友人カップルの結婚披露宴パーティー 

フランコフォニー国際機関のサミットが終わり、エレバンは落ち着きを取り戻しています。先週土曜日には、元コメディアンのハイク・マルチャン氏がエレバンの新市長に就任しました。市議会も、先月の選挙で圧勝したパシニャン首相率いる政党の議員が大多数を占めています。エレバンの市政がどう変わるのか、注目されています。

さて、日曜は友人カップルの結婚披露パーティーが行われたので、妻と次男レオを連れて参加してきました。カップルは、私たち夫婦と同じ日本人男性とアルメニア人女性。パーティーは、新婦の故郷のヴァイクというエレバンから車で2時間半ほどの村で行われました。私たちを含めエレバンからの参加者が10人ほどいたので、みんなでミニバンに乗って向かいました。なんと日本大使も来られました。

夕方5時過ぎに到着して、まず新婦のお宅にお邪魔しました。そこで新婦とご家族に挨拶して、お祝いの乾杯しました。自分が結婚した7年前のことを思い出して懐かしくなりましたね。その後、披露宴会場のホテルに行くと、新郎とそのお母さんとご友人、そして弟さんご家族が待っていました。お母さんは杖をついて歩かれていましたが、それでも遠いアルメニアまで来られて本当にすごい!

ちなみに、私の日本の家族は仕事などの理由で結婚式に誰も来ませんでした…でも、片岡さんや聖美さん夫婦など親友がたくさん参加してくれたお陰で、一生思い出に残る素晴らしい結婚式・披露宴となりました。だから今でも妻と、「すごく楽しかったから、また披露宴パーティーをやってみたいね」なんて言うことがあります。結婚10周年にパーティーをやってもいいかも?!

話を戻して、披露宴パーティーが始まると、ウェディングドレスを着た新婦が登場!本当に美しい花嫁でした。二人は教会で式を挙げていないため、そこで夫婦の誓いの儀式を行いました。永遠に愛し合うことをお互いに誓って晴れて夫婦になりました!二人のことは、彼らが付き合い始める前から良く知っているので、ついに結ばれて幸せそうな姿を見たときは嬉しかったし感動しました。本当に良かった!

その後は、乾杯しながら食事をして、音楽の演奏が流れるとダンスタイムの開始!アルメニアの披露宴では、とにかく踊りまくるのが慣わしです。大切な友人カップルのお祝いですから、私も妻も楽しく踊ることができました。新郎のご家族や大使もアルメニア人と一緒になって踊られていました。これこそが一番の文化交流ですね!

そして途中、新郎新婦のために、私がギターを弾いて妻や友人たちと歌のプレゼントをしました。私は歌う前に、「私たち夫婦と今日結ばれた二人とは、国際結婚だったり、年の差カップルだったりとたくさんの共通点がありますが、一番大きな共通点は強い愛で結ばれていること!強い愛があれば、民族や年齢差を超えて幸せな夫婦になれます。二人も末永くお幸せに!」とスピーチしました。歌は中島みゆきの「糸」だったんですが、サプライズで、二人を祝福するオリジナルで作ったサビの歌詞を最後に付けて歌いました。

そして、次に日本大使がトランペットを持って登場!私がギターで伴奏を弾いて、長渕剛の「乾杯」を奏でて下さいました。わざわざエレバンから来られて、みんなで一緒に飲んで踊って、お祝いの演奏までされるなんて素晴らしい!二人の門出を祝福するために大使が参加して下さったことは、披露宴パーティーをより思い出深いものにしてくれたと思います。

その後は、ケーキ入刀やブーケトスが行われたり、みんなで踊ったりして楽しく過ごしましたが、私たちエレバン組は夜11時過ぎに会場を後にしました。元々は10時過ぎに出発する予定だったので、大幅な時間オーバーです。やはり楽しい時間というのはあっという間ですね。もっと滞在してお祝いしたかったですが、翌日は平日だし、小さい子供もいるので仕方ありません…

最後に新郎新婦、そしてご家族に改めて祝福の言葉を伝えました。お祝いする私たちも幸せな気持ちになれた素晴らしい披露宴パーティーでした。だから、二人もきっと幸せな夫婦になれると思います。それに私たちみたいに(笑)、二人は本当にお似合いのカップルですしね。秀さんとシュシュン、結婚おめでとう!末永くお幸せに!

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親御さんの立会いの下、晴れて夫婦になった秀さんとシュシャン。美しい花嫁でした。ちなみに私は妻の美しい花嫁姿を見た時、「あ、あの…マジで俺でいいの?!」と思いました。

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二人でダンスを披露。私と妻も一緒に踊りました。レオを抱きながらですが…

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ハートの風船で楽しそうに遊ぶレオ。みんなに可愛がってもらいました。

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その後はお馴染みのダンスタイム!私も踊りまくりました。なので、今日は足が痛い…

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新郎新婦も一緒にいろはセンターのメンバーがすずめ踊りを披露!これも盛り上がりました。

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最初の共同作業のケーキ入刀。一つ一つの儀式が自分の結婚式のことを思い出させて懐かしい…

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二人を祝福する花火のカーテンも!華やかな演出が披露宴を盛り上げました。

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最後に新郎新婦と写真。踊りまくったせいで私の髪がバサバサ…秀さんとシュシャン、心からおめでとう!二人の門出をお祝いできて嬉しかった!私たちみたいに(笑)、いつまでも幸せな夫婦でいてください!

長男アレンが5歳になりました! 

肌寒くなってきたせいで風邪が流行っています。数日前から妻も風邪で、私も少し風邪気味です。幸い昨日と今日と急遽休みとなったので、悪化しないように努めたいと思います。

ちなみに連休となったのは、現在エレバンでフランコフォニー国際機関のサミットが開催中で、マクロン仏大統領など各国のVIPが訪問しているからです。フランコフォニー国際機関とは、民主主義や人権といった普遍的な価値観とフランス語を共有する国・地域の総体で、アルメニアも加盟しています。アルメニアはフランス語圏じゃありませんが、亡くなったシャルル・アズナブールに代表されるアルメニア系移民が数多く住むフランスとの繋がりは大変強く、そのためフランス語を学ぶ人も多いです。

揉めているアルメニア国民議会の解散総選挙の早期実施ですが、断固反対している共和党から18人もの議員が、パシニャン首相の訴える12月実施を支持する声明を出しました。その共和党は、パシニャン首相が辞任しても候補者を自党から出さないと明言しており、アルメニア繁栄党も12月実施を正式に支持しています。着々と選挙の早期実施の基盤が固まりつつあります。

こういった流れを見ていると、パシニャン首相は意外にしたたかだなと感じます。国民に大規模なデモを起こすよう訴えて現状を打開することも可能ですが、そうはせずに首相辞任というカードを切りながら反対勢力と交渉を重ねていく…やはり政治というのは駆け引きですから、理想や情熱だけでは国を変えることはできません。

キューバ革命も、常に理想を追い求める情熱と純粋さを持ったゲバラ、そして目的達成のために清濁併せ呑むしたたかさを備えたカストロがいたからこそ成功したと言えます。アルメニアの革命を遂行するために今のねじれ現象の解消は不可欠で、議会選挙の早期実施はその最終局面ともいえる重要なプロセス。できるかぎり混乱などなく実現してほしいと願います。

さて、昨日は長男アレンの5歳の誕生日でした。朝みんなで「おめでとう!」と言うと、とても嬉しそうにしていました。そして、先述したように昨日・今日と休みになったので、家族で出かけました。まずはプレゼントを買いにおもちゃ屋へ。いつもは事前に買ってサプライズで渡しますが、もう何が欲しいかアレンの希望は聞いていたし、休日で幼稚園もないし、直接アレンに選んでもらうことにしたのです。アレンが今年ほしかったのはロボットのおもちゃと自転車。いろいろある中から気に入ったものを買ってあげました。

その後は、以前にブログに書いたことがあるショッピングモールの中のミニ動物園へ。ヤギやウサギに餌付けができるので、今回も子供たちは喜んでいました。でも、アレンがプレゼントのおもちゃで遊びたいと言い出したので、ちょっと早めに切り上げて家に帰りました。妻の従妹の子供たちもお祝いに来て、一緒にロボットのおもちゃで遊んだり、自転車に乗ったりしていました。

そして家族と親戚で食事をして、アレンにケーキのろうそくを吹き消してもらいました。今年は小ぢんまりとしたお祝いでしたが、ほしかったプレゼントを買ってもらって、ずっとみんなに「誕生日おめでとう!」と言われて、アレンにとって楽しい1日だったんじゃないでしょうか。

しかし、もう5歳かあ…来年には小学校に入学します。今更ながらに子供の成長は早いと感じますね。同じように次男レオもあっという間に大きくなるんでしょう。かけがえのない子供の成長を見守る時間を大切にしないと。アレン、誕生日おめでとう!

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買ってもらった自転車にすぐに乗るアレン。

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ミニ動物園でウサギと遊ぶ子供たち。

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買ってもらったロボットで遊ぶアレン。左手は「5歳!」と表しているつもり。

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ろうそくを吹き消すアレン。元気にすくすく成長してくれて何より。誕生日おめでとう!

日本語弁論大会と武道フェスティバル 

気持ちのいい晴天が続いていますが、朝晩は薄手のセーターやジャケットが必要なほどの気候になってきました。もうすぐ10月中旬ですもんね。そういえば、今週はフランコフォニー国際機関のサミットがエレバンで行われるので、木・金曜を休日とする政府決定が出されました。

さて、先週の土日は日本関連のイベントが続けてありました。土曜日は第8回アルメニア日本語弁論大会が行われ、私は審査員を務めました。弁論大会の審査員をするのは初めて。日本語教師だった時は、自分が教えている大学やセンターの学生が出場するので、公平性の観点から審査員はできませんからね。私の他に日本大使や国際交流基金の方なども審査員を務められました。

今年は一般部門に1人、学生部門に9人が参加しました。それぞれユニークなテーマで頑張って発表してくれました。私は発表後の質疑応答を担当したんですが、何人かは質問にも上手に答えてくれました。その質疑への受け答えやスピーチの内容、また発音などを点数で評価して、最後に4人の審査員がつけた点数の総合で順位をつけます。

数字で評価するのは難しかったですが、やはり上位3,4人はどの審査員も同じような評価で、意見が割れることなく1位から3位までの入賞者が決まりました。今年の優勝者はひかりセンターで日本語を学ぶムヘル君!私も教えていたことがある優秀な学生です。「たとえ遅くても物事に挑戦するのは大切だ」ということを、自分の経験を通して語ってくれました。2位はいろはセンターで学ぶシュシャンさん。大好きなヘヴィメタルについて話してくれました。3位はスラボニック大学で学ぶイネッサさん。自分のお兄さんのことや家族の大切さについて話してくれました。

見事1位に輝いたムヘル君には、来年の9月に日本に行くチャンスが与えられます。また一人の学生の夢が叶って嬉しく思います。よかったね、ムヘル!優勝おめでとう!これからも勉強を頑張ってください!

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山田大使からムヘル君に賞状と優勝トロフィーが授与されました。おめでとう!

そして日曜日は、今年で第三回目となる武道フェスティバルが開催され、長男アレンが昨年に引き続いて空手の演武を披露するので家族で行ってきました。しかし会場に着いてみると、観客が少なすぎて驚きました。昨年もかなり少なかったですが、今年はガラガラと言っていいレベル…場所は便利な中心部の会場だったんですけどね。

それはともかく、フェスティバル自体は中々面白かったです。いろはセンターの皆さんがオープニングですずめ踊りを披露してくれて、その後は居合道や剣道、空手や合気道、柔道など様々な武道のデモンストレーションが行われました。以前2つあったアルメニアの剣道団体が統合され、今年は指導に来られている前野先生も演武を披露されました。

そして、アレンも頑張って空手の演武を披露しました。昨年よりも少し動きが増えましたが、ちゃんと最後までやり通すことができました。その後は同い年ぐらいの女の子とも一緒に演武をして、小さい体で頑張る姿は可愛らしかったです。もちろん親バカらしく動画を撮っているので、下に載せておきます。来年もフェスティバルがあれば、また参加して上達ぶりを見せてほしいと思います。

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フェスティバルのオープニングで、いろはセンターの皆さんがすずめ踊りを披露。

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JTIのモスクワ支社の方が居合道を披露してくださいました。

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今年は前野先生と共にアルメニアの剣道連盟も参加しました。

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やはり疲れたのか、家に帰ったらパクパク食べるアレン。次男レオはフェスティバルの途中で寝てしまいましたが、ちょうどアレンの演武の時に目を覚まして見ていました。


アレンの空手演武の動画。まだ小さいから動きはぎこちないけど、頑張って最後までやり通りました。

シャルル・アズナブールの追悼式典 

今日は、日本の人形劇団・望ノ社による「宇宙カバ」という影絵劇がエレバンで上演されるので、長男アレンを連れて見てこようと思っています。ちょっと内容的にアレンには難しいかもしれませんけど、影絵には喜ぶでしょう。

さて、前回の記事に書いたように、3日前に共和党や他の野党勢力が解散総選挙の早期実施を阻止するために議会規則を変更する法案を可決しました。その際に野党のアルメニア繁栄党とアルメニア革命連盟の議員らも、共和党と結託して賛成票を入れました。パシニャン内閣の一部の閣僚はこの2党から選出されていましたが、この一件で全員クビになりました。また2党に所属している地方の知事らもクビ、または自ら辞職しました。

まあ、この2党とも革命前は共和党と連立を組んで、”寄らば大樹の陰”の発想で権力に固執していた政党です。セルジ・サルグシャン前首相の辞任を求める市民デモが拡大して政府側の分が悪くなってきたと見るや、「我々は市民の味方だ!」と調子のいいこと言いながらパシニャン側に擦り寄りました。そして今は、自分たちにとって都合の悪い選挙の早期実施を阻止するために共和党と再び結託するんだから恥も外聞もありませんよね…ちなみに、アルメン・サルグシャン大統領は今回の改正法案に署名しない意向を示しています。

そのパシニャン首相とサルグシャン大統領は現在パリにいます。他に文化大臣やアルメニア大司教も一緒です。というのも、先日亡くなったシャルル・アズナブールを追悼する国家式典がパリで行われているからです。映像を見ましたが、マクロン仏大統領はじめ名だたる多くの有名人が参列していました。フランスの国民的歌手であり、世界的な大スターだったことがよく分かります。

彼がオスマントルコによる大虐殺から逃れた両親の下に生まれたアルメニア人であることは、日本ではあまり知られていないかもしれません。しかし、その歌声は多くの日本人にも愛されました。奇遇にも、今年春に旭日小綬章を受章したり、先月の来日公演が彼の最後のコンサートになったりと、晩年は日本との関わりが強かったですね。

そんな彼は生涯アルメニア人であることに誇りを持ち続け、アルメニアへの慈善活動も熱心に行い、アルメニアの駐ユネスコ大使を務めたこともあります。世界中のアルメニア人にとっても、彼は偉大なアーティストとして常に民族の誇りでした。94歳という高齢で天寿を全うしたと思いますが、それでも多くのアルメニア人が喪失感と悲しみに打ちひしがれています。

マクロン仏大統領は、「彼の素晴らしい作品、歌声、そして唯一無二の輝きは永遠に残るだろう」と述べましたが、その言葉通り、彼の歌はいつまでも世界中の人々に歌い継がれ、聴き継がれていくでしょう。そして、いつまでもアルメニア人の心の中で英雄的存在として輝き続けていくでしょう。心からご冥福をお祈りします。


国家式典の様子を伝えるアルメニアの現地ニュース。アルメニア語の歌が歌われ、アルメニア国旗の3色のバラの花が捧げられました。パシニャン首相が黙祷を捧げる姿も映っています。


式典の最後は、彼の代表曲の一つ「世界の果てに」が歌われました。生涯で1400曲以上の曲を書いたそうです。

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ちなみに今日は”教師の日”なので、アレンが通う幼稚園の先生たちに花を渡しました。すると、「ママにも花をあげたい!」と言うので、花屋で花を買いました。

またまたアルメニア政界が混乱中! 

昨日はラジオ番組「ON THE PLANET」で、アルメニアについて話しました。深夜でしたが、お聴きくださった方もいるかもしれませんね。最近アルメニアで話題になっていることは?という質問に、アルメニア系フランス人のシャンソン歌手シャルル・アズナブールの訃報だと答えました。今も多くの人がその死を悼んでいて、彼がどれだけアルメニア人に愛され、そして慕われていたのかがよく分かります。

よりによってそんな時に、アルメニア社会が混乱するような事件が起こりました。革命時のように全国的なデモが発生しかねない状況でしたが、幸いそれは回避されました。以下に昨晩ここで起こった出来事について説明します。

ニコル・パシニャン首相は、国民議会の解散総選挙を今年12月に前倒しして行う意向を示していました。議会はいまだ共和党やアルメニア繁栄党が多数派でねじれ現象が起きています。先月のエレバン市議会選挙でパシニャン首相が率いる政党が圧勝したため、その勢いで議会選挙でも勝って、なるべく早くねじれ現象を解消したいのでしょう。

これに対して共和党や他の野党勢力は、「12月じゃ選挙準備が間に合わない!来年5月にしろ!」と同意しませんでした。まあ、今の状況で公平な選挙が行われたら、彼らは議席をほぼ失って党は壊滅的なダメージを受け、地位も権力も失います。それはそれで極端ですが、やはりそれが民意というもので、元はといえば自分たちが今まで国民不在の悪政を行ってきたことが原因です。

パシニャン首相は共和党の代表らと交渉してきましたが、選挙の早期実施を何としてでも阻止したい反対勢力は、昨晩なんと緊急国会を開いて、議会規則を変更する法案を賛成多数で可決してしまいました。議会解散の条件を制限する内容で、それによって総選挙の早期実施が難しくなるらしく、もちろんパシニャン首相や彼の支持者らは大反対。パシニャン首相の呼びかけに応じて、あっという間に国会議事堂前に数万もの市民が集結しました。

パシニャン首相は、「共和党や他の野党は、早期の選挙実施を望む有権者の意思を無視する暴挙を行った。これは革命に対する、また国民に対する宣戦布告だ!」と訴えました。集まった市民もかなりヒートアップしていたので、このままだと暴徒化しないか、もしくは全国規模のデモに発展しないか…と心配しましたが、ずっとパシニャン首相が支持者らに冷静でいるよう促し、最後は彼自身が国会議事堂に入って反対勢力の代表らと話し合いました。

1時間以上の話し合いの後、パシニャン首相は支持者らの前に現れて、「話し合いは無事に終わった。議会を解散するために、近く私は首相職を辞めるだろう。そして予定通り12月に総選挙を行う」と述べました。とりあえず全国的なデモに発展することはなく事態は収束しました。

議会を解散するために首相を辞任するというのは、新たに首相を2回の投票で選べなかった場合は議会は解散となると憲法で定められているからです。その憲法規定を利用して、パシニャン首相は自ら辞任することで解散総選挙を早期に実施しようとしています。ただ、これは共和党などが候補者を立てず、投票で首相が選ばれなかった場合に限ります。反対勢力は候補者を立てないことについて正式に同意していません。

しかし、もし共和党が候補者を立てて、その人を多数決の原理で首相に選んだりしたら、国民の怒りが爆発するに決まっています。今年春に起きた革命以上の超巨大デモが発生して、そうなれば、もう国民を止めることはできないでしょう。警察も軍隊もパシニャン側に付いていますしね。

「パシニャン側じゃないと悪者にされるような極端な状況下で選挙を行うべきじゃない」という、反対勢力の言い分も分かります。しかし、そんな自分たちは金と権力を濫用して選挙結果を捻じ曲げたり、セルジ・サルグシャン前大統領の首相就任を支持したりと、黒を白にするような腐敗政治を長年やってきた訳で、国民にこれだけ嫌われてしまうのは自業自得です。

とにかく昨晩の出来事で、共和党や他の野党勢力がさらに国民の反感を買ったことは確か。今月21日に地方自治体の選挙が行われる予定ですが、共和党やアルメニア繁栄党に支持されている候補者らがすでに離党し始めています。今のままだと選挙に勝てる見込みなんてないからです。

ちなみに昨晩のデモでは、シャルル・アズナブールの名曲「ラ・ボエーム」が流されました。偉大なアルメニア人歌手が亡くなり、国民がそれに気を取られている隙に反対勢力は今回の法改正を強行したのかもしれません。その法改正案も大統領が署名しなければ効力がなく、まだまだ状況は流動的ですが、どんな困難や障害があっても、アルメニアは民主的な国に生まれ変われると信じています。


一昨日亡くなったシャルル・アズナブールを偲んで、エレバンでは追悼が行われています。パシニャン首相も参加しました。


昨晩のデモでは名曲「ラ・ボエーム」が流されました。シャルル・アズナブールも、きっと母国アルメニアが真の民主国家になることを望んでいるはずです。