日、B・B・キングが亡くなったそうです。多くのミュージシャンに影響を与えた偉大なブルースマン。ロックやブルース、ジャズなどの音楽にはまっていた学生時代、来日した彼のライブを見に行ったことがあります。パワフルな歌声が印象的でした。冥福を祈ります。

さて、最近ブログ読者から、「キリスト教徒じゃなくても、アルメニアで結婚式を挙げられるのか?」という質問を頂きました。先日の友人の結婚式に関する記事をご覧になって、疑問に思われたのでしょうね。他にも疑問に感じる方がいらっしゃるかもしれないので、記事に少し書いておきます。

アルメニア教会で式を挙げるには、新郎新婦ともアルメニア正教徒でなければいけません。私も4年前に洗礼を受けましたし(こちら)、先日結婚した友人も事前に洗礼を受けています。やはり神と契約を交わす儀式ですから、異教徒では駄目なのでしょう。ちなみに、これはアルメニア教会で式を挙げる場合の話で、法律上の婚姻手続きに間しては宗教は特に問題になりません。

話は変わって、先日ここで開かれた日本人ピアニストの秋場敬浩さんのコンサートでは、アルノ・ババジャニャンの曲も演奏されました。この偉大な音楽家について、まだブログで一度も触れていなかったようです。なので、今回ご紹介したいと思います。

アルノ・ババジャニャンは、ソ連時代のアルメニア人作曲家・ピアニスト。幼少の頃から類まれな音楽的才能を示し、あの大作曲家アラム・ハチャトリャンが、「この少年に、よい音楽教育を受けさせるべきだ」と進言したそうです。多くの名曲を残し、ソビエト人民芸術家の称号も得ました。今も母国アルメニアの人々に愛され、彼の音楽を耳にする機会がよくあります。エキゾチックで哀愁のある音楽は、私も大好きです。


秋場さんも演奏した「エレジー」。本人による演奏の動画です。


妻も時折ピアノで弾くババジャニャンの作品「メロディー」。

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エレバンのオペラハウス近くにあるアルノ・ババジャニャンの銅像。アルメニア人に愛されているのがよく分かります。

ラヴァシュが無形文化遺産に! 

昨日・今日は朝から晴れていて、久々に気持ちのいい天気です。寒いことは寒いですが、青空が広がって明るいと何だか暖かく感じますね。

さて、今週はアルメニアにとって嬉しいニュースがありました。アルメニアのパン「ラヴァシュ」が、ユネスコの無形文化遺産リストに登録されたのです。過去にアルメニアからは、縦笛ドゥドゥクとその音楽、ハチュカルという独特の十字架石が登録されています。とにかく、アルメニアにとって誇らしい出来事ですね。

このラヴァシュは、小麦から作る薄いピザ生地のような伝統的なパン。麺棒や手で薄く延ばした生地を、トニルと呼ばれる地面に掘った窯の内壁に貼り付けて焼きます。田舎に行くと、今もこの伝統的なラヴァシュ作りを見ることができます。アルメニア人はそのまま食べたり、肉や野菜を巻いたりして食べますが、今日は面白いラヴァシュの食べ方をするアルメニア料理をご紹介します。

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エレバン近くの村で見たラヴァシュ作り。中央の穴はトニルと呼ばれる窯。

それは、ハーシュという伝統料理。牛足を長時間煮込んだスープで、寒い季節によく食されます。見た目こってりしていますが、一口飲んでみたらあっさりというか、ほとんど味がなくて物足りません。というのも、それ自体は味付けされておらず、食べる人が自分で塩とニンニクを入れて味付けするのです。

ここからが面白いのですが、ハーシュにはパリパリに乾燥させたラヴァシュが必ず付いてきます。そのラヴァシュを手で細かく崩して入れるのです。アルメニア人は、スープがほとんどなくなるまで入れて、スープの浸み込んだラヴァシュを食べます。時には、乾燥していないラヴァシュですくって食べたりもします。

これではひたすらラヴァシュを食べているだけのような気がして、私は「スープをそのまま飲みたいなあ」と正直思ってしまいます。味付けしたスープは豚骨スープみたいで美味しいので、アルメニア人の食べ方は何だか勿体ない気がするんです。でも、彼らにするとスープだけ飲むなんて邪道で、やはりハーシュは大量のラヴァシュで食べるもののようです。

あと、ハーシュを食べる時はウォッカを飲むというのも習慣です。まあ寒い時期の食べ物ですしね。でも、酒好きのアルメニア人が、強引に飲む理由をこじつけているような気がしなくもないんですけど…とにかく、正にこれからはハーシュの季節。アルメニアに来られたら、一度お試しください。もちろんアルメニア伝統の食べ方で!

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こってりした見た目のハーシュ。でも、初めは味が付いていないので、あっさりと感じます。

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そこに大量の乾燥したラヴァシュを投入!スプーンで混ぜて、スープの浸み込んだラヴァシュを食べます。

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知り合った日本人バックパッカーと最近食べに行ったのですが、重くて二人とも半分食べたらお腹一杯になりました。

マルティロス・サリヤン 

欧米がシリアを攻撃する可能性が高まってきましたね。「ハア~、ったく、またかよ…」という感じで、すぐにイラク戦争のことを思い出しました。アメリカの戦争中毒はずっと前からのことですが、やはり毎回呆れます。

今回は、シリア政府が化学兵器を使用したことに対する制裁だそうで、証拠も出てきているとのこと。しかし、ネット上では、政府側が使用した可能性はないという情報もたくさんあります。英米が、「大量破壊兵器がある」と主張して、一方的にイラクを攻撃したのと流れがそっくり。あの時は、イラクを破壊しまくった挙句、その大量破壊兵器とやらは見つかりませんでしたが…

大体、たとえ今回シリア政府が化学兵器を使用したのが事実だとしても、欧米諸国が振りかざしている正義とか人道主義は、私の目にはかなり偽善的に映ります。というのも、昔フセインが、クルド人の町ハラブジャでサリンなどの毒ガスを使って数千人虐殺したとき、欧米諸国は完全に見て見ぬふりしていましたから…

本当に矛盾した話ですよね。しかし、日本の首相も、イラク戦争の時同様に、「シリア政府が化学兵器を使った可能性は高く、許しがたい行為だ」とすぐ追従していました。悲しいかな、これが国際政治というものでしょうか…

本文に行く前に、前置きが少し長くなってしまいました。趣味で油絵を始めたということで、今回アルメニアの有名な画家をご紹介しようと思います。その画家とは、マルティロス・サリヤン

アルメニアの2万ドラム紙幣の顔にもなっている人物です。エレバンには、彼の名を冠した通りもありますし、彼の銅像が建つ公園もあります。公園では、いつも画家たちが集まって絵を売っています。

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オペラハウス近くにあるサリヤンの公園。この近くにサリヤン通りとサリヤン美術館もあります。

サリヤンは、アルメニアの風景をたくさん描きましたが、ゴーギャンやマティスに影響を受けたという独特の色使いが特徴的です。光を象徴する黄色やオレンジなどを大胆に使った彼の絵は、とても明るく柔らかい印象を受けます。

「石の国」と呼ばれるアルメニアの自然を、明るい色調で描いた彼の作風は、後のアルメニアの画家たちに多大な影響を与えました。私も、サリヤンの絵は大好きです。

国立美術館や彼の名を冠したサリヤン美術館で、その作品の数々を見ることができるので、アルメニアに来られた際には、是非ご覧になってみて下さい。以下のサリヤン美術館のサイトでも、彼の作品を見ることができます。

サリヤン美術館HP