世界最古の天文台ゾラツ・カレル 

今日7月5日はアルメニアの憲法記念日で祝日。憲法って国の根幹なのに、前大統領は恣意的に改憲して議院内閣制に政体変更しました。そして、それが今回の革命のきっかけになりました。自分の権力の維持を画策して行ったことが、結果的に自らを破滅に追い込むなんて皮肉なもんです…与党・共和党も急速に求心力を失い、離党議員が次々と出てきています。盛者必衰の理そのものですね。

しかし、ここ数日はめちゃくちゃ暑い!私の家は標高の高い地域にあるので、夕方以降は涼しくなるんですが、最近は夜でもけっこう暑い。そのせいか、一昨日は次男レオが夜中3時ぐらいに急に泣きながら起きてしまい、結局6時ぐらいまで寝てくれませんでした。騒ぐレオに長男アレンも起こされてしまい、かなり大変でした。特に妻は可哀そうだった…

8強が出そろって盛り上がるW杯ですが、日本は惜しくもベルギーに敗れてしまいましたね。「マジで勝って初の8強入りするんちゃうの?!」と期待しまくりの展開から、ロスタイムで逆転されてまさかの敗北…さすがベルギーは強かった。負けて悔しいけど、興奮しっぱなしの面白い試合でした。

ところで、その試合後にロッカールームを清掃し、ロシア語で「ありがとう」と書いたメモまで残していた日本の選手たちが世界中から称賛されています。あんな負け方をしたら、国によっては暴れたりする選手とかいるかもしれないのに素晴らしい!また、いつも観戦後に清掃して帰る日本のサポーターたちも話題になりましたね。残念な結果に終わりましたけど、良い意味で日本が世界の注目を集めた大会だったと思います

さて、先月は片岡さんたちとナゴルノ・カラバフ共和国とアルメニア南部をドライブ旅行したと書きました(過去記事:こちらこちら)。その最終日に世界最古の天文台にも立ち寄ったのですが、5年前にも行ったことがあるにも関わらず、まだ当ブログで紹介したことがなかったようです。てっきり書いたと思っていたら、どうも記事がないんですよね…なので、今回ご紹介したいと思います。

エレバンから約200km南東に、ゾラツ・カレル、またはカラフンジュと呼ばれる場所があります。何もない荒野に人工的に石が並べられていて、その石には様々な角度で穴が穿たれています。古代人がその穴から天体観測していたのではないかと言われており、なんと約7500年も前に遡る遺跡。あのイギリスのストーンヘンジより3500年も古い世界最古の天文台なんです!

アルメニアの歴史は本当に古く、他にも世界最古の教会や世界最古の革靴などがあります。特にこのゾラツ・カレルはまだまだ解明されていない謎が多く、すごくロマンを感じます。しかし、古代人が天体を把握するために用いていたことは分かっているようで、例えば、主要な石の配置は白鳥座の星の配置と一致しているそうです。すごいやん!

5年前に妻と初めて訪れましたが、古のパワーがまだ残っているのか、不思議な雰囲気のある場所でした。妻もとても気に入ったようで、「もっと長くここにいたいなあ…」なんて言っていました。近くにはアルメニアで最も美しいと言われるタテヴ修道院もありますし、時間があれば、ぜひ世界最古の天文台に足を運んでみてください!

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何もない荒野に石が人工的に並べられています。そして、石には穴が穿たれています。

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明らかに人工的なものですが、約7500年前って…やっぱりアルメニアの歴史はすごい!

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天体を把握するために、古代人はこの穴から空を観測していたそうです。

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5年前に一緒に訪問した妻も、その不思議な雰囲気に満ちた場所を気に入っていましたね。そういえば、この時アレンはすでに妻のお腹の中にいました。

アルメニアで初温泉 

また雨が降ったり止んだりの天気が続いて、かなり寒くなりました。そのせいで、妻や義母が風邪を引いてしまいました。小さな子供が二人いるので、この状況はけっこう大変…寒さが少しでも和らいでくれるといいんですけどね。

さて、先週の土曜日は、こちらに出張されている日本人の方々と温泉に行ってきました!私の妻と学生が日本語通訳を勤めていて(妻は今お休みしていますが)、その日は学生の車に乗って出かけました。温泉があるのは、セバン湖の近くにあるハンカヴァンという村。エレバンから車で約1時間半ほどの所にあります。

のんびりした田舎の風景を楽しみながら、また日本の支援で作ったというダムにも立ち寄りながら無事に温泉に到着。立派な施設などはなく、手作り感満載の温泉地で、その日は私たち以外誰もいませんでした。管理人のおじさんの案内で中に入ると、天然のお湯が流れていました。含鉄泉なので、水は少し茶色くて硫黄の匂いはしません。湯気が立っているのを見ると、「温泉だ!」と興奮します。

公衆浴場はなく、湯船が設置された掘っ立て小屋を借りるシステムでした。何人で借りても、1時間4000ドラム(8ドルちょっと)です。貸し切りの方が、水着をつけずにのんびり入れるからいいですね。アルメニア人は他人と素っ裸でお風呂に入るのに抵抗があるので、公衆浴場では水着着用です。

そこはレストランも兼ねているので、お酒や食事も頼みました。食事が来るまでの間に、まず一風呂!ということで湯船に入ると、あったかくて気持ちいい~ 本当に気持ちよくて思わず、「ハァ~・・・」と声が出てしまいます。日本人の方々も、「いつもシャワーだから、久々に湯船に浸かれて気持ちいい!」と仰っていました。やっぱり日本人は風呂ですね。

深いので立って入らなければならず、座ってのんびりできないのが少し残念でしたが、初めてアルメニアの温泉に入れて感無量でした。そう、実はアルメニアで温泉に入ったのは、これが初めてだったんです。もう少しエレバンの近くにあればいいんですけど…でも、また来たいなあと思いました。

その後も食事しながら、そしてお酒を飲みながら、温泉に何度か浸かりました。それほど熱くないので、のぼせる心配はありません。体をゆっくり温めるのにちょうどいい温度でしたね。日本人の方々も気に入られたようで、また来たいと仰っていました。

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白い湯気を立てて流れる温泉!ソ連時代から有名な保養地だそうです。

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飲みながら温泉に浸かれるなんて最高!とても気持ちよかったです。

その帰り道、酔い覚ましのためにセバン湖に寄りました。教会が建つ半島の丘に登ったんですが、風が冷たい上に吹きさらし状態なので、めちゃくちゃ寒かったです。酔いが覚めるどころか、頭がズキズキ痛くなるぐらい…人が少なく静かだし、景色も本当に素晴らしかったですけどね。しっかり防寒して行くなら、シーズンオフのセバン湖はいいかもしれません。

私は急遽この日帰り旅行に参加させて頂いたのですが、温泉も気持ちよかったし、美しい景色も見れたし、とても楽しい時間を過ごすことができました。誘って下さった日本人の方々、また連れて行ってくれた学生に感謝です。ありがとうございました!

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夏場は賑やかなセバン湖畔も、今は閑散としています。そりゃ、こんなに寒いんですからね…

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セバン教会の上空を飛行機が飛んでいきました。

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教会の扉の彫刻。いい具合に光が当たってきれいでした。

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寒かったですが、セバン湖の雄大な景色は素晴らしかったです。

アレニのワイン祭 

先週土曜は、日本人会メンバーや友人・知人、そして「いろは」日本文化センターの学生たちとアレニのワイン祭に行ってきました。私は去年行けずに悔しい思いをしたので、今年はそのリベンジを果たすことができました。

というのも、去年は祭の日がちょうど長男の出産予定日と重なってしまったのです。生まれる兆候はなかったので、妻も「行ってきたら?」と言ってくれたんですが、もし急に産気づいたりしたら…と考えると、やっぱり心配で泣く泣く断念しました。だって、妻がお産で苦しんでいる時にワイン飲んで酔っ払ってたなんて、一生嫌味を言われそうですからね。

結局その日は何事もなく過ぎ、長男が生まれたのは6日後でした。祭に行った友人たちから「すごく良かった!」と聞かされ、「チクショー!来年は必ずワイン祭に行ってやる!」と固く心に誓ったのです。(それほどのことか?)

当日みんなで車を借りて、ワイワイ盛り上がりながらアレニ村に向かいました。エレバンを出てから2時間半後、アレニ村の入り口に到着。そこから村中心部まで歩いていくのですが、すでに道端では自家製ワインが売られています。中心部に近づくにつれ、音楽が聞こえてきて、人も増えてきました。

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アレニ村の入口に置かれた大きな樽の前で集合写真。

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道端では自家製のワインや漬物などが売られていました。面白いデザインのひょうたんまでありました。

祭会場に着くと、けっこうな人混みで、ステージでは歌や踊りが行われていました。そして、その横にはいろいろな銘柄のワインが置かれたブースが!そう、そこがお目当ての場所!ワインの試飲がいくらでもできるんです。人混みをかき分け、端のブースから順に飲んでいきました。

飲み比べると、やはり味や風味に違いがあって面白かったです。気に入ったものは、2杯3杯とおかわりしました。まあ最後の方は酔いが回って陽気になっていたからか、何を飲んでも美味しく感じましたね。

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村中心部の祭会場では、ずっと歌や踊りが行われて賑やかでした。

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いろんな銘柄のワインを試飲しまくりました。酒好きには最高のお祭です。

そういえば、祭会場にアルメニアの国民的英雄、レヴォン・アロニャンがいてビックリ!日本ではあまり知られていないと思いますが、彼は世界ランキング第2位のチェス・プレーヤー。チェス・オリンピックでは、過去3回もアルメニア代表チームを優勝に導きました。

写真をお願いすると、すごく気さくに応じてくれて、「日本人かい?僕は日本映画の大ファンなんだ。小津や黒澤の映画は全部見たよ」と嬉しいこと言ってくれるじゃないですか!チェスは詳しくないですが、何だか彼のファンになってしまいそうでした。

とにかく仲間たちと美味しいお酒をたくさん飲んで、いろんな人にも会えて本当に楽しい一日でした。去年のリベンジは十分果たしましたが、来年もまた行きたいと思います。皆さんも、もしこの時期にアルメニアにいらっしゃったら、是非アレニのワイン祭に足を運んでみてください!

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世界第2位のチェス・プレーヤーのレヴォン・アロニャン。アルメニアでは超有名人ですが、とても気さくでいい方でした。しかし、ワインのせいで私の顔が赤い…

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帰り道にワイン工場にも寄りました。「もうワインは十分」という状態でしたけど…

サナヒン修道院 

日本は、記録的な猛暑のようですね。しかし、多くの原発が運転停止しているのに、今年は電力不足の話をほとんど聞きません。2年前の夏に一時帰国した時は、「原発が止まって、電力が足りなくなる!」と国中が大騒ぎしていた覚えがありますが…

アルメニアの夏も、乾燥しているとはいえ、45℃前後になったりするのですが、今年はそれほど暑くありません。特に、私が住む地域は涼しくて過ごしやすいです。

妻が妊娠中なので、寝る時も虫除けなどを使わないようにしているのですが(ここに売っているのは体に悪そうですし)、朝晩は少し寒いぐらいなので、今年は蚊もほとんどいません。毎年こんな感じだったらいいんですけどね。

さて、今日は世界遺産にも指定されているサナヒン修道院をご紹介したいと思います。その近くにあるハグパット修道院は紹介したことがあるので(こちら)、サナヒン修道院も、とっくの前に紹介していると思ったら記事がありませんでした。

場所は、アルメニア北部のロリと呼ばれる地域。グルジア国境の近くで、険しい断崖絶壁の岩山が連なった山岳地帯です。ハグパットとサナヒン、この二つの修道院も、それぞれ別の岩山の上に建っています。

観光の基点となるのは、ふもとのアラヴェルディという町。そこから車で15分ほど登っていくと、修道院のあるサナヒン村に着きます。また、ロープウェイで行くこともできます。乗ったことはありませんが、かなり古くて、別の意味でスリル満点だそうです。

開けた場所にあるハグパット修道院と違い、サナヒン修道院は、林の中にに隠れるように建っています。建物は大変立派ですが、少し朽ち果てた感じがあり、逆にそれが神秘的な雰囲気を醸し出しています。

10世紀頃に建設が始まった修道院は、当時アルメニアの宗教文化の中心で、最盛期には500人もの修道士が学んでいたそうです。ちなみに、名前のサナヒンは、「それより古い」という意味です。それというのはハグパット修道院のことで、実際にサナヒン修道院の方が早く建造されました。

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入ってすぐに立派な鐘楼が現れます。

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修道院内部。アーチの柱が美しいです。

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修道院内部のハチュカル(十字架石)。

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柱は大変立派で、美しいアルメニア文字の彫刻が施されています。

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奥の建物は、大図書館だったそうです。当時の文化研究の中心でしたからね。

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建物の屋根に草や木が茂っているのが、何とも味があっていいです。

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美しいレリーフを見ることができます。

私は、13年前に初めて訪れ、今年5月には母を連れて来ました。日本語ガイドの仕事もする妻が一緒だったので、いろいろ説明を聞きながら、観光することができました。本当に美しい場所で、母も気に入っていました。アルメニアに来られたら、是非ここも行ってみて下さい!

ホルヴィラップ修道院 

昨日は、日本人会の副会長夫妻の送別会でした。といっても、金曜日に出発されるので、まだ何度か会う予定はありますが…で、久々に度数が70%ぐらいあるウォッカをけっこう飲んだので、今朝は少しフラフラしてました。

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桑の実から作られたウォッカは、ほのかに甘くて美味しい!しかし、火が簡単につくほど度数が高いので、その後かなり酔っ払いました…

さて、ブログのタイトル写真にもなっているホルヴィラップ修道院。エレバンから簡単に行ける観光地で、とっくの前にブログで紹介していると思っていたら、どうも記事がない…ということで、今日はここをご紹介したいと思います。

エレバンの南、車で40分ほどの丘に建つ修道院で、トルコ国境からはたった8kmしか離れていません。なので、現在トルコ領にあるアララト山が間近に迫ってきます。天気が良い日は、写真のような素晴らしい景色を見ることができます。朝方の方が、アララト山はきれいに姿を現していることが多いですね。

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修道院のすぐ向こうはトルコ…アルメニアの象徴、アララト山の雄姿が間近に迫り、思わず見とれてしまう美しい景観。

ホルヴィラップという名前は、アルメニア語で「深い穴」を意味しています。4世紀頃、アルメニアにキリスト教を広めた聖グリゴールが幽閉されていた場所であったことに由来しています。

当時アルメニアでキリスト教を布教していた聖グリゴールは、異教徒だったトゥルダット3世に捕らえられ、ここの地下牢に13年間も幽閉されました。しかし、その後重い病気に罹ったトゥルダット3世は、妹の忠告に従い、聖グリゴールを解放。彼によって病を癒され、キリスト教徒に改宗したという伝説があります。

聖グリゴールが幽閉されていたと言われる地下牢も残っており、垂直の梯子で降りていくことができます。名前の通り、けっこう深い穴で、こんな所に13年も閉じ込められて、よく生き延びたなあと驚きます。ある女性が、毎日一かけらのパンを隠れて与え続けたお陰だったという話もあります。

アルメニアのキリスト教の歴史において、大変重要な場所なので、聖地の一つとなっています。エレバンから近いですし、是非とも訪れてみてください。

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地下牢へ通じる梯子。確かに深い!完全に垂直(というか、微妙に後ろに反っているような気が…)なので、降りるときは結構スリリングです。

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地下牢から見上げた梯子。内部の全体写真はありませんが、けっこう広いです。とはいえ、全く光が差し込まず、こんな所に13年もいたなんて想像できません…

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現在の修道院は、17世紀に建てられたものです。