米上院がアルメニア人虐殺の認定決議を取り下げ 

朝晩はマイナス3℃ぐらいまで冷え込んで寒いです。週末からはさらに寒さが厳しくなるみたい…もう秋は終わって冬ですね。寒い時期に暖かい、というか暑い南国のフィリピンに行くのは楽しみですが、急激な気候の変化で体調を崩さないようにしないと。

ちなみに、フィリピンから帰るときはドバイに2泊する予定です。元々の乗り継ぎがとても悪く、10時間以上も夜の空港で過ごさないといけないため、妻や子供たちが可哀想…ということで、観光も兼ねて滞在することにしたのです。妻もドバイのビザを取得しました。アルメニア人はどこに行くにもビザが必要なので大変です。

実は、そのドバイで大好きな人と1年ぶりの再会が実現するかもしれませんでした。それは、今日本にいる友人で息子たちのゴッドマザーである聖美さん。フィリピンは事情があって行けないからと、私たちに会いにわざわざドバイまで行こうとしてくれたんです。結局それも都合が悪くなってダメでしたが、たった2日会うためにドバイ行きを真剣に検討してくれただけでも本当に嬉しかったです。快く承諾してくれたご主人も相変わらず寛大だし、やっぱり素敵なお二人です。

さて、先月末に米下院がオスマン帝国の「アルメニア人虐殺」を認定したというニュースは、当ブログでも書きました(こちら)。このニュースに世界中のアルメニア人が歓喜しましたが、先週末、米上院法務委員会のリンゼー・グラム委員長がトルコのエルドアン大統領との会談後に、アルメニア人虐殺の事実を認定する同決議案の検討を停止する発表を行いました

先週トルコのエルドアン大統領が米国を訪問して、トランプ大統領との会談、さらには異例ともいえる共和党の上院議員との意見交換を行い、米下院の決議採択に対して改めて抗議しました。そのような事情もあり、グラム委員長は、「トルコとアルメニアが共にこの問題を解決できる日が来ることを期待したい」と述べて、法案の投票に反対しました。ちなみに、上院議員が反対の見解を表明して上院で実施される法案の投票を阻止できます。

米下院の歴史的可決に歓喜したのも束の間、このニュースに落胆したアルメニア人も多かったでしょう…まあ、トルコとの同盟関係がありますから、上院でも可決されてトランプ大統領が署名するという展開は難しいだろうと個人的には思っていましたが、やはり現実は厳しいですね。

しかし、米下院がアルメニア人虐殺の認定法案を賛成多数で可決したことは意義のある出来事だったと思います。こういったニュースを通して、日本でもアルメニア人の苦難の歴史、悲惨な過去の事件への関心が高まればいいですね

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昨日の朝起きたら、アレンとレオが兄弟仲良く並んで絵を描いていました。可愛い!

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自分の作品を嬉しそうに見せるレオ。「それ何?」って聞いたら、いつもの如く「知らない…」。でも、あとでクラゲやタコを描いたと言っていました。

米下院が「アルメニア人虐殺」を認定 

天気はいいですが、朝晩の気温は10℃を下回っています。家の中も寒く感じることがあるので、子供たちが風邪など引かないよう、セントラルヒーティングを付け始めました。今週は学校などが秋休みで、アレンもレオもずっと家にいるのです。

昨日は首里城の火災のニュースが飛び込んできて驚きました。中心的な建物が全焼して、琉球のシンボルが失われました。まだ出火原因などは特定できていないようですが、地元の人たちのショックは計り知れないでしょう…

あと、東京五輪のマラソン競技を札幌で開催する案が浮上して揉めていますね。もともと五輪招致委員会が、「東京の夏は温暖で理想的な気候」なんて嘘をついたもんだから、今になって混乱する羽目に…また、「世界一カネのかからないオリンピック」と謳っていたくせに、開催総費用は当初の8000億円を大幅に超えて、ほぼ北京五輪に匹敵する3兆円!呆れて何も言えません…

先週末は、ニューヨーク在住のアメリカ人指揮者の著書の出版記念パーティーがあり、日本語訳をした私と妻も参加してきました。日本で出版されるかどうかは分かりませんが、その指揮者から、「日本でも出版できるよう翻訳してほしい」と依頼を受けたので、妻が翻訳、私が校正を行って、先月末に終わらせました。

ベートーヴェンやワーグナーなど有名な作曲家の生涯や人間性、また彼らが生きた時代背景などを深く分析し、それぞれの作品に込められたテーマやメッセージを解説したもので、音楽が大好きな私にはとても興味深い内容でした。読後は、聴き慣れた名曲からまた違った発見や印象を受けます。日本でも出版されたら嬉しいですね。

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エレバン市内の老舗のジャズバーで出版発表を行うヴァルダン・ハコピャン氏。有名なアルメニア人指揮者だそうで、このジャズバーの創設者の一人だそうです。

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今回の著書のアルメニア語版。英語とロシア語、日本語訳もあり、彼は大好きな日本での出版を希望しています。面白い内容なので、実現したらいいですね!

さて一昨日、アルメニア人にとって歴史的なニュースがありました。記事タイトルにもあるように、米下院がオスマン帝国の「アルメニア人虐殺」を認定したのです。アルメニア人のジェノサイド(集団殺害)を事実として認める決議案が賛成405、反対11で可決されると、議場に歓声と拍手が湧き起こったそうです。世界中のアルメニア人たちも同じ気持ちだったでしょう。

オスマン帝国の「アルメニア人虐殺」を認定、米下院が歴史的可決

これまでは、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるトルコとの関係に配慮して、同様の決議案の採択は見送られてきました。今回可決に至ったのは、シリア北部でクルド人勢力への越境攻撃を行ったトルコに対する批判が議会内で高まったことが背景にあるようです。米下院は、その軍事行動に関与した政府高官や軍幹部らにトルコに制裁を科す法案も可決しました。

もちろんトルコ政府は今回の件に対して猛反発しています。即座にエルドアン大統領は、「意味のない政治的措置だ」と抗議し、「米国とトルコの関係に悪影響が及ぶ恐れがある」と警告しました。ロシアの地対空ミサイルシステム導入などを巡ってギクシャクしている両国関係がさらに悪化しそうです。

前回の記事に少し書きましたが、中東地域の覇権は今後ロシアが持つ可能性が高いと個人的に思っているので、トルコは今回の件で米国と距離を置き、一層ロシアとの関係を強化するのではないでしょうか。ただ、そんなことは米政府も想定していたはずですから、当事国間では予め計画された流れかもしれません。

とにかく、米議会があの虐殺をジェノサイドと認めたことは、世界中のアルメニア人にとって画期的な出来事には違いありません。実際に現地のニュースやフェイスブックなどは、昨日からこの話題で盛り上がっています。悲惨な歴史を決して風化させてはいけないというアルメニア人の思い…それを改めて強く感じました。

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毎年4月24日の記念日に花で埋まるアルメニア人虐殺記念碑。私も毎年訪れて献花しています。

アルメニアに格安航空会社が参入! 

天皇陛下の即位の礼が厳かに行われましたね。世界各国の要人が参加しましたが、アルメニアからもサルグシャン大統領夫妻が訪日しました。サルグシャン大統領は安倍首相とも会談を行ったようです。

米軍が撤退したシリア北部では、トルコが軍事作戦を展開して多くの犠牲者が出ています。アルメニアでは、この軍事作戦をトルコによる新たな虐殺行為として非難する声が高まっています。ロシアが仲介に入って事態は落ち着いてきていますが、これで中東でのロシアの影響力は一層強化されるでしょう。この結果は米国も予想していたはずですから、恐らく当事国間では事前に合意が成立していたと思います。

その中東のイラクでは、少数民族のヤズディ教徒が異教徒として長年迫害を受けていますが、その人権擁護に尽力している活動家ミルザ・ディナイ氏が今年のオーロラ賞を受賞しました。これは人権の促進や擁護に多大な貢献をした人に贈られる賞のことで、オーロラ・マルディガニアンというアルメニア人虐殺を生き延びた女性の名前から付けられており、授賞式は毎年10月にエレバンで行われています。

あと、個人的にとても嬉しいニュースがありました。欧州最大の格安航空会社ライアンエアーがアルメニアに参入を決定!来年からエレバンとローマ、ミラノ、ベルリン間を結び、チケットは片道30ユーロぐらいからだそうです。これでアルメニアから欧州にかなり行きやすくなります。今までアルメニア発の航空券は高かったですからね…

ちなみに私はこのライアンエアーを昔使ったことがあり、例えばロンドンからデンマークまでたったの15ユーロと激安だった記憶があります。来年からは、週末ちょっとドイツに行ってくるなんてことができるかもしれません。ただ、これは私が日本人だから可能なわけで、ヨーロッパに入るのにビザが必要なアルメニア人はそう簡単にはいきません。

特にEUのシェンゲンビザの取得は大変だそうで、いくら航空券が安くなかったからといっても、アルメニア人にとってヨーロッパ旅行はまだまだ敷居が高いように感じます。せっかく安く飛べるようになるので、ビザ不要にするか、少なくともビザの取得要件を大幅に緩和してほしいものです。そうなった時には、妻や子供たちとヨーロッパ旅行にでも行ってみたいですね

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記事とは関係ないですが、最近ピアノに興味を持ち始めたアレン。楽譜のつもりか、紙や本を譜面台に置いて弾いています。適当なのに、なぜかちゃんと曲に聞こえる時があって不思議…

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そんなアレンの姿を見て真似をするレオ。キリル文字のカードを譜面台に置いて弾いています。

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またレオは、アンパンマンの絵本を見ながら自分で作ったストーリーを話したりします。何を言っているのかよく分からないけど可愛らしい!

改善されないエレバンのゴミ問題… 

朝晩は涼しくて過ごしやすいんですが、日中はかなり暑い!ここ数日は仕事で外出することが多く、この暑さでちょっとバテ気味…天気予報によると、来週も最高気温は軒並み40℃近くとなっています。今月末には「ヴァルダヴァル」という水かけ祭が行われますが、この暑さが続くと盛り上がるでしょうね。

逆に日本は気温が上がっておらず、冷夏になるかもという予想さえ出ていますね。梅雨で日照時間が短いせいだそうですが、涼しいのは羨ましい…まあ、日本と違ってアルメニアは乾燥しているし、暑いとビールが美味いので、これはこれで楽しまないと!

もうすぐ参議院選挙が行われますが、私も先日、ここの日本大使館に行って在外投票をしてきました。選挙は、有権者が直接政治に参加できる貴重な機会であり、大切な国民の権利ですからね。

さて、一昨日はエレバン市役所前で、市民によるデモがあったそうです。ゴミ回収が適切に行われていないことに抗議するためにだったそうで、今月に入って2回目のデモです。今回は、市役所の建物内にゴミを運ぼうとした参加者もいて警察沙汰になったようです。

ちょっと乱暴なデモでしたけど、市民の強い不満や怒りも分かります。この問題については当ブログでも数か月前に書いたことがありますが(こちら)、その後も状況はほとんど変わらず、いまだに集積所はどこもゴミの山…暑い夏の季節だと、その周辺は臭いし大変です。

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近所のゴミ集積所。いつもこんな感じで、エレバン市内で同じような光景を頻繁に見かけます。ひどいですよね…

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ゴミで歩道がふさがれています。いくらなんでもひど過ぎ…アルメニアは分別がないから、けっこうすぐに集積所にゴミが溜まります。

市と契約しているサニテックという清掃業者は何度か罰金を科せられましたが、彼らは逆に、「市が支援してくれないため、ゴミ収集車や従業員が不足して十分に業務を果たせない!」と反論しています。そのため、アルメニア政府はゴミ収集車を増やすための資金を市に割り当てました。それでも状況に改善が見られないなら他の業者との契約も検討すると、市役所は述べています。

このサニテックは、前市長時代の入札によって選ばれたレバノンの会社なんですが、革命後に刷新された今の新しい市役所の上層部は、当時の入札は不正なものだったのではないか…と疑っています。つまり、収賄がまかり通って公正に業者が選ばれなかったのではないかと考えているのです。一国の首都の清掃ビジネスは巨額のお金が動く大きなプロジェクトで、まして革命前のことですから、その可能性は十分あり得ます。

何だか政治問題に発展しつつもありますが、とにかく集積所にゴミがあふれた今の状況はひどすぎて、市民はガマンの限界に達しています。一番大切なのは、ゴミが適切に回収されて街が清潔に保たれること。まだまだ暑い季節は続きますから、なるべく早くこの問題が改善されてほしいと思います。

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アレンの空手の練習にレオも参加。一緒に腹筋を鍛えました。

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子供たちのためにも、街の衛生環境が早く改善されてほしいと願います。

アルメニアが18歳までの医療費を無料化?! 

日中は40℃近くになって暑い!やっぱりアルメニアの夏は暑いです。ただ乾燥しているため、日が沈むと心地のよい風が吹いて過ごしやすいんですよね。蒸し暑い日本よりずっといいかもしれません。

大坂でG20サミットが開催されていますね。来日している各国首脳の中でも、注目を集めるのはトランプ大統領。いつもように安倍首相は親密さをアピールしていますが、逆にトランプ氏はサミット直前に日米安保に不満を述べて話題になりました。私にすると、「今さら何を大騒ぎしてんねん?!」という感じです。

就任当時からトランプ大統領は、米軍の海外駐留は公金の無駄遣いだと批判的でした。特に日本に対しては、米軍駐留のためにさらなる負担増を求める発言を繰り返しています。思いやり予算と呼ばれる「在日米軍関係経費」は8000億円以上に上り、すでに異常なほど負担しているのに、もっと出せ!とか武器を買え!と要求するところはトランプらしい。

それよりも、これだけ無茶苦茶なこと言われているのに、まともに相手に言い返せない日本政府の方が大丈夫でしょうか?「日米安保は片務的ではない!」と主張する相手は、国内のマスコミではなく米政府でしょう。先日の日米首脳会談でも、この件については触れなかったみたいですが、もし立場が逆だったら、アメリカ側は徹底的に追及していたと思います。強固な同盟関係をアピールしたいなら、まず対等な関係を築くよう努めるべきで、今のままだと従属関係と思われても仕方ありません。

さて、アルメニア政府はここ数日、とても重要な法案を閣議で承認しました。これから議会に提出して審議されますが、パシニャン首相が率いる政党連合が7割以上の議席を持っているので、ほぼ間違いなく賛成多数で可決されると思います。

その法案の内容とは、「法定最低賃金の引上げ」と「18歳までの医療費の無料化」。これらの法案が議会で承認されれば、最低賃金は、現在の55,000ドラム(約115ドル)から68,000ドラム(約142ドル)に引き上げられます。20%以上の大幅増です。もちろん142ドルでも生活するには全く足りませんが、政府がこういうイニシアティブを取ることは大切です。

そして、基本的に無料で医療を受けられる上限年齢が、現在の7歳から18歳に引き上げられるのはとても素晴らしいことです。私含めて子供がいる親にとっては本当に嬉しいニュース!病気やケガは7歳を過ぎてからもしますからね。子を持つ親として、この法案はなるべく早く承認されてほしいと願います。

革命が成功して首相に就任した際にパシニャン氏は、「アルメニアに普通の生活をもたらす!」と語りましたが、実際にその目標に向かって動いているようです。一方、日本は年金をはじめ従来の福祉制度が崩壊しかけています。時代の変化や深刻な少子高齢化に対して、この40年間ほとんど政府が手段を講じなかったことが主な原因…

小国のアルメニアが、市民生活の向上のため、そしてより良い未来のために抜本的な改革を進めているのですから、日本もこれ以上手遅れにならないよう大きく舵を切ってほしいと思います。

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友人がフィリピンから持って来てくれたドラゴンフルーツを食べるアレンとレオ。美味しかったそうです。

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医療費の負担が軽減されるのは、子供を安心して産み育てる上で本当に助かります。

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経済成長も大切ですが、もっと大切なのは、その恩恵が広く国民に行き渡るよう循環させること。親も子供も未来に希望が持てる社会にアルメニアが生まれ変わってほしいと思います。