あけましておめでとうございます! 

あけましておめでとうございます!2024年最初のブログ記事です。今年もよろしくお願いします。

元旦に能登半島地震が発生したというニュースを聞いて驚きました。また、飛行機の衝突事故も発生しました。被災地では、建物の倒壊や火災など甚大な被害が出て、死者数も増え続けており、多くの人が避難しているとのこと…年明け早々に被災した人たちのことを思うと胸が痛みます。心よりお見舞い申し上げます。

ガザでは戦闘が続いており、さらに拡大する恐れが出ています。また、かなり長期化するのではという予想も出てきています。ガザの死者はすでに2万人を超えているというのに、一体どれほど犠牲が出れば収束するのでしょうか…新年早々に暗澹たる気持ちになります。今年が世界にとって少しでも平和な年になりますように!

さて、私たちはジョージアの首都トビリシで年を越しました。前回の記事に書いたように、私の20年来のジョージア人の友人家族と新年をお祝いすることができました。アルメニアと同じく食事をするのは日付が変わる深夜なので、私たち家族は夕方に年越しそばを作って食べました。どこにいても、この年末の日本の習慣は続けています。

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トビリシでも、大晦日に年越しそばを作って食べました

夜12時前に彼らの家に行くと、奥さんの手作りの料理が並んでいました。オーブンで焼いたトルマがあって、これは私も妻も初めて見ました。そして、日付が変わって2024年になった瞬間、「あけましておめでとう!」とみんなで乾杯しました。新たな年の始まりです。

それから何度も新年の幸せや健康を祈って乾杯しながら、遅くまで食事しました。奥さんの手料理がどれも絶品で、上記の初めて見るトルマもすごく美味しかったです。やっぱりジョージアは食事とワインがとても美味しくて最高!

何より大切な友人と一緒に新年を迎えられて嬉しかったです。24年前の彼との偶然の出会いは、私がアルメニアに行くきっかけとなり、私の結婚や家族というものに対する価値観も変えました。その人生を変えたともいえる友人と、今も続く友情に乾杯しながら迎えた2024年はきっと素晴らしい年になると思います。

彼らと年越しをしてから、トビリシの中心・自由広場に向かいました。深夜1時を回っていましたが、まだ新年を祝う人たちで賑わっていて、花火も上がっていました。ちなみに、インド人がたくさん集まって、大音量で音楽をかけて踊りまくっていました。

それからアパートに戻ると、息子たちが待ちに待ったサンタからのプレゼントの時間!アレンはもうサンタを信じていませんが、レオはまだサンタを信じてるっぽいので、大晦日にトビリシで買った希望のおもちゃを、息子たちがいない間にラッピングして部屋の各所に隠しておきました。

アレンもレオも、サンタからのプレゼントを探し回って、見つけるたびに盛り上がっていました。そして、包装紙を開けると、希望したおもちゃが出てきてまた大喜び!アレンはともかく、レオはサンタが今年も希望を叶えてくれたと嬉しそうでした。そのレオも、近いうちにサンタが誰か分かってしまうでしょうから、こういうサプライズができるのは今年が最後かもしれません…

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大切な友人家族と一緒に新年を迎えました!健康と幸せ、そして平和を祈って乾杯!

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自由広場は花火が上がって賑やかでした

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サンタからのプレゼントに大喜びのアレンとレオ

元旦は、ここにある日本食材店で買った切り餅でお雑煮を作って食べました。それから、家族とアルメニア教会とジョージア教会を訪問し、それぞれでロウソクを灯して新年のお祈りしました。昨年も健康と幸せに恵まれたことを感謝して、今年がまた素晴らしい1年になるよう願いました。特にアルメニア、そして世界が平和なることを心から祈りました。この祈りが届きますように!

しかし、大晦日あたりから街中はアルメニア人観光客だらけで、歩いているとアルメニア語を普通に耳にするし、知り合いにけっこう会います。私たちは先月28日にジョージア入りしたので、国境もガラガラで30分かからず通過できましたが、出会った知り合いによると、30日や31日の国境は大渋滞だったらしく、国境越えになんと10時間以上もかかったそうです…今から私たちは帰国しますが、戻る人のピークは超えているから大丈夫だと思います(だったらいいけど…)

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元旦はお雑煮を食べました。トビリシにいながら日本のお正月!

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旧市街にあるアルメニア教会。多くのアルメニア人が祈りに来ていました。

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新年の健康と幸せ、そして平和を祈りました

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クラ川のほとりに立つメテヒ教会

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メテヒ教会からの眺め。クラ川には観光船がたくさん走っていました。

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そこでもロウソクを灯して祈りました

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世界の正教会の中でも最大の聖堂の一つに数えられる至聖三者大聖堂

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内部もとても立派で、ちょうど歌われていた賛美歌が美しかったです

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豪奢で美しいイコンもありました

一昨日の2日は、ランチでイタリア料理を食べてから、のんびり買い物をして、息子たちが希望していた気球に乗りました。私も妻も気球に乗るのは初めてで、上空から美しいトビリシ旧市街を一望できました。とはいえ、乗っているのは10分ほどで、料金は4人で約1万円!た、高すぎ…でも、物ではなく、息子たちの経験のためにはなるべくケチらないという方針なので、新年早々に人生初の気球体験ができたから良しとしましょう!

それから、近くにある蝋人形博物館に立ち寄って、あまり似ていない蝋人形や珍しい昆虫の標本を見たり、鏡の迷路に入ったりしました。息子たちがずっと楽しそうな笑顔で過ごせていたのでよかったです。

その夜は、旧市街にある雰囲気のいいジョージア料理レストランで食事しました。ビーズで煮込んだ赤いヒンカリなどユニークな料理があって、目でも舌でも楽しめました。そして、やっぱりワインが美味しい!アルメニアもワインのレベルはかなり上がりましたが、ジョージアは白ワインがめっちゃ美味しいし、昔ながらの製法で作ったアンバーワインがあって、それがまた美味しい!

楽しく充実した1週間のトビリシ滞在も終わって、今からエレバンに帰ります。途中、アルメニア北部のハグパット村に寄って、そこに住む20年来の友人と新年をお祝いする予定です。素敵な再会に満ちたお正月で、改めてよい縁と繋がりに恵まれていることに感謝です。

最終日の昨日も楽しく過ごしましたが、この旅の続きについては、また次回の記事でご紹介します。とにかく、年末年始に家族と素晴らしい思い出をたくさん作ることができました。では、8日ぶりのアルメニアに向けて行ってきます!

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人生初の気球体験!

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ロープで係留されているので、そんな遠くまで上がりません

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気球に乗ってアレンもレオも興奮していました

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気球からのトビリシ旧市街の眺め

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政治家たちの蝋人形。金正恩が全然似てないし、バイデン大統領も浮浪者みたい…

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昆虫の標本にアレンとレオは大喜び

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鏡の迷路に入って大盛り上がり

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ジョージア料理レストランで夕食

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そのレストランの名物の赤いヒンカリ

鮄川さんと3日間のジョージア旅行 

まだ日中は暖かい、というより少し暑いぐらいの陽気ですが、朝晩は肌寒くなってきました。そのせいか、体調を崩す人が多く、義母に続いて、アレンとレオも風邪を引いてしまいました。なので、明日はレオの6歳の誕生日ですが、家族で小ぢんまりとお祝いしようと思います。

一昨日9月27日は、2年前にアゼルバイジャンとの戦争が勃発した日でした。当時のブログ記事を読み返してみると、「今回も数日ほどで落ち着くのではないか…」と書かれています。私だけでなく、多くのアルメニア人も同じように考えていました。しかし、戦争は激しさを増すばかりで収束せず、結局1か月半も続きました。悪夢のような時間の始まりでした…

戦争が本格化してからは、全く終わりが見えず、毎日を不安と悲しみの中で過ごしました。少しでも現地の状況や情報を伝えようと記事で発信していましたが、悲惨なニュースばかりで本当に暗く重い気持ちになりました。何より多くの尊い命が失われることに心を痛めました。今もあの時の経験を思い出すと辛くなります。最近もアゼルバイジャンとの衝突がありましたが、もう二度と戦争という悲劇が起こってほしくありません。改めて平和を祈りたいと思います。

ウクライナではまだ戦争が続いていますが、東・南部の4州で住民投票が行われ、賛成多数でロシアへの編入が決まりました。明日にはプーチン大統領が併合を宣言すると見られています。ウクライナ政府はもちろんのこと、欧米諸国や日本は「茶番だ」と非難していますが、米欧はコソボで同じことをしました。米国が主導したアフガン・イラク戦争では、20万人以上の市民が犠牲になりました。ロシアや中国を非民主的だと批判するEUは、資源不足を補うために、独裁国家アゼルバイジャンからのガス輸入を大幅に増やしました…私は大きな欺瞞を感じざるを得ません。

そういえば、安倍元首相の国葬が行われたのですね。全く関心がなかったので、いつの間にか終わっていたという感じです。それよりも RIZINの朝倉未来とメイウェザーの試合の方が気になっていました。大方の予想通りの展開でしたが、朝倉選手はけっこう善戦したと思います。と同時に、やっぱりメイウェザーのスピードと反応の凄さには驚きました。ボクシングルールでは圧倒的な強さですね。

さて、週末はお隣の国ジョージアに行ってきました。私が秘書を務めているモンスターラボ社長の鮄川さんが訪問することになり、私も同行したのです。私は何度もジョージアに行っているので、案内役を依頼されました。とはいえ、私も2年9か月ぶりの訪問でした。コロナ禍が始まる直前の2020年のお正月に家族と行って以来です。

今回は出張ということで、初めて空路でジョージア入りしました。エレバン発のフライトが遅れたため、けっこう待ちましたが、飛行機に乗っている間はたったの30分。離陸したかと思ったら、あっという間に高度が下がってトビリシ空港に到着。そういえば、ウクライナ問題の影響で、乗客のほとんどはロシア人でした。トビリシ空港は初めてだったので新鮮でした。ちなみにジョージアもコロナ関連の規制が全て撤廃されて、ワクチン証明書もPCR陰性証明書も不要で、スムーズに入国できました。

ホテルに着くと、先にドバイから到着していた鮄川さんと合流しました。お互いお腹が空いていたので、早速ヒンカリ(ジョージアの水餃子)を食べに、地元の友人に予約してもらっていたレストランに向かいました。外に出ると、けっこう寒い。トビリシの方が標高が低いのに、エレバンより気温が低くて驚きました。でも、久しぶりにトビリシに来れたので嬉しかったです。

レストランでは、ジョージアとマケドニアのサッカーの試合がテレビで放送されていて、ジョージア人たちが必死で見ていました。ジョージアチームがゴールを決めると、ワーッ!と大きな歓声が上がります。試合はジョージアの圧勝で、試合が終わった瞬間も、みんなが手を叩いて母国チームの勝利を喜んでいました。着いて早々すごい雰囲気でしたが、ジョージア初訪問の鮄川さんも楽しそうでした。

鮄川さんのジョージア初訪問と再会を祝って、ビールで乾杯しました。アルメニアに10回近く来ている鮄川さんは、隣国ジョージアもずっと行きたがっていたので、その希望が叶ってよかったです。トビリシで再会するというのも面白かったですね。鮄川さんとは7月に出雲で会って以来の再会。美味しいヒンカリを食べて、ビールを飲みながら、遅くまで語り合いました。

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ジョージアに初の空路入国。機内はロシア人で満席でした。

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トビリシ中心部の自由広場。2年9か月ぶりのジョージア。意外に寒くてビックリ!

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鮄川さんと再会を祝って乾杯!ここのヒンカリは美味しかった!

翌日は、まずトビリシの旧市街を案内しました。付け焼き刃でしたが、事前に古い教会の歴史などを調べておいたので、それを説明しながら散策しました。同じ旧ソ連とはいえ、エレバンとはまた雰囲気が異なるトビリシの街を、鮄川さんは興味深そうに観光していました。久しぶりにトビリシを訪れることができて、私も嬉しかったです。

午後は、友人が手配してくれた車でムツヘタの観光に出かけました。ムツヘタは、トビリシの前に首都だった歴史ある街で、世界遺産にも登録されている古い教会などがあります。あいにく朝から曇り空で肌寒かったですが、鮄川さんはジュワリ修道院からの眺めやスヴェティツホヴェリ大聖堂の荘厳な雰囲気に感動していました。土曜だったこともあって、スヴェティツホヴェリ大聖堂では、民族衣装を着た新婚カップルの結婚式を見ることができました。

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古い街並みが残るトビリシ旧市街を散策しました

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ジョージアにキリスト教を伝えた聖ニノの十字架が保管されていたと言われるシオ二教会

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シオ二教会の内部。アルメニア教会と違って、ジョージアの教会はイコンやフレスコ画で飾られています。

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トビリシを首都に定めたヴァフタング1世の銅像とメテヒ教会

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ロープウェイで上がったナリカラ要塞から眺めるトビリシの街並み

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ムツヘタに行く途中、世界遺産のジュワリ修道院を見学しました。聖ニノが木の十字架を立てた場所と伝えられています。

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教会内部には聖ニノの十字架があったという台座が残り、その上に十字架が建てられています

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教会の壁のレリーフも素晴らしい

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教会からは美しい景色が広がっています。水の色が違う二つの川が交わっています。

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11世紀のスヴェティツホヴェリ大聖堂。ここも世界遺産で、ジョージア正教会の総本山でした。

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この大聖堂にはキリストの聖骸布があったと言われていて、その場所には美しい柱が建てられています。

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聖堂内では、ちょうどジョージア人カップルの結婚式が行われていました。男性は民族衣装を着ています。

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聖ニノが住んでいたと言われるサムタヴロ教会。ここも世界遺産です。

トビリシに戻ってから、私は20年来の大切なジョージア人の友人に会いに行きました。22年前の彼との偶然の出会いがきっかけで、私は急遽アルメニアを訪れることになりました。そして、13年前に日本語を教えにアルメニアに行き、そのまま住み続けています。つまり、彼は私の人生を大きく変えた人なのです。22年前の彼との出会いやアルメニアに至る経緯については、過去の記事をご覧ください(こちら)

友人の家のドアをノックすると、友人と奥さんが嬉しそうにドアを開けてハグしてきました。彼らとも2年9か月ぶりの再会。久しぶりに会えて、私も本当に嬉しかったです。22年前に偶然出会った彼らと、今も変わらぬ友情と交流が続いていることに心が温かくなりました。再会を祝って自家製ワインで乾杯しました。ただ、今回は予定が詰まっていて、1時間ほどしか一緒にいられませんでした。友人と奥さんは、私の家族とも会いたがっていたので、次回はゆっくり訪問したいと思います。

それから、JICAのトビリシ事務所の方々と夕食しました。その一人は、昨年からJICA事務所に勤めているジョージア人の友人。彼は元々同じ日本語教師で、13年前に会ってからずっと仲良くしています。今回は、私と鮄川さんのために、いろいろと手配してくれました。彼とは昨年10月にアルメニアで会って以来で、久しぶりの再会を喜び合いました。食事したレストランは、ジョージア料理を現代風にアレンジしたもので、どれもすごく美味しかったです。さすがジョージアだけあって、飲んだワインもめっちゃ美味!とても楽しい夕食会となりました。

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私の人生を変えた大切な友人と奥さん。久しぶりの再会を祝って乾杯!

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JICA事務所の森所長と友人のコテさんと夕食

翌日は、そのJICAの方々にお誘いを受けて、カヘティ地方を訪問しました。トビリシの日本大使館に務めるジョージア人の方の田舎があり、そこでワインを作っているそうで、ブドウの収穫をお祝いする機会に同席させてもらうことになったのです。カヘティは、ジョージアで最もワイン作りが盛んなところで、ここは私も初訪問でした。

前日と打って変わって、朝から雲ひとつない青空が広がる気持ちのいい天気でした。その日はトビリシマラソンが開催されるため、けっこう街中は渋滞していましたが、郊外に出ると、のどかな自然の風景が広がっていました。厳しいアルメニアの自然と違って、緑豊かで穏やかな丘陵地帯が続きます。自然が大好きな鮄川さんも、車からの景色を楽しんでいました。

トビリシから東へ3時間ほど走ると、美しいシグナギの街が見えてきました。アルザニ谷を一望できる丘の上にある城壁に囲まれた小さな町です。シグナギの街全体を見渡せる場所に止まって写真を撮りましたが、まるでイタリアのトスカーナ地方みたいで、とても美しかったです。周りの広々した平地と、その向こうに連なるコーカサス山脈の景色も息を呑む素晴らしさ!

そこからシグナギへ向かう山道の途中に、ジップラインがあって、谷を渡って一気に街まで行けるとのこと。それを聞いた鮄川さんが「やってみたい!」と言うので、私もすることになりました…まず鮄川さんがジップラインで出発!あっという間に小さくなって、向こう側に行ってしまいました。それから私も出発!思ったほど怖くはなく、気持ちがいいぐらい。でも、到着場所で受け止めてくれる男性二人が、ギリギリまで何もしなさそうな感じで突っ立ってるから、「エーッ!このままだと壁に激突するやん?!」と一瞬焦りました。もちろんちゃんと受け止めてくれたけど、最後だけ怖かった…

それからシグナギの街を散策しましたが、もうめちゃくちゃ良かった!街も小ぢんまりして美しいし、城壁から広がる景色も最高でした。遠くまで平坦な土地が広がっている場所はアルメニアはありませんから、全く異なる自然に感動しました。鮄川さんも、「ジョージアもいいですね!」と言っていました。

その後は、シグナギの民族博物館を見学しました。この辺りもかなり古い人類の歴史がある地域で、アルメニアと同じように紀元前の青銅器や鉄器、陶器などの貴重な発掘品が展示されていました。博物館の二階は美術館になっていて、同地出身の有名なジョージア人画家ピロスマニの作品が展示されていました。彼はジョージアを放浪しながら、市民の生活や動物を描き続けた画家で、私も彼の独特のタッチは大好きです。ちなみに、彼はあの「百万本のバラ」の歌のモデルでもあります。

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美しいシグナギの街。ここは是非また泊まりがけで訪れたいと思います。

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ジップラインに挑戦する鮄川さん

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私たちの後にジップラインで谷を渡ってくる旅行者。最後は焦ったけど、気持ちよかったです。

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街を囲む城壁からは雄大な景色が広がっています

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城壁に登る鮄川さん。天気もよくて最高!

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博物館の中は写真撮影禁止でしたが、窓からシグナギの街が見渡せます

シグナギを後にして、ワイン作りをしているという方の村に向かいました。お宅に到着すると、みんなは初対面の私と鮄川さんを温かく迎えてくれました。ブドウを発酵させる地面に埋められたクヴェヴリという瓶を見せてくれたり、昔は使っていたというブドウを足で踏んで潰す道具などを見せてくれました。そこの息子さんは4年間エレバンのロシア大学に通っていたらしく、アルメニア語が話せたので、彼とは会話が盛り上がりました。

みんなが揃ったところで、ブドウから果汁を絞る作業を見せてくれました。昔は足で踏んでいましたが、今は機械を使います。そっちの方が圧倒的に早くて楽ですからね。ブドウを一杯詰めた袋から機械に入れていくと、不要な枝などは分離されて、ブドウの実だけ潰して果汁がホースに流れていきます。現代的な作業ですが、初めてだったから見応えありました。

私と鮄川さんもブドウを機械に入れるのを手伝ってみましたが、その袋がめっちゃ重い!なのに、一人のジョージア人の男性がずっと休まずにその作業をやっていました。力があるだけあって、すごく逞しかったですね。全てのブドウの果汁を絞り終わったら、みんなで拍手しました。貴重なものを見れてよかったです。鮄川さんも喜んでいました。

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ブドウを発酵させるジョージア伝統のクヴェヴリという瓶。これで1トン以上のワインができるそうです。

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収穫したブドウの果汁を絞る作業。ブドウの入った袋はめっちゃ重いのに、左の男性は一人で次々と持ち上げて機械に入れていました。

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私と鮄川さんも少しお手伝いしました。貴重な経験でした。

それから、お待ちかねの宴会!美味しそうな家庭料理と自家製ワインが並んだテーブルに座って、宴会を仕切る男性がスピーチした後、ブドウの収穫を祝って乾杯しました。この宴会を仕切る人をタマダと呼ぶのですが、アルメニアを含むコーカサス地域にある習慣です。しかし、ジョージアが発祥らしく、そのルールがけっこう厳しい…タマダの許可なく、席を立ったり、乾杯のスピーチをしてはいけません。もしタマダの許可を得てスピーチしても、その前にタマダが話したテーマとずれているとルール違反。違反した場合は、ワインを一気に飲みしないといけないんだとか…

私は二回ルール違反してしまったので、その都度ワインを一気飲みしました。でも、私の豪快な飲みっぷりを見て、みんな手を叩いて大盛り上がり。たとえ言葉が通じなくても、こうやって一緒に食べたり飲んだりすれば、心はどこか通じ合えます。そのためだったら、少々キツくても飲んだ方がいい!まあ、とにかくお酒が好きってのもありますけどね。

手作りのBBQやヒンカリも美味しかったし、すごく楽しい宴会となりました。何度も訪問している私は、改めてジョージア人の人懐こさや優しさを実感しました。そして、初訪問だった鮄川さんにとって思い出深い体験となりました。ちょっと飲みすぎて、私は帰りの車中でずっと爆睡していましたが…

トビリシに戻って、お世話になったJICAの方々とお別れしました。今回は急な訪問だったにも関わらず、夕食に誘って下さったり、カヘティ地方を案内して下さって本当に感謝です。お陰さまで素晴らしいジョージア滞在となりました。ありがとうございました!またお会いできればと思います。

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立って話している人がこの宴会のタマダ

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美味しい料理とワインで盛り上がりました。二回も一気飲みして酔っ払いましたが、とても楽しかったです!

鮄川さんはその日の深夜のフライトでヨーロッパに行きましたが、「すごく楽しかった!また一緒にジョージアに来たい!」と言っていました。素敵な初訪問になったようで、本当によかったです。私も久しぶりにジョージアに来れて、友人たちに再会したり、カヘティを訪問したりと楽しい時間を過ごすことができました。そんな機会を作ってくれた鮄川さんに感謝です。ありがとうございました!また一緒にジョージアに行きましょう!

私は翌日お昼のフライトでエレバンに戻りましたが、行きと同じく乗客はロシア人ばかりでした。あっという間に着いたエレバンはきれいに晴れ渡って、アララト山の姿がはっきり見えました。たった三日間しか離れていなかったのに、その景色を見たら、心底ホッとしました。妻と子供たちに会ったら、さらに安堵しました。ジョージアも大好きだけど、やはりここが私の帰る場所…とにかく、素晴らしいジョージア旅行になりました。出会った全ての人たちに感謝しています。

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エレバンに着くと、美しいアララト山が迎えてくれました。やっぱりここがホッとします。

トビリシから謹賀新年! 

新年あけましておめでとうございます!2020年最初のブログ更新です。

日本はゴーン被告の国外逃亡で大騒ぎのようですが、私は家族とジョージアの首都トビリシでのんびり過ごしています。年もここで越しました。大晦日の31日はジョージア料理を食べたり、旧市街を散策したりしました。夜はエレバンから持参したそばで、年越しそばを作って食べました。

そして、年が変わる少し前に外出して自由広場に向かうと、すでに一般の人たちがバンバン花火を上げていました。たまにすぐ頭上で炸裂するからビックリします。状況の分からない次男のレオは泣き始めてしまいましたが、確かにちょっとこれは怖いかも…

2020年になった瞬間は、さらに多くの花火が何発も打ち上げられてものすごい迫力でした。私は衝撃がビリビリ響くぐらいの花火が大好きなので、これはとても楽しかったです。アレンは耳を押さえて、レオは号泣していましたが…隣にいたジョージア人の男性が、「おめでとう!」と言ってシャンパンを分けてくれました。なんともおめでたい!

花火が落ち着いたところで、アパートに戻ると、出かける際に私がこっそり置いたプレゼントを子供たちが見つけて、「ここにもサンタが来たー!」と大喜び。実はエレバンでプレゼントを買って、バレないように持って来ていたんです。アルメニアでは年越しにプレゼントを渡すのが習慣になっているし、サンタに国境は関係ありませんからね。

アレンがいつまでサンタのことを信じるのか分かりませんが、今はこうやって驚かせて喜ばせてあげたいと思います。二人とも欲しかったおもちゃを貰って嬉しそうでした。親として年越しの最重要ミッションは無事に完了しました

その後は、新年の健康と幸せを祈りつつ、妻とジョージアワインで乾杯しました。異国の地でささやかに家族だけのお祝いですが、アルメニアのお正月に疲れていたので、とても新鮮でステキな年越しでした。妻も、「これぐらいがちょうどいい」と嬉しそうでしたね。

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エレバンからトビリシまでは6時間の移動。同じようにトビリシで新年を過ごすアルメニア人が多くてイミグレは混んでいました。疲れましたが、途中のセバン湖の景色はきれいでした。

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トビリシ中心部もイルミネーションで華やかに飾られていました。

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到着した日に夕食を食べたレストランではジョージア音楽の演奏がありました。アルメニア音楽と全く違って面白い!

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ジョージア名物ヒンカリを上手に食べるアレン。やっぱり本場のは美味しい!

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例年通りちゃんと年越しそばを作って食べました。和食が大好きな息子たちはすぐに平らげました。

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新年を迎える瞬間、トビリシ中心部の自由広場では盛大に花火が打ち上げられました!あけましておめでとう!

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サンタからのプレゼントに大喜びする息子たち。その笑顔を見て、私と妻も嬉しかったです。

元旦はのんびり旧市街を散策して、途中アルメニア教会に寄ってお祈りしました。アルメニア語が通じるのでホッとします。というか、この時期のトビリシはアルメニア人だらけで、道でもレストランでも至るところでアルメニア語が聞こえてきます。アルメニア国内のリゾート地が高額すぎて、私たちと同じようにここに来ているのでしょう。

そして昨日は、私の大切な友人家族と久しぶりに再会しました。私がアルメニアに関わることになった大きなきっかけは、20年前の彼らとの出会い。それについては過去の記事をどうぞご覧ください(該当記事)

私と友人は同じ誕生日で、20年前に一緒にお祝いしました。当時は私は26歳、彼は46歳でしたが、私は今年46歳になります。あの時の友人と同じ年齢になるのかと思うと、時の早さに驚くと同時に感慨深いです。そして、この20年を振り返ると、彼との偶然の出会いがまさに自分の運命を変えたのだなと不思議な気持ちになります。人生というのは本当にからくりに満ちていて面白いですね…

友人家族は、まだ生まれて半年の頃のアレンには会ったことがあって、その大きくなった姿を見て驚いていました。次男のレオは初対面で、自分たちの孫のように可愛がってくれました。こうやって私がアルメニア人と結婚して家族を築いているのも、彼らと出会えたからこそ。その大切な友人たちに自分の家族を紹介できたのは幸せなことです。

彼らと久々の再会を心から喜び合い、一緒に楽しい時間を過ごすことができました。そして、20年経ってもこの温かい繋がりが続いていることに胸が一杯になりました。ちなみに、ジョージアでは1月2日は「運命の日」と呼ばれ、新たな一年はその日に過ごしたようになると言われているそうです。ということは、まさにその日に素晴らしい再会を果たしたから、2020年も幸せな一年になるはず!

皆さんにとっても、今年が幸せに満ちた一年になりますように!今年もどうぞよろしくお願いします!

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滞在したアパートはトビリシ旧市街にあるので、出てすぐの通りも昔の面影が色濃く残っています。

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トビリシは温泉でも有名な街で、中心部には銭湯やサウナがあります。

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アルメニア教会で新年のお祈り。何だか落ち着きます。ここだけでなく、この時期のトビリシはアルメニア人だらけ。

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大切な友人家族と久しぶりの再会!お互い本当に嬉しかったです。

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私の人生を大きく変えた友人と息子たち。年明け早々に心温まるステキな時間を過ごせました。

グルジアから戻りました 

昨日グルジアから戻りました。小さい子供を連れての旅行は疲れますね。家に着いた時は、私も妻もくたくた…息子は意外に元気でしたが、やっぱり昨晩はぐっすりと眠っていました。アレン、本当にお疲れ様!

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疲れて、ぐっすり眠るアレン。きっといい夢を見ていることでしょう。

グルジアの首都トビリシには5日間滞在しました。街中心部のアパートを借りましたが、部屋も良かったし、オーナーも親切な家族で快適に過ごせました。毎日ハマムに行ったり、家族と散歩したり、友人に会ったりして、とても楽しい日々でした。それに日中は20℃以上あって、冬とは思えないほど暖かったです。

グルジアは10回以上訪問していますが、いつ行っても楽しいです。アルメニアと同じ旧ソ連なので雰囲気は似ています。でも、どこか異国情緒があって飽きません。まず言葉が全く違いますし、食事はもっとスパイシーで美味しいです。すぐ隣の地続きの国なのに、いろいろ違うところが面白い!

しかし、大好きな友人たちがいることが一番大きいですね。みんな今回も再会をとても喜んでくれたし、アレンを可愛がってくれました。小さい時にいろんな人に囲まれて愛されるって、子供にとって何より大切なことかもしれません。アレンも、すごく楽しそうにしていました。

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グルジアへ向かう途中、セヴァン湖で少し休憩しました。きれいな景色にアレンも嬉しそう!

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15年来の友人家族と再会。彼らとの出会いは、私の人生を変えました。詳しくは過去の記事(こちら)をどうぞご覧下さい。

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日本語教師の友人たちと会食。いつも素敵なレストランに連れて行ってくれます。

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以前、大学で日本語を勉強していた学生と再会。

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日本人・グルジア人ご夫妻との会食。もうすぐ二歳になる息子さんの将太君が可愛らしい。

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別れ際にアレンが将太君にキス。将太君はちょっと嫌がっているような…でも、子供同士の触れ合いって、見ていて心が和みます。

帰路の途中、ハグパットというアルメニアの村に寄りました。世界遺産にも登録されているハグパット修道院がある村で、ここに15年来の友人家族が住んでいるので、グルジアに行くときはいつも訪問しています。今回も行ったら、ロシアで働いている息子さんも里帰りしていました。2年ぶりの再会!短い間でしたが、楽しい時間を過ごしました。

今回はグルジアの日本大使館に用事があって訪問しましたが、グルジアとハグパット村ではいつも素敵な思い出ができるので、毎年遊びに行きたいですね。

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15年来のハグパット村の友人家族。いつも家族のように迎えてくれます。15年前の彼らとの出会いについても、過去の記事(こちら)をどうぞご覧ください。

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世界遺産のハグパット修道院で、妻のジャケットを着て遊ぶアレン。何だか神父か牧師みたいですね。

話は変わりますが、イスラム国に拘束されていた邦人とヨルダン人が殺害されました…とても痛ましい事件です。亡くなった後藤さんは、戦地で生きる無辜の人たちの姿を必死に伝えようとしたジャーナリスト。ご冥福を祈ります。今回の事件については、個人的にいろいろ思うことがあって、また機会があればブログに書くつもりです。

グルジアでの運命の出会い 

明日4月24日は、アルメニア人虐殺記念日です。ちょうど今来られている日本の方と一緒に記念碑に行ってこようかと思っています。

さて先月初め、長男の日本パスポート取得のためグルジアに行ってきた時に、私の夢というか願望が一つ叶ったと書きました。それは、大切な友人に自分の家族を紹介すること。なぜそれが私にとって夢だったかは長くなるのでまた後日…と終わってそのままになっていました。長くなりますが、今日はその話を書きたいと思います。

15年前、私は勤めていた会社を辞め、バックパック一つ背負って長期旅行に出ました。まず船で中国に渡り、そこから西へ西へと陸路でユーラシア大陸を横断、出発から約1年後にトルコに辿り着きました。そして、当時かなりマイナーだったグルジアに入国しました。

少ない情報を頼りに宿を見つけ、首都トビリシやその近郊を観光しました。特に気に入ったのは、昔の面影が残るトビリシ旧市街とハマム。久々に湯船に浸かれるのが嬉しくて、ほぼ毎日ハマムに行き、温まった体で旧市街をぶらぶら散策しました。

ある日、公園のベンチに座ってボーッとしていたら、隣のベンチにいた家族連れの男性に声を掛けられました。けっこう年上の彼は意外にも英語ができて、いろいろ話していると、「すぐそこが僕らのアパートなんだけど、コーヒーでも飲みに来ないか」と誘われました。まあ家族連れだし大丈夫だろうと、お誘いに甘えることにしました。

彼の家で何気なく日本のパスポートを見せたら、なんと私と彼は同じ誕生日ということが分かりました。ちょうど誕生日の1ヶ月ほど前だったので、「来月一緒に誕生日を祝おう!」と盛り上がりましたが、当時グルジアのビザはたったの2週間…ウーン、残念だけど無理だなと諦めました。

しかし、偶然仲良くなったグルジア人が自分と同じ誕生日ということに何か運命的なものを感じました。そして、その後も毎日のように家に誘われて、彼らと飲んだり食べたりして楽しく過ごしていると、「せっかくだから一緒に誕生日を祝えないか」と真剣に考えるようになりました。そこで思いついたのがアルメニア旅行!

実は当初、私はアルメニアには全く行くつもりはなかったんですが、そのグルジア人の友人と誕生日を祝いたい一心で、ビザ再取得と時間潰しのために急遽予定を変更したのです。まさか、そんな経緯で訪れたアルメニアに将来住むことになろうとは思いもしませんでした…アルメニアでの出来事は過去の記事をご覧ください。(こちら)

それはさておき、アルメニアからグルジアに戻り、無事に私の26歳と友人の46歳の誕生日を共に祝うことができました。彼の家族や友人たちも参加して、一生忘れられない素晴らしい誕生日パーティーとなりました。当時無職だった彼は時間を持て余す日々を送っていたので、私という外国人と過ごすのが楽しいのか、その後もほぼ毎日家に誘ってくれました。

私も、彼や彼の家族と一緒にいると、自然と心が温かくなりました。彼の家族は奥さんと、再婚だった奥さんの連れ子、そして二人の間に生まれた赤ちゃん。生まれたばかりの赤ちゃんを、「この子は俺の全てだ。宝物だ!」と抱きしめて可愛がる彼の姿は見ているだけで幸せな気持ちになりましたが、同時にそんな自分に戸惑いました。

というのも、当時の私は結婚や家庭というものに対して否定的だったのです。理由については詳しく書きませんが、若者によくありがちな「別に結婚なんかしなくてもいい」という類のものではなく、「結婚して家庭を持っても不幸になるだけだ」という、もっと根が深く後ろ向きな考えを子供の頃から頑なに持っていました。

しかし旅先で、貧しいながらも互いに寄り添いあって暮らす家族の姿を見るたびに、どこか心が揺さぶられました。そのグルジアの家族と過ごしている時も、自分の中で確実に変化が起こっているのを感じ、彼の家から宿に帰る途中、いつも何か胸の奥から込み上げてくるものがありました。

トビリシを去る前日の晩、彼は地下鉄駅まで見送ってくれたのですが、その時ふと空を見上げて言いました。「独立してからグルジアはとても貧しくなった。俺のように仕事を失った人間がたくさんいる。でも、やっぱり独立して良かったと思う。ここには俺たちグルジア人の文化や歴史がある。生活は苦しいけど、いつも神様が見守ってくれている。何より、自分には支えてくれる大切な家族がいる」

この言葉を聞いた瞬間、涙が一気に溢れました。自分が旅で何かを探していたとしたら、人間として当たり前の愛情や繋がりだったんじゃないかと気付いたのです。そして、自分も彼のように結婚して家庭を持ちたいと自然に思えるようになりました。彼との出会いは、私の価値観や人生観を大きく変えました。

そんな家族の大切さを教えてくれた友人には、きっといつか自分の家族を紹介して、私も夫となり父となったことを直接伝えたいと思ってきました。まさか隣国のアルメニアの女性と結婚するとは想像もしませんでしたが、今年やっとその夢が叶いました。彼と彼の家族も本当に心から喜んでくれて、長男を可愛がってくれました。その光景を見ていると、初めて出会った時のことが思い出されて、何だか泣けてきました。

この家族との運命的な出会いがなければ、アルメニアに住むことも、結婚して家庭を持つこともなかったかもしれません。彼らとの出会いに心から感謝したいと思います。

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15年前、偶然声をかけられた時の写真。赤ちゃんは生後たった2ヶ月でした。

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8年前にグルジアを再訪した時の写真。子供は7歳の可愛いらしい女の子に成長していました。

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2年半前、結婚直後に妻と訪問した時の写真。妻のことも気に入ってくれて(互いに旧ソ連圏で問題なくロシア語で会話できるのです)、私の結婚を祝福してくれました。

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そして、先月家族と訪れた時の写真。この15年間お互い人生でいろんなことがありましたが、ついに自分の家族を紹介することができました。本当に嬉しかったです。